2017年11月25日土曜日

立山自然ふれあい集会2017

立山自然ふれあい集会2017ということで富山県に行って来ました。公益社団法人日本山岳ガイド協会のイベントです。内容は、全国代表者会議、全国遭難対策研修会、全国自然環境会議の三本立てのガイド協会の定例行事です。長距離をドライブしながら富山に入りました。富山平野の景色の写真です。


ところ変わればそれぞれの自然と人々の営みがあります。富山平野を車で走っていてどこか既視感がありました。僕の住んでいる山梨は甲府盆地です。盆地の周りは高い山々に囲まれています。そこを流れる河川は平野部に出ると扇状地を形作り、釜無川、笛吹川に流れ富士川となって駿河湾に流れ込みます。富山平野も扇状地です。それが既視感だと思うのですが、富山平野は甲府盆地のそれとは規模が違います。そして決定的に違うのは富山湾に直接流れ込むところです。1,000m以上の深さの富山湾です。3,000mの立山や剣岳から一気に富山湾に流れ込む河川が大量の土砂を運んでくるわけです。富山湾が浅い海だったら、富山平野はもっと広くなっていたかもしれません。
立山連峰を見ながら走る富山地方鉄道の電車。


田んぼが広がる風景の中に民家がぽつんぽつんと離れてあります。その民家を取り囲むように林があります。屋敷林です。屋敷林は「かいにょ」と呼ばれ、諸説あるようですが垣根がなまって「かいにょ」だとか。南側の山から吹き下ろす風と西からの雪と雨を防ぐための林です。家は東向きになっています。
カイニョと呼ばれる屋敷林につつまれた民家が100mほどそれぞれ離れて散在しています。まとまった集落ではなくぽつんぽつんと離れています。耕作、防火に利点あり世界的にも珍しい眺望だそうです。田んぼの近くに家があると農作業や水の管理がしやすいし、何よりそれだけ水が豊かな富山平野なのだと思います。「散居村」と呼ばれる形態です。
「散居村(さんきょそん)は、広大な耕地の中に民家(孤立荘宅)が散らばって点在する集落形態。一般的には散村(さんそん)と呼ばれる。Wikipedia」


田んぼの中や家の近くにはたくさんのお地蔵様。雨ざらしのもの、石の祠にあるもの、お堂の中のものといろいろです。それぞれに頭布やよだれかけをし、お供え物やお花が飾られ大切にされていす。豊作や商売繁盛を願っての民間信仰でしょう。


神通川、常願寺川、白岩川、上市川、早月川、片貝川、黒部川がそれぞれ見事な扇状地をつくり出し、しかもこれらの扇状地の扇の先端部が重なりあって「複合扇状地」が広がって富山湾に注ぎます。それが富山平野です。約3,000mの標高差を一気に流れ下る急流河川は昔から水害に悩まされてきた暴れ川でした。それは治水の歴史です。


山座同定です。毛勝三山(けかちさんざん)です。左から毛勝山2415m(けかちやま)、釜谷山2415m(かまたんやま)、猫又山2,378m(ねこまたやま)です。


一番高い尖がったピークが剱岳2999m。


雪で白くなった山は立山です。


白い薬師岳2926mと、左の黒く目立つ山は鍬崎山2090mです。


北アルプス北部の奥深い稜線に行くための道。左は立山、剱方面。右は薬師岳、雲ノ平方面ということになります。


立山の正面玄関ともいえる芦峅寺の集落。豪雪地帯です。道路の真ん中、黄色の追い越し禁止のラインの横に消雪パイプです。いろんなパターンがあるようですが、基本は汲み上げた地下水を道路に流すことによって雪を融かすという仕組みです。


雄山神社。すぐ横に立山博物館があって是非歩いてみたいところでしたが、時間がありませんでした。昔から立山ガイドの拠点として認識されている場所です。立山信仰の出発の場所です。


日本一の瀑布と言われる称名ノ滝は遠くから見るだけとなってしまいました。


常願寺川の流れ。350mの称名ノ滝は室堂からの流れですが、本流は鳶崩れや立山カルデラからの流れです。鳶崩れは静岡県の大谷崩れ、長野県の稗田山崩れとともに日本三大崩れのひとつとされています。


立山黒部アルペンルートの富山県側の登山口が、立山地方鉄道の立山駅です。


ガイド協会のイベント「立山自然ふれあい集会2017」会場のホテルにやっと着きました。


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