2017年7月29日土曜日

笊ヶ岳 椹島から

笊ヶ岳への静岡県側のルートは、主稜線(山梨と静岡の県境)の生木割(なまきわり)2539.7mというピークから西に延びる尾根に取りつきます。
椹島の北の大井川に架かる滝見橋。この橋を渡って尾根に取りつきます。渡らないで橋の手前を左に行くと千枚岳方面の登山道です。


笊ヶ岳登山口の標識。


ひと登りで送電線の鉄塔わきを通過。いったん緩んだ傾斜の先は本格的な登りになります。椹島の標高は約1120m、鉄塔の先が1372mの標高点、急登の先の1857mまで登れば完全に尾根に上がって傾斜が緩みます。


急坂の登り。


標高2000mを越えると広い緩やかな尾根になります。結構長くてどこでもテントが張れそうな尾根です。


この立派な標識は目立つし、緩やかでだだっ広い尾根の上ではいい目印です。この先で尾根の北側を歩いていたとレースは、南側に移ります。沢で言えば、下木賊沢から上倉沢側のトラバースに変わります。


2053m標高点の南の2000m等高線を上がったり下がったりのトラバース道。


結構険しいトラバース道です。トラバースしないでそのまま生木割に登ったほうがずっと安全です。ただこのエリアの主役は笊ヶ岳なので、笊ヶ岳に登るためにはこのトラバース道を通過するしかありません。トラバースなので沢と尾根が交互に登場します。トラバースの道がアップダウンしてつけられるのは、岩場が登場してそれを避けるために上下するんです。沢登りの巻き道と同じです。滝が登場して登れない場合、左右のどちらかをエスケープ的に巻きながら登りますが、登るだけではなく、登りすぎたら沢身に戻るのに懸垂下降したりしますが、このトラバース道も全く同じように道がついています。だから険しいんです。


だいたい7~8本の沢を通過します。同じくらいの数の尾根も通過します。トラバースルートの起点は2053m標高点の下で、自然と斜面のトラバースになります。終点は上倉沢の広河原と呼ばれるところです。


本格的な整備から数年は経っている感じです。橋もハシゴも登場しますが、経年劣化が進んでいます。


シーズン初めにとりあえずの整備が行われているようです。こんな倒木があるところも鋸が入っているのが最低限通過できるための整備という感じでした。


バランスを崩して転倒すればただではすみません。


生木割から南に伸びる延びる尾根の末端をまたぐと、こんな感じのカラマツが登場してすぐに広河原です。


トラバース道が終わって、上倉沢の沢身にいったん降りて対岸に登り返して笊ヶ岳の登りに取り掛かるという感じです。そこがちょっとわかりにくいので、伏流になった涸沢の上倉沢にはこんなド派手なマーキングがあります。


トラバース道対岸の幕営地。ここにテントを張ってベースキャンプとしました。


すぐ横の上倉沢は涸れているので、水を求めて上倉沢を5分くらい下ります。くだると突然あふれんばかりの湧水です。冷たくておいしい水です。


このベースキャンプからあっちこっち登りに行きます。とりあえずファイアープレースを作りました。朝晩、焚火をしながら飯を食ってこの場所に溶け込むために。


翌朝、笊ヶ岳に向かいました。涸れ沢につけられたトレースを進みます。上倉沢左岸の笊ヶ岳にに直接突き上げる沢です。


途中から右岸の斜面のトラバース道になります。この場合のトラバース道は、間に入る沢がとても小さいものなので問題になりません。主稜線に近いからです。つづれ折りの優しいトラバース道。


主稜線に出ました。反対側は山梨県だという尾根が主稜線です。


赤石岳と荒川三山。展望がきくとモチベーションが上がります。


笊ヶ岳山頂。


手前の黒い目立つやわらかい山頂が生木割2539.7m。笊ヶ岳の次は生木割に進みました。


2017年7月28日金曜日

鳥森山

すごくめずらしいガイド登山のご依頼でした。トータル6日間。エリアが白根南嶺の笊ヶ岳のエリア。登山口が椹島ということで登りはじめと下山にそれぞれ一日づつ、実際の登山活動は4日間という内容。ベースになる椹島は、僕が住んでいる山梨県韮崎市からでもドライブが4時間、バスに乗り換えてさらに1時間で5時間はかかります。
写真は椹島に向けてのドライブ途中の国道1号線、駿河湾です。


県道189号線に入ってちょっとあせったのは、直前の交通誘導員のおじさんが時間帯で通行止めになる工事現場があるよ!と言ったこと。口坂本のルートが通行止なので井川に行くにはここしかないルート、通行止めになる時間前に通過できました。


畑薙ダムの駐車場。そんなに多くない車で安心しました。どこの登山口も人があふれるくらいだと実際の登山の前にハードルがあります。


マイクロバスも人混みに会うことなく椹島に移動できました。


から梅雨でダム湖の水も少なめ。


椹島に着いただけでとんでもなく遠くに来たという気分になります。


中途半端な時間に登山口の椹島に着いて、晩飯まで時間があるので椹島と赤石沢と倉沢に囲まれた鳥森山(とりもりやま)に登って1日目の活動としました。


この山に登るためにこの場所、椹島に遠いアプローチをやってくるという登山者はほぼいません。移動のバスの本数が限られているので、バスを逃してしまったりこれからバスに乗るためにスタンバイしているけど時間があるという人が、時間つぶしで登るというのが実際です。


とても整備されていますが、しっかり登らされる鳥森山です。


とても珍しいと思いました。モミとツガとヒメコマツが同じ場所から生えていました。


山頂三角点柱石。


赤石岳方面の展望。


しっかりした登山道ですが、急傾斜のある斜面もあるのでしっかり登らされます。


森の奥に椹島の事務所。


4時からお風呂。5時から夕食。


2017年7月26日水曜日

やさしい富士山

還暦の記念に富士山に登りたいというリクエストでした。普段登山はしていないということでした。ルートはお任せいただいたので、一番楽に登って下れるやさしいルートで登山しました。ご希望は3つ、①剣ヶ峰に立つ ②頂上奥宮参拝 ③十二薬師を見たい
まずは里宮である富士宮の浅間大社にお参りしました。


大きな砲弾のような火山弾。溶けて固まった岩石。富士山の噴火口から20Km近くもある場所に飛んできた火山弾。実際登山ルート上でたくさん見ることが出来ます。


富士宮ルートの五合目行きのシャトルバスに乗るため、水ヶ塚駐車場に車を停めました。シーズンが始まったばかりでガラガラの駐車場。


富士宮ルート新六合目から宝永第一火口。山の天気は先がわからないので、見られるときに見ておこうと十二薬師を見に行きました。宝永第一火口にある薬師如来に例えられる岩脈です。


保育園の遠足に出会いました。五合目から周回するようです。元気な園児。


ゆっくりゆっくり富士宮ルートを登りました。


富士宮八合目池田館。トイレの脇を通って御殿場ルートに入ります。


まだたくさん雪が残ってました。


トラバース道、はっきりしたトレースです。


御殿場ルートの赤岩八合館。宿泊した山小屋です。


影富士


小屋前で景色を楽しんでいると、すごい勢いで登ってくる赤い登山者。アドベンチャーレーサーの田中陽希さん。日本百名山一筆書きで人気者になった方。話をしたとき、以前から聞いてみたいことがありました。二百名山一筆書きの時、甲斐駒ケ岳の横の鋸岳に登るルートを考えるのに、直前に登っていたことを書いた僕のブログがわかりやすく一番参考になった、と人づてに聞いていたこと。どうも本当だったようです。本人からの言葉だから間違いないです。田中陽希とやぶ山三ちゃんが繋がっていたなんて!


夕食のカレーは定番ですが、お替り自由が嬉しいです。


もう一回影富士


そして日の出


太陽があがる前の空の色、グラデーションが好きです。


小屋の前でダウンジャケットを着て日の出を楽しみました。


一日のはじまりです。


登り始めてひと登りした所の残雪でいただいたおやつ。御殿場ルートです。


浅間大社奥宮。


郵便局も奥宮の横に引っ越してました。


ご希望の最後は剣ヶ峰。きつい登りです。


剣ヶ峰、日本で一番高いところ。


剣ヶ峰下の残雪の様子。御鉢巡りの支障にはならない程度の残雪です。


富士宮の山頂鳥居を見下ろしました。岩淵鳥居講という記事を去年書きました。


下山は御殿場ルートです。ゆっくりでもあっという間に高度を下げます。


真近に見る十二薬師。縦方向の岩脈です。龍が登っているようにも見えます。


宝永山


宝永第一火口を通って新六合目経由で、富士宮の五合目に戻りました。コケモモの花が背の低いカラマツの下で満開でした。


水ヶ塚駐車場。別れ際に顔を隠してしまった富士山。
富士宮ルートと御殿場ルートをミックスしたルート取りや泊まる小屋、富士登山のいちばんやさしいコースだと思います。