2016年12月29日木曜日

木暮理太郎

群馬県太田市に行った折りの話です。登山史に登場する木暮理太郎の生まれた場所がすぐ近くだということで行って来ました。木暮理太郎(こぐれりたろう、1873明治6年-1944昭和19年5月7日)。第3代 日本山岳会会長もつとめています。生家の近くには顕彰碑がありました。

   山登りは先人の肩にのって先へ上へ進むものだ
   木暮理太郎翁生誕之地
         日本山岳会会長 西堀栄三郎 謹書


裏の碑文

木暮理太郎翁

 明治六年二月七日此の地寺井四八七番地に農家の長男として生まれ  当時山岳信仰の盛んな寺井地区の村人に互して赤城山に登る翁六才の頃であった  幼少の時より山の神秘に魅入られ  生涯を通じて自然を愛し続け  山に対する情熱経験教養その何れに於いても翁は一世の大先達の名ふさわしい存在であり晩年のヒマラヤ研究等翁が心血をそそいだ業績は  今尚  日本近代登山の父と斯界敬慕されている偉大なる山男であった
 神童と言われた翁は十六才の時上京  郁文中学校より仙台第二高等学校を経て東京帝国大学史学及び哲学科に学ぶ  以来四十年余ハガキ文学の編輯  東京市史編纂室に奉職その間日本山岳会に活躍  昭和十年推されて日本山岳会会長となる  在籍中昭和十九年五月七日薫風香りにつつまれて七十二才にて大往生を遂げられる
 あまたある著書の代表作「山の憶い出」の中に「東上州から見た冬の秩父連山は色彩がうるわしいばかりでなく  自分には更に懐かしい思い出の湧く山である  日は御荷鉾山の後に落ちて  そのあたりの天は黄金色に輝き  美しい凪ぎ渡った夕暮れの空に  秩父連山が画然と画き出されたのを  ふと心付いて眺めた時には  未だ十一.二の少年であった自分も  凧の糸を巻くことさえ忘れて  磁石に吸われる鉄のように  ひたと目を引き付けられてしまった」  翁が秩父の山に魅入られたこの地に記念碑を建立し  翁の業績を永く後世に伝える

昭和五十三年十一月三日          強戸山岳会


ひょっとしたら顕彰碑の石も何か謂れがあるかもしれませんがわかりません。傍らのケルンが関東平野の北の外れの平坦地にはちょっと似合わないものでした。


上州の冬空が広がっていました。


この小さな川の傍らに顕彰碑はありました。からっ風で有名な土地ですが風のない日でした。


現在の太田市寺井町集落。右奥が生家だそうです。 


木暮理太郎はこの育った場所から見える御荷鉾山(みかぼやま 西御荷鉾山1,287mと東御荷鉾山1,246m 群馬県神流町、藤岡市にある山)に沈む夕日に感動したことが山に興味を持つきっかけだと記しています。写真は電線がうるさいですが、浅間山方面です。


木暮理太郎の碑は山梨にもあります。金峰山のふもとの金山平。毎年秋に碑前祭の木暮祭が行われています。
木暮祭の記事



2016年12月28日水曜日

河津桜と伊豆山稜線募集

        

三筋山822mと河津桜  三蓋山1012mと猫越岳1034m


日時 : 平成29年2月23、24日(木、金)


集合 : 風土記の丘農産物直売所 (中央道甲府南IC東の道の駅)

      新幹線新富士駅


時間 : 集合時間 風土記の丘農産物直売所午前6:00

             新幹線新富士駅午前8:00

 
経路 : 甲府=修善寺=河津 (平日でも大変な渋滞が予想される伊豆半島の移動です。)


参加費 : ¥20,000(ガイド料、) 別途宿泊代、移動費などで¥15,000かかります。

        お1人あたり¥35,000

 
コース: 
河津桜は伊豆半島の河津町を中心に咲いている自然交際種の桜で、毎年2月上旬から3月上旬までの約1ヶ月に渡り咲く早咲きの桜です。濃いピンクと大きな花が鮮やかです。河津川沿いに約4km続く桜並木は、開花後約1ヶ月をかけて満開を迎え圧巻の絶景となります。出店やイベント、夜のライトアップなどの楽しみもあります。


三筋山822mは伊豆天城連山の一角で、360度の大展望が楽しめる山です。登山口の細野高原は広大なススキの原っぱが有名です。


伊豆山稜線 伊豆半島の中央部にU字形をしてぐるりと連なる天城山系の総延長は60キロとも80キロとも言われますが、天城峠の西には素晴らしい尾根が展開しています。伊豆山稜線と呼ばれる大展望の尾根です。その大展望の尾根の半分を歩く予定です。ピストンが難しい尾根なので、途中の峠からバスやタクシー、バスを使って入下山を考えなければならない山行です。それでも伊豆半島の山を堪能できるコースです。


▪ 申し込み

・お申込みフォーム:こちらからどうぞ!


・催行にあたり、同意書は必ず必要です。:こちらです。


・保険加入も必ず必要です。やまきふ共済会の共済をお勧めしています。:こちらです。



     


2016年12月26日月曜日

房総の山募集


鋸山329mと水仙ロード  伊予が岳336mと富山349m


日時 : 平成29年1月22、23日(日、月)


 集合 : 風土記の丘農産物直売所 (中央道甲府南IC東の道の駅)集合5:30
    新宿駅西口 集合8:00


時間 : 中央道甲府南IC東の道の駅午前5:30  新宿駅西口午前8:00


経路 : 甲府=アクアライン=木更津IC=金谷海浜公園駐車場


参加費 : ¥20,000(ガイド料) 別途、宿泊費、交通費等で¥13,000      
費用としてお一人¥33,000かかります。
 
コース: 一日目は鋸山登山。二日目は伊予が岳登山がメインになります。
 
鋸山は、江戸時代から明治にかけて房総石(凝灰質の砂岩)を切り出した石切り場です。家屋や土蔵の塀,壁,門柱などの建築石材として盛んに利用されました。切り出した石材を運ぶ人夫は車力と呼ばれる女性たちでした。車力道コースは石材を運んだ道です。上り車力道、下り関東ふれあいの道。登り2時間、下り2時間、諸々で5時間の行動時間。
 
伊予ヶ岳(いよがたけ)は、標高336.6m。房総丘陵の山の一つです。なだらかな山が多い房総の山の中では珍しい岩峰で、千葉県内で唯一山名に「岳」がつく山で、伊予国の石鎚山に山容が似ていることから、伊予ヶ岳の名前がついたといわれています。麓の平群天神社より、40分程で登頂できます。
 
富山(とみさん)は、千葉県南房総市にある山で、房総丘陵の山の一つ。2つの峰からなる双耳峰で、標高は北峰(金毘羅峰)が349m、南峰(観音峰)342.0m。北峰には三角点と金比羅神社、そして「十一州一覧台」という展望台があり、南峰には観音堂がある。周囲一帯は「県立富山自然公園」に指定されている。
 
水仙ロード、鋸南町保田の水仙は江戸時代の安政年間(1854〜60年)の頃から元名水仙として船で江戸に運ばれていました。毎年、800万本が出荷されています。12月中旬から1月いっぱいは「水仙まつり」と題して様々なイベントも行われます。

▪  申し込み
・お申込みフォーム:こちらからどうぞ!


・催行にあたり、同意書は必ず必要です。:こちらです。


・保険加入も必ず必要です。やまきふ共済会をお勧めしています。:こちらです。


2016年12月25日日曜日

沼津アルプス募集

                     

香貫山(かぬきやま)193m、徳倉山256m 、鷲津山392m 、大平山356m

日時 : 平成29年1月15日(日)

集合 : 風土記の丘農産物直売所 (中央道甲府南IC東の道の駅)

時間 : 午前6時 行動時間約8時間の予定

経路 : 甲府=朝霧高原=東名高速沼津IC=香陵台駐車場
 
コース: 香貫山・八重坂・横山・徳倉山・鷲頭山・多比峠・大平山・多比バス停へ 

参加費 : 10,000円(ガイド料) 別途1,500円のガソリン代、高速料がかかります。


◇沼津アルプスは香貫山から南へ横山、徳倉山、志下山、鷲頭山、大平山と続く稜線を地元の方々が整備して名付けたものです。標高は一番高い鷲頭山でも392mと低山ですが、起伏が激しく鎖を伝って歩くところもあります。距離約11km、行動時間約7~8時間

◇沼津アルプスの魅力はなんといっても眺望が素晴らしいこと。稜線まで登ると眼下に駿河湾が見下ろせ、北には富士山がそびえる、まさに大パノラマです。

◇香貫山登山口の駐車場に車を停めます。沼津アルプスを縦走して国道414号線に下りバスに乗ります。沼津市役所前で下車。乗車時間は20分くらいで料金は500円くらいです。
バスは30分毎に運行しています。

▪  申し込み

・お申込みフォーム:こちらからどうぞ!

・催行にあたり、同意書は必ず必要です。:こちらです。
     
・保険加入も必ず必要です。やまきふ共済会の共済をお勧めしています。:こちらです。

2016年12月23日金曜日

浅間隠山

浅間隠山1757m(あさまかくしやま)は浅間山の東、群馬県側から見ると浅間山を隠してしまう存在という意味でしょう。登山口まで3時間くらいのドライブ。富士山に向かって、いってきます! って感じの朝。写真は韮崎からの富士山です。


野辺山あたり。八ヶ岳に朝日があたってむちゃくちゃ奇麗でした!


佐久の市街地を抜けて、浅間山がどんどん迫ってきました。


軽井沢を抜けて、長野県から群馬県に入る国道146号線。浅間山が真っ白でした。


雪の降り始めは11月と速かった今年、ここにきて暖かい日が続いていますが、雪が降る前提の地域はしっかり塩化カルシウム散布がされています。峠の茶屋の道路の様子です。


北軽井沢駅?昭和37年まで存在したという「草軽電鉄くさかるでんてつ」の駅舎。50年くらい運行していた、軽井沢と草津温泉を結んでいた鉄道ということだそうです。


長野県と群馬県の境、二度上峠(にどあげとうげ)からの浅間山。長野と群馬の県境の景色での主役はやっぱり浅間山です。二度上峠の響きは、今風に言えば物流ということでしょう。やはり群馬側からこの高原地帯に物を運びながら登りあげるのは、大変な労力が必要だったということが地名に現れています。


二度上峠から南下するルート上の鼻曲山のサイン。


二度上峠(にどあげとうげ)からの浅間隠山。


二度上峠(にどあげとうげ)から少し群馬側に下ったところが登山口の浅間隠山。


初めてのルートでも地形図を読みながら、地形の特徴をとらえながら登ります。どのくらい登れば傾斜がどうなって、どんなふうに角