2016年11月28日月曜日

城ヶ崎海岸

ものすごく久しぶりに城ケ崎海岸でクライミングをしてきました。月一の静岡山岳自然ガイド協会の研修。講師は日本山岳ガイド協会クライミングインストラクターの富永浩司さん。

やっぱり伊豆半島は遠いです。伊豆半島の東側の城ヶ崎海岸に向かう途中、十里木からの見事な富士山。宝永火口がばっちりきれいに見えました。


どんなルートを通っても渋滞に巻き込まれる感じの伊豆半島。二十代のころバイクでよく通ったんですが、相当むかしなので道路状況も様変わりで、やっと大室山が見えた時はホットしました。

久しぶりの城ヶ崎海岸、岩は変わっていませんでしたが、岩場に取りつくための諸々が大きく様変わりしていました。まず駐車場。小さな駐車場がエリアごとに点在していて基本的に有料です。別荘地の海岸沿いなので平らなスペースが元々あまりなく、無料のスペースもあるにはありますが、クライマーだけではなく釣り人も利用します。初めから有料駐車場に停めたほうがスムーズという印象です。ダイビングショップ系の駐車場で1日1,000円、それ以外で500円という感じです。  


初心者エリアの「フナムシ・ロック」。登る岩がどこにあろうが岩は岩。目の前の岩に取りつくのですが、波打ち際というのがなんともなじめない城ケ崎です。ここはもともとボルトがないエリアですが、ほかのエリアの多くのボルトは撤去されたということでした。エリアによって懸垂下降をするところのフィックスロープなども取り払われたようです。観光地で、別荘地なので、登攀禁止にならないようとの配慮です。当然、ここを利用するクライマーは、車の止め方、トイレの問題、ごみの処理など神経を使って利用しなければなりません。当然車中泊も禁止です。


スズメ岩と呼ばれている岩。磯釣りのスポットです。


右から左に五月雨式にルートが設定されています。初心者向けの5.8というグレード以下のルート。


登っている脇に波。なので波打ち際という感覚が半端ないです。海は相模灘です。波が高い日でエリアの右側、東側は全く取付くことが出来ない日でした。


波に洗われて丸くなった岩がゴロゴロしている小さな入り江です。海の波ってやっぱすごい!


スズメ岩の向こうの方がはっきり確認できるようですが、柱状節理、六角形の岩の成り立ち。


大室山から流れ出した溶岩が、急速に冷やされてできた岩壁。


巨大な鮫肌のような岩。岩登りしなくても、岩を観察しているだけでも面白い場所。


伊豆半島の地質の成り立ちが詳しい地図。


最近はまっている鍋焼きうどん風のお昼。時間に余裕がないと作れません・・・


ビレーデバイスの確認。どうロープを通すか?カラビナの方向はどちらか?クライミングインストラクターのアドバイスは、山を登って下るわけではないので、いたってシンプルに的確です。


写真のハーネスに結ばれたロープのループはちょっと大きすぎる感はありますが、今回確認できた新しい発想です。ハーネスにロープをエイトノットで結びますが、タイトに結ばないで写真のように大きめのループを意図的に作った方がいいというもの。このループの遊びがハーネスがひっくり返るということを防ぐようです。実践してみて、体重をかけてみて実感しました。ハーネスに結ぶとき大きめのループにした方が、ハーネスが安定します。
補足説明をいただきました。
クライミング用のハーネスにはビレーループが付いています。メインロープをウェストベルトとレグループのタイインループにエイトノットで結びます。エイトノットのループをタイトにしないで、ビレーループぐらいに大きめに作って結んだほうが良いということです。大きめのループで結んでおくと、落ちた時にまずレッグループに体重がかかって、次にウェストベルトにかかるという感じで、ブランコに座るみたいにハーネスにぶら下がります。エイトノットのループが小さいと、ウェストとレッグ同時に荷重がかかって、エイトノットのループを大きめに結んだ時より不安定になります。


トップロープの支点。これはツーバイト。


ラウンドターン。ロープではなくシュリンゲの結び方です。


ガースヒッチ(カウヒッチ、タイオフという言い方もあります)。


ツーバイト⇒ラウンドターン⇒ガースヒッチ、だんだん強度が弱くなります。スリングは結び目が多いほど強度が落ちるということが実験で証明されています。

2016年11月25日金曜日

三ツ峠

三つ峠から絶景の富士山を見ながら歩きたいというリクエスト。
甲府盆地の国中地方から、郡内地方の河口湖方面に行く峠越えの道は、古代官道が通っていた道です。御坂峠です。そんな事を考えながら国道137号線を走っていると、リニア実験線の下を通ります。写真のカバーに覆われた横たわる筒のようなのがリニアです。


河口湖から富士吉田方面に抜けるトンネル、新倉河口湖トンネルの河口湖川の交差点をトンネルとは反対側、河口湖方面にちょっと入ると、古代官道が発掘された鯉ノ水遺跡説明板。


