2016年1月19日火曜日

岩堂峠地図読み募集



◇ 岩堂峠  

・日時集合 : 2月4日(木)  集合時間午前8時30分  甲府駅北口

・ルート   : 武田神社の北、積翠寺に移動します。相川の上流、東沢川を東に林道、登山道を登って深草観音を目指します。別名、岩堂観音いわどうかんのん、高さ15mくらいの鉄梯子を登ると洞窟が掘られていて、その中に御本尊が祭られています。それが深草観音です。深草観音からすぐで岩堂峠。ここから主稜線まで読図です。かなりまれな地形なので、ここを地形図と実際の地形が読み取れると実力アップです!狭い範囲ですが、1129mの標高点から(大きな赤丸)下りながら、小さい赤丸の地点を目指します。赤線が予定ルートです。

標高差約700m  距離約9km  行動時間8時間予定

・持ち物  :ザック、登山靴、雨具、ヘッドランプ、帽子、手袋、防寒着、スパッツ、テルモス、昼飯、行動食、非常食、25,000地形図、ベースプレートコンパス、

・参加費  : 8,000円


地形図 : 「甲府市北部」

◇ エントリー

   お申込みフォーム:こちらからどうぞ!

   催行にあたり、同意書は必ず必要です同意書は。:こちらからどうぞ。
     
   保険加入も必ず必要です。日本山岳協会の共済をお勧めしています。:こちらです。

2016年1月16日土曜日

岳人2月号

 『岳人』がくじんは登山専門の月刊誌です。 昭和22年に産声を上げた、今年で69年の歴史がある雑誌です。雑誌作りが、中日新聞社からmont-bellモンベルに移ったのがもう2年前。モンベルのカタログになるんじゃないか!?などとのうわさもありましたが・・・

そんな岳人編集部の服部文祥さんから電話があったのが11月も終わりのころ。「地図読みと古道」をテーマに山に行きましょう!と。服部文祥といえばとっても有名人。本をいくつも書いているし、テレビ情熱大陸は大いにうけました。歯に衣着せぬ言動から、受け入れられる人、拒絶する人、さまざまだろうというのが、実際に会う前の印象でした。そんな有名人と山に行って取材を受ける、というところに少しワクワクする気持ちもありました。服部文祥さんと12月の初めに行った、秩父の古道の記事が掲載された岳人2月号が送られてきました。山行の様子はこちらです


去年は古道がらみのイベントが主に2回ありました。御坂峠秩父釜伏山でした。キーワードはどちらも五畿七道。わかりやすいのは秩父の方かな?と思い提案。八高線、東武東上線、秩父鉄道が通る寄居駅で待ち合わせ。寄居駅で初めてお会いした服部文祥さんの感想は、やぶ山三ちゃんは山梨なので、てっきり行くのは山梨の山だと思っていたのに、秩父・・・山梨の山だったら銃を持って、鹿でも打って、焚火でもしながら泊りで行きたかった!のだったそうです。発想がさすがサバイバル登山家です。ちなみに「サバイバル登山」とは、食料を現地調達し、装備を極力廃したスタイルの登山を指している、ということ。


 あいにくの曇天で、時間が遅くなるほどに怪しい感じの空模様。山行の一番最後に予定している、中間平からの関東平野の写真撮影からスタート。カメラマンの丸山剛さんとは、農鳥岳の大唐松尾根ですれ違っていて、なんとも狭い山の世界です。


西から東に歩いて、最後に中間平で関東平野を見るというのが肝の山行です。20人くらいの参加者と歩いた6月のイベントの時は、長瀞トンネルの横の仕事道を利用しました。大勢だし、参加者の体力にも不安があったためです。それだと古道の流れ的には不自然です。熊谷と秩父を結ぶ道です。車でスタート地点に移動しながら、なるべく古道と地図読みがいっぺんにという場所を探りました。誌面の中の地図に書かれた太い線は服部さんの作図です。その移動の時にイメージができていたのだと思います。


岳人をモンベルが作っていると実感できるエピソード。ファイントラックのポリゴンジャケットを着ていたのですが、NG・・・ということで、以前モンベルからいただいたレインウェアがあったので着ました。僕が着ているオレンジ。服部文祥さんもモンベルの社員です。(正確には違うようですが)


これも仕事なのですが、気持ちの根っこでは服部文祥さんとの出会いだと思います。あまりテレビを見ることはありませんが、情熱大陸、ユーチューブにアップされています。僕も見ました。本当にまっすぐな人で、ストレートな物言いが誤解されることもあるのかな?と思いました。悪気はない僕も毒舌ガイドとして偏見にさらされます。服部文祥さん、眼光鋭くまっすぐな物言い、僕はファンになりました。
この看板も出会いだと思いました。


岳人2月号の特集は「地図の世界」です。やぶ山三ちゃんと服部文祥さんの秩父の古道歩きがトップ記事です。山行の詳細は「岳人2月号」を買ってください!


2016年1月12日火曜日

八頭山地図読み


地図読み山行のご報告です。韮崎の裏山、八頭山です。武田橋から見た韮崎の里山、ほぼ中央の標高900mの山が八頭山。ふもとは、2015年ノーベル生理学・医学賞受賞の大村智博士の生家、美術館、白山温泉なんかがある今時ホットな場所です。八頭山での地図読みは、原点みたいな場所です。ここでたくさん実践しています。中でも一年前、Fielderという雑誌に取り上げていただきました。企画書が送られてきて、やぶ山三ちゃんの地図読みを取材したいというメールが来て、企画書はいらないから、八頭山でのおいらのいつもの地図読みを取材してくれれば、それが記事になるよ~というやり取りがあって、編集者とカメラマンと八頭山に登ったのでした。今回も同じように地形図を持っての地図読み山行。ちなみに、Fielderのブログ記事


武田八幡神社スタート。まずは簡単な地図読みのベースの話になります。毎回参加者が違うからです。僕が持って行った20万図は30年前の発行。以前の地図読みで、2万5千図、5万図、と縮尺が小さくなり、加えて20万図があると山座同定にいいよ!とお伝えしたら、早速購入された方がいらっしゃって、最近のやつと昔のやつ、ずいぶん違うんだな~と思わず比較してしまいました。やはり地図は新しいほうがいいに決まってます。とても見やすい!


これも最新のものと、約10年前の2万5千図の比較。全く別物というくらい見やすくなっている最近の地形図。どちらも世界測地系の地形図ですが、並べてみるとずいぶん違うな~!


そんなこんなで、磁北線引いてないし、どうやるの?なんて展開になり、2度目の参加者の方が、初めての参加者の方に磁北線の引き方の指導をしている図…この木の板っぴれが毎回ウケます。


武田八幡宮の大杉と山門


獣害防止ネット掛け替え?ネットが取り払われていました。ネットの扉は限られたところにあるので、初めてのところは悩むのですが、ちょうどよかった。


北側の竪沢(たつさわ)の斜面治山事業でのり面工事、何年も行われています。


スタートの神社から標高差で100mちょっと登って、標高600mの特徴のあるところ。痩せ尾根で、同じ標高が100m以上水平方向に伸びている場所。等高線が細長い岬のように伸びています。絶対に見落としてはいけない特徴的な地形です。


痩せ尾根が傾斜を増し、足元が滑りやすくなったところでロープワーク。


右も左も崩落地形で、その弱点を突くように痩せ尾根が続いています。今年の冬はあったかいので地面が凍っていません。冬だったら軽アイゼンを準備したほうがいい場所です。


韮崎名物「うさぎや」の大福。正月明けたらイチゴ大福登場でした。


地図読みの解説をしていると時間がかかります。普通の行動時間の倍はかかります。ちょっと焦っていましたが、お昼過ぎに八頭山の山頂でした。


暖冬といっても寒い季節です。あったかいものを!と、豚バラ肉とほうれん草の常夜鍋。ポン酢でいただきました。風がなくてよかった!

 
山梨の冬は青空がきれいです。


八頭山の主稜線から、沢地形に昔の仕事道を利用して下ります。「城山」という三角点名の三角点を目指すわけですが、沢から等高線一本分の標高差のところの見極めが課題となります。尾根に上るとまるで別世界が広がり、地形を読むことの楽しさが実感できます。なるほど!なんです。


痩せ尾根を行く読図探検隊って感じ。


茅ヶ岳、金ヶ岳、奥秩父の山々。ドピーカン!この晴天が里山の地図読みにぴったりです。


獣害防止ネットのゲートを開けて、閉めて終了。


武田八幡宮の駐車場。正月明けの1月10日でも参拝者が結構いました。ノーベル賞の大村博士効果かもしれません。こんな里山で、本格的な登山装備の僕らはとっても珍しがられました。


参加いただいたみなさんに頂いた宿題。国土地理院の地図に作図してみたのですが、ブログにうまく張れませんでした。とりあえずこれです。
file:///C:/Users/user/Desktop/%E5%85%AB%E9%A0%AD%E5%B1%B1%E5%9C%B0%E5%9B%B3.html#16/35.701742/138.420074
をクリックして沢と尾根を確認ください。ポイントも赤丸で落としてみました。

うまくいかないので写真のっけちゃいます。赤線が尾根、青線が沢です。







2016年1月10日日曜日

雲取山ヨモギ尾根

三条の湯に泊まり、青岩鍾乳洞を見て、水無尾根の登山道に出て雲取山を目指します。雲取山は圧倒的に石尾根経由の方が多いと思います。丹波山村の鴨沢から雲取山山頂を往復するという内容です。ハイウェイのような立派な登山道です。今回、中途半端な時間から気になっていた三条の湯に泊まるという目的がありました。それが達成されて、雲取山に登り、後山林道の片倉谷ゲートに停めてある車に効率よく戻るためには、どんなルート取りをしようかと思案しました。地図を見ると何本かの尾根が主稜線から南西方向に伸びています。七ツ石尾根やヨモギ尾根です。七ツ石尾根は車がある大倉谷に近いけど、尾根の下部がとても急峻です。前日、林道を歩いていて確認しています。尾根を下って来て、最後が20mの吹付の垂直のコンクリートの法面だったらシャレになりません。ヨモギ尾根の最後のほうが下りやすいと思いました。

水無尾根途中の水場。山と高原地図のマークよりだいぶ東にありました。


三条の湯から雲取山への水無尾根、長いです。トラバース主体なので高度が稼げません。雲取山が見えました。


長い登山道を歩きながら、ふと横に目をやると葉を落としたカラマツと笹の緑、空の青さがとってもきれいでした。


三条ダルミ到着。ダルミは峠、コルと同じ意味です。尾根上の鞍部。雲取山から飛龍山の続く奥秩父の主稜線のたるみの一つ。雲取山まで急登が残っています。


ぽっと出た山頂部。南北に長めの山頂部のいちばん南に山梨百名山の見慣れた木柱。


本来の雲取山山頂。


原三角測点、と彫られています。雲取山と新潟の米山と群馬の白髪岩の3ヶ所だけに残された明治維新以後の日本の測量史の遺跡ということです。


雄大な展望の雲取山です。


山頂の避難小屋は宿泊可能。寝具と食事の準備は自前ですが。


雲取山山頂から小雲取山を経由して、ヨモギノ頭まで下ってきました。僕は地形図しか見ていません。頭の中は、ヨモギノ頭から後山林道に下る長い尾根の地形しかありませんでした。ヨモギ尾根の始まりの様子。奥多摩小屋のすぐ北側です。


途中、北の空が開きました。雲取山と三条ダルミが見えました。左端の木が生えていないところが三条ダルミ、真ん中のピークの雲取山までトレースしたのでした。


ここまで大きな尾根だと、トレースはついているという感覚で下りました。


あとでネットで調べたら、何のことはない有名な尾根でした。記録もたくさんアップされています。一般的には一応バリエーションという感覚のようです。


三角点「奥後山」。1466.4m


熊棚


ヨモギ尾根、下り始めてすぐに登場したのが、東京都水源林の巡視路。バリエーションでも何でもありません。整備された登山道としてとらえていいです。石積…


崩れそうなところに絶妙のタイミングで登場する石積み。明治時代の最後あたりに東京の水源林となったこの地域です。登山道以外にも水源林の巡視路がたくさんあります。このエリアに入るのにさほどの予備知識もなく入りました。地形図だけ見て、自分の判断でルート設定したつもりだったのですが、人々の営みが積み重なった場所でした。自然林ばかりではなく、植林された森もあります。それが山林経営ということなのでしょう。巡視路の中に時々出てくる石積みが、100年の歴史を感じさせてくれます。


塩沢に降り立ちました。


片倉谷のゲート。


いろいろな山に行きますが、それぞれの山に人とのかかわりの歴史があります。そんなことを感じた山行でした。


2016年1月7日木曜日

青岩鍾乳洞


三条の湯で朝食をいただき、早速雲取山に向けて出発です。三条の湯から水無尾根を登ります。


これも以前から気になっていた場所です。山梨県指定天然記念物「青岩鍾乳洞」。前夜小屋番の北畠さんに話を聞いて、行くだけでも大変そうな響きだったのと、昭文社の山と高原地図の破線ではあるものの30分と表記がある、そのギャップは何なんだろうという疑問。(地図が古かったのかな?)


三ツ山から飛龍山がピンクに染まってきれいでした。


登山道が尾根に出て、青岩谷が見えるようになると青岩鍾乳洞への分岐です。通行禁止の看板があるのですぐにわかります。鍾乳洞への道は山腹を巻きながら下り基調です。登山道は左、トラバース気味に上に登って行くので、鍾乳洞を確認したらその周辺から登れば登山道に復帰できる算段で通行禁止のロープをまたぎました。


やはり歩かれていないせいか、落ち葉が積もるところは獣道ぐらいのトレースでした。小尾根を回り込んで、沢地形のトラバース、木製の橋が何か所も崩落していました。転落したら止まらない傾斜の斜面です。


新しめの細いロープがフィックスされたところもありました。


この沢地形の通過はとても危険です。普通の感覚なら、このトレースは入るべきではありません。


沢地形が終わったら、通行禁止のロープが渡してありました。少しわかりにくいのですが、右奥にピンクのテープが巻かれています。危険な沢地形をパスする目的で、登山道から下っている最近のトレースです。そこは辿ってはいませんが、マーキングがしっかりされているように見えました。


浸食された石灰岩なんかが現れて、なんか雰囲気が出てきました。


石積みが確認できます。この上を歩きます。昔はしっかりした道だったのでしょう。


石灰岩の大きな壁が出てくるとほぼ到着。この壁の向こう側に洞口はあります。


三条の湯にあったものと同じ説明板。


ガ~ン!まあこれがオチなんですけどね・・・しっかり施錠されていました・・・

学術資料として貴重な鍾乳管、鍾乳石、石筍、石柱などがあるわけです、自由に入れるとは思っていませんでした。それでも固く閉じられた扉を見たときはがっかりしました。総延長約800mの横穴型石灰洞っていうことでした。


入ってみたかった・・・


以前は三条の湯で管理していたようですが、現在は東京都水道局の許可がないとカギは明けられません。誰でも許可が下りるわけではなく「 学術調査団体のみ入洞可能。」ということだそうです。


青岩鍾乳洞は残念な結果でしたが、登山道に戻るというのも楽しみでした。洞口すぐ上の尾根に取り付けば山と高原地図の水場のマークがあるあたりに出られるはずなのですが、現実は石灰岩の岩場でした。洞口の東の沢筋が素直そうで、少し高度を稼ぎました。沢が右にカーブするあたりで岩の露出が薄くなり、ちょうど濃い鹿道があったので利用しました。下の写真にもしっかり写っている獣道です。


枝尾根の上に出ました。石灰岩の岩場をうまくかわせました。


富士山がきれいでした。富士山の左には雁ヶ腹摺山 、手前の長い尾根は天平尾根


登山道に出たのは、だいたい標高1500m近辺でした。なんと進入禁止のバリケード。ここから青岩鍾乳洞を目指す人もいないとは思いますが、一応繋がってはいます。