2016年5月29日日曜日

鳳凰薬師岳の雲

2016年5月29日、今日の写真です。半日くらい鳳凰山の稜線にいて、雲の様子が瞬時にどんどん変わって行きとても面白い雲が見られたので、写真中心にブログ記事にしてみます。

薬師岳の朝は、雲ひとつないとても素晴らしいものでした。展望のいい山こそこんな条件を楽しみたいものです。


青空にまずはこの雲が現れて、おっもしろい!なんなんだろうね~?からはじまった空の観察。
巻雲けんうんです。今夜から山梨県地方は雨予報。前線が東に進んでいます。明日5月30日午前は本格的な降雨になるようです。この雲前線の最前線にいます。面白い形がいろいろあるようですが、これは肋骨や魚の骨、鳥の羽根に例えられる肋骨雲というのだそうです。上空5,000~16,000 mに出来る雲。天気はまだ半日はもちます。


これは巻積雲けんせきうんでしょう。 鱗雲うろこくも、鰯雲いわしくも、鯖雲さばくも!?なんて言われ方をします。巻雲の次に高い所に出来る雲。

巻雲と北岳。


自己流の気象用語の解釈なので間違いもあるかと思います、お許しください。
巻雲➜巻積雲➜ 高積雲 ➜高層雲➜ 層積雲➜ 層雲 とだんだん下がってきます。


これはおまけです。薬師小屋の西側にあった岩。北アルプスの燕岳のイルカ岩にかけて、薬師岳のクジラ岩!どうでしょうか?


ほとんど芸術のような雲!


雲がこの高さだとまだまだ大丈夫な天気。なんかつぶつぶしてきました。


ふと別な方角を見上げると、こんなやつも!


なんと彩雲も登場!


彩雲さいうんは、太陽の近くを通りかかった雲が、虹のように緑や赤に彩られる現象です。


だんだん雲が下に降りている感じがしてきました。ダンサーのような雲。


再び、ちょっとだけ色がついた雲。


おろし金のような雲。


上と下の雲の位置が違って、風の強さ、偏西風の影響があるかどうかなんてのも関係しそうな雲の配置です。


同じような写真ですが、真ん中の雲がまるで生きているようでした。


太陽に近い所は宇宙を感じました。ここだけ見てれば気分は宇宙飛行士です。


天気が本格的に崩れる前に、いろんな表情で楽しませてくれた鳳凰薬師岳の空の雲。


流れるような、ヒューヒュー!みたいなやつが好きだったりします。


2016年5月26日木曜日

大笹池

椹池さわらいけです。標高約1200m、山梨では珍しい高層湿原です。県道613号線を使って車で行けます。標高350mの韮崎の街から30分くらいです。さらに車を走らせて、標高約1600mまで登ると甘利山登山口の駐車場。そこから20分くらい歩くと標高1740mの甘利山山頂。甘利山はレンゲツツジと標高1700mまで簡単に行ける場所として知られています。


そんな甘利山で地図読み講習をしました。甲府のSUNDAYさんとのコラボ


等高線の曲がり(屈曲)が沢地形と尾根地形で基本的には同じで、高い所に向かうのが沢で、低い所に向かうのが尾根。等高線が伸びているところこそ特徴的な地形が見て取れる!なんて感じの講習がずっと続きます。地形図の等高線の変化と実際の地形とを見比べて、地形図の等高線の曲がり具合の意味をいちいち確認しながら進みます。戸惑うときは整置。シンプルに、沢地形の確認、尾根地形の確認、そして整置。これをすることによって地形図とお友達になれます!不定期ですが、やぶ山三ちゃんの地図読み講習、是非ご参加ください!


里山です。山の神の石祠も登場。皆さん意外に石祠にはあっさりの反応。でもね、屋根部分がなぜか反対に乗っかていたので、正しい位置に乗せ換えました。それぞれのパーツがドンピシャにはまりました。嬉しかった!


あ~だこうだと言いながら進む地図萌え軍団。


新緑がまぶしい季節です。


道標はあります。ルート上にマーキングもされています。でもせっかくなので、地形と地形図を頼りに考えながら進みましょう!マーキングはできるだけ無視して、地形を地形図から読みながら歩きましょう!の日なんでした。


地図読みですからアップダウンなんて気にしません。目標は甘利山の南にある大笹池。幻の池といわれたりもしますが、結構みんな知ってる・・・そこに地図読みしながら行くというテーマの日です。


ポイントを押さえて、みんなでで共有して、地形図見ながら新緑の森を進みます。


クリンソウのお出迎え。そして幻の池、大笹池です。


正直な感想は、大笹池、以前より湧き水の量が減っていて、エネルギッシュな湧き水の躍動を感じることが出来ないものになっていました。以前は湧く水に圧倒されるくらいの湧出量でしたが、いかんせん勢いがありませんでした。


そしてこの時期のお楽しみ、クリンソウでした。残念なことにクリンソウも勢いがありません。よく見ると、シカの食害でしょうか?花が食べられていました。


取って返して、甘利山への登り返し。ルート設定は、椹池-南甘利山-大笹池-南甘利山-甘利山-椹池という一周コースの設定です。南甘利山から大笹池に下るルートが小石交じりのいやらしいものだったので、歩きたくないなぁ、となってショートパス。道はないので、地形図読みながらルート設定しました。こういうのはなかなか新鮮です。下の写真は小笹池と呼ばれているくぼ地。


見事なミツバつつじに、シャッター音が止まりません。


甘利山の山頂台地にやってきました。


甘利山山頂


霞がかった空に、うっすらと見えた富士山。これはこれで良いとしましょう。山梨に住む人にとっては富士山の存在は当たり前!なのですが、やっぱ富士山が見えると誰でもウォ―!となります。


レンゲツツジとヤマツツジとミツバツツジ、ズミ、百花繚乱でした。


甘利山駐車場から椹池までの登山道です。尾根地形をまっすぐ椹池に向かうというのがイメージでした。


椹池までの登山道も整備されています。


甘利山をじっくり堪能するルートです。めっちゃお勧めです。地図読み山行に参加していただいたみなさん、ありがとうございました!またどこかで地図読みやりましょう!ご参加ください!

2016年5月24日火曜日

笊ヶ岳の花

花の名前を覚えるのが苦手です。と言い訳しても始まりません。山に行けば、おのずと季節を問わずにいろんな花に出会うわけです。山の花の名前はなかなか意味深いものが多いので、写真見ながら調べながら、忘れないよう書いておきます。

老平から広河原に向かう途中の民家。ここでまず休ませてもらうのですが、すごく丁寧に生活されていた痕跡がプンプンするところです。その庭先にあるとげとげの木。ずっと前から気になっていました。この写真を見ると一度切られているのにまた生えた感じです。とげとげの木です。


カラスザンショウです。
カラス○○とかイヌ○○という和名の植物は多いですが、これらの冠詞は「役に立たないもの」という意味のようです。河原や崩壊地、伐採跡などにいち早く伸び出して生える先駆植物なのだそうですが、利用価値がほとんどないので、この場所に生えたのは住民がいなくなってからなのでしょう。これでもかっ!ていうほどのとげとげです。


ガクウツギ 額空木 奥沢谷のトロッコ跡の道に。たくさん咲いていました。


クルマムグラ 車葎くるまむぐら 広河原周辺にたくさん咲いていました。クルマバソウに似ていますがより毛がなく葉っぱが6枚。まぁ、葎むぐらってなんじゃい?となるわけですが、「広い範囲にわたって生い茂る雑草。また、その茂み。」だそうです。


ユキザサ 葉を笹の葉っぱに、花を雪に見立てたというなかなか素敵な命名です。


ピンボケですんません! イチヨウラン一葉蘭です。標高2000辺りにたくさん咲いていました。和名は葉が1枚だけつくことに由来するということ。


マジ、蘭です。小さい花ですが、まるでお花屋さんで見るような立派な高貴な感じのする花でした。


 バイカオウレン梅花黄蓮


バイカオウレンのアップ。
5月の白根南嶺の主稜線はこの花がいっぱいです。梅の花のように花びら5枚がスタンダードですが、4枚や6枚の個体もありました。何より白くて可憐な花が好きなおいらです。


あと1週間ぐらいで咲きそうなオサバグサです。櫛のような葉っぱがシダの仲間に似ています。
筬葉草おさばぐさ 葉が機織(はたお)りの筬(おさ)に似ていることから来た和名ですが、筬おさ、何かというと、機織りで縦糸に横糸を通して、櫛の様な道具でトントンとして横糸を整えますが、そのトントンとする櫛のような道具のことです。標高2000mくらいのところです。


コミヤマカタバミ小深山酢漿草


山の中に咲くカタバミということでいいと思います。白基調ですが紅のやつもあります。葉っぱが全く同じです。‘コ’がつかないミヤマカタバミはもっと標高の低いところで見られます。そしてもっと花が大きいです。この花も標高2000mくらいです。


カイイワカガミ甲斐岩鏡です。「シロバナイワカガミ・カイイワカガミ」とも呼ばれています。このイワカガミ、中部地方の低山から亜高山帯だけで見られるようで、愛知・静岡・山梨・長野4県でしか見られないという・・・ことです。


ぱっとたくさんの花々が目に飛び込んでくると、怒涛の樹林帯のつまらなそうな笊ヶ岳の登りでも意外に楽しめます。花の百名山なんて言葉もありますが、季節なりに高山に咲く花、どこでも楽しめます!