こんな景色です。写真の奥がトンネルです。古道を知る上でちょっと寄るのがおすすめです。


周りの山々も富士山も厚い雲の中・・・河口湖です。


周回ルートにしようと、河口湖の湖畔からバスで三つ峠登山口に移動しました。バスのは大勢の人。20人近く乗っていてちょっとびっくり。北側からのルートは1時間位で山頂に行けるお手軽ルートです。


山頂は、四季楽園と三ツ峠山荘の2つの通年の営業小屋があります。その物資を上げるジープも通る登山道。広いのですが、ジープが通るときは要注意です。


ジープ、何台も上り下りしたのでグチョグチョになった登山道。


山頂(開運山)に近い四季楽園


開運山直下は今年整備されたばかりの登山道でした。3年計画で整備されるようです。


ステップがハードルのようになってますが、ここも来年、上の写真のように整備されるようです。


三ツ峠山頂。開運山です。この石碑と富士山はセットなのですが、残念でした。


もう一つの山小屋三ツ峠山荘。風もありませんでしたが、外だと寒いので中で休憩。一人500円でお茶付きの休憩料。


どちらの小屋も、小屋前のベンチ利用でもチップが必要です。


北から御巣鷹山、開運山、木無山と3つの山頂の三ツ峠。南に下る府戸尾根で富士山を眺めながら下りましょう!と思ってきましたがガスの中。木無山の南の三角点。点名「木山」。登山道はこのピークの西側を通っていて山頂は通りません。


よく歩かれた府戸尾根。


霜山と呼ばれているピークの三角点。点名は「新倉組」


カチカチ山ロープウェーの山頂駅に着きました。中国からの方々がいっぱい。


地形図を見ると書かれている徒歩線、かちかち山山頂駅の北の尾根に下ってみました。道はありませんでした。結構悪い下りでした。


河口湖の湖畔までもう少しのところにある道。鎌倉往還と案内されていた舗装路です。


それでも狙い通り小曲岬の遊歩道に下ってきました。この岬の県営無料駐車場に車を停めて、バスに乗って北側の登山口から、府戸尾根を下った周回ルートでした。富士山を眺めに来たのに全く顔を出してくれなかったということは、また来なさいと言うことかも知れません。


2016年11月22日火曜日

八頭山地図読み講習



コンパスと地形図がありさえすれば、どこでも地図読みの極意をお伝えすることができます。
山と向き合うことができる地図読み講習です。八頭山は僕の地図読み講習の原点の場所です。
どうぞご参加ください!

 日時     :   2016年12月10日(土)


 参加費用   :  ¥8,000(ガイド料) 

                
 集合場所時間 :  JR韮崎駅 12月10日(土)朝 8:30 

                              
 ■ 行程 :  韮崎駅-武田八幡神社-八頭山-白山城-武田八幡-韮崎駅
                   
       
 ■ 持物 :2万5千地形図 『韮崎』 ベースプレートコンパス、昼食、行動食、水筒
       磁北線を入れて置くのがベターですが、当日お伝えします。
             
              
■ 現在地の確認を中心に、地形を見ながら目的地までどう行くか?
  地図読みをしながらの登山の実践です。

    ・地形図(国土地理院25,000分の1)の話
   ・コンパスの基本的な使い方とルートの先読み
   ・地形図では表現しきれない地形
   ・晴れていれば山座同定
   ・地図読み以上に大切な地形読み などです。

どうぞご参加ください!  



◇ エントリー

   お申込みフォーム:こちらからどうぞ!

   催行にあたり、同意書は必ず必要です:こちらからどうぞ。
     
   保険加入も必ず必要です。やまきふ共済会の共済をお勧めしています。:こちらです。

2016年11月21日月曜日

ヘッドランプ

山に登るときに絶対持たなければいけない装備のヘッドランプです。日帰りで、コースタイムも短いからいらないよね~という感覚はNGです。何かのアクシデントで帰りが遅くなって真っ暗になるというのは普通にあることです。明かりがないと何も見えなくなってしまいます。

ヘッドランプの製品テストをしたということではありません。たくさんの製品の機能を把握するなんてことは無理です。僕が普段使っていて感じたことを書いてみたいと思います。


ヘッドランプ、いろんなメーカーがいろんな製品を出しています。これがベストと言えないので中々難しいチョイスになります。写真は、10年近く前に購入したBD(ブラックダイアモンド)のスポットというモデルです。今のモデルからすれば、前の前の前…ぐらい古いものです。


なんかこぴっとしたやつを購入したという自己満足からなのか、10年くらい使ってきたヘッドランプ。こいつの弱点は電池交換のやりづらさ!電池交換するのにバッテリーボックスが開けずらいこと。ドライバーか何か金属製のシャープなものがないと開けられません。 仕事柄、実際の山で電池交換を頼まれることも多々あります。こんなに扱いずらいと嫌になっちゃう!素手で扱えることが前提であってほしいです。ヘッドバンドもヘタッテしまって一度替えました。


拡大した写真なので、電極の方向がわかりますが、これって暗がりで電池交換しようとしたらかなりハードルが高いと思います。明かりがない中で+、-の方向を確認して電池を入れなければならない・・・ 単4電池3本。


ガイドなので、だれよりも明るく使えるヘッドランプを持ってないとだめじゃん!ということで5~6年前に購入したペツルの当時の最上級モデル、”ペツル「ミオRXP」”ヘッドランプに一万数千円も掛けたなんて、すっごいことでした。


御多分に漏れず、LEDで明るいというのはあります。買った当時では一番明るいヘッドランプでした。160ルーメン。でも、使っていてだんだん徐々にバッテリーがなくなる感じに暗くなります。急激に光源が奪われるのなら即バッテリー交換という感じですが、ほんとだんだん落ちていくので、暗いなと思っても使い続けるというパターンでした。バッテリーの消耗は激しかったです。
ハニカム構造に見えるカバーで、遠距離モードで照らします。


ハニカムカバーを外すと近距離が見やすく明るくなります。でも、いざヘッドランプをつけている状態で使い分けることはほとんどありませんでした。ヘッドランプって、一度スイッチ入れたらそのまんま使い続けます。いろんな機能が付いていたとしても、それを使い分けるということはほとんどないというのが実感です。


5~6年前の最上級モデルだったわけですが、とにかく一番使いにくかったのがスイッチでした。左からバッテリー残量のインジケーター、次がメインスイッチ、右がこれを押している間ランプがつくというスイッチ。手前の黒い突起は、誤作動防止の突起。これが通常一体になっているときはスイッチが押しにくくてどうしようもない感じでした。もちろん冬の手袋をした状態だとアウト!って感じでした。


バッテリー交換も暗がりではとてもやりにくいです。結構暗くなってしまってからバッテリー交換をするというのはあります。準備不足ですがね・・・ 単三電池3本。


この夏から使い始めた、国産ブランドのmilestoneのMS-E1。はっきり言って重いです。


スイッチは使い易く、手袋をしていてもOK。右がメインスイッチで、左が赤色LEDとサブ。最近のまともなヘッドランプに必ずついている赤色LED。山小屋やテントに泊まっている深夜、トイレに起き出すなんてありますよね?そんなときに使います。狭いスペースで、周りに寝ている人の安眠を邪魔しないためです。自分の足元さえ見えればいいわけですから。こんな時メインの明かりで照らされたものなら、まさしく安眠妨害となり顰蹙もんです。たとえ生理現象だとしても。赤色LED使えます。


バッテリーボックス。単三電池3本。250ルーメンという明るさですが、ナチュラルウオームカラ-という明かりの種類で、優しい感じの色。


なかなか頑丈な作りで、重い原因でもあるのですが、防水性はバッチシみたいです。何より、バッテリーボックスの電池のマイナス極に付けられたコイル、実際暗がりで電池交換をしましたが、このコイルがとても分かりやすくて電池の方向が簡単にわかりました。電池交換が簡単というのはとても重要です。


これはまだ山で使っていないブラックダイアモンドのスポットの最新版です。明るさは200ルーメン。


スイッチは一つで使い勝手は良さそうです。ただ、何回押すとどうなってとか、使い方がいろいろすぎてオーバースペックかもと思わせます。購入したお店の店員さんも正直しどろもどろって感じでした。ヘッドランプ使うにも予習が必要なんです。ボタンの押し方で明るさが調整出来たり、スイッチをロックしたり、赤色LEDにしたり、事前予習は必ずやらないと使えない最近のヘッドランプ。


バッテリーボックスの開閉は簡単に手で出来ました。単4電池3本。


電極のサインはやはり暗がりでの電池交換には向いていないようです。milestoneのマイナス極のコイルが、前時代的ではありますがとても分かりやすい希少種なのかな。


真ん中のプラスチックケース、電池変換スペーサーと言います。このケースの中に単四電池を入れると単三電池として使えます。予備電池をいつも持ちますが、このケースのおかげで単四電池しか持ちません。当然容量は減ってしまうので、長時間使うときはその都度電池を変えます。結構軽くなった感じがします。


ヘッドランプ購入予定でどうしようか?と悩んでいる方に。明るさは100ルーメン以上で、バッテリー一体型で、100g以下のものが使いやすいと思います。明るくても、バッテリーボックスが後ろについているタイプだとはっきり言って重いです。100ルーメン以上の明るさなら十分です。イメージしているのは山頂ご来光の富士登山だったりします。明るければいいというものでもないので、明るさや使い勝手の良さを考慮してトータルにとらえてください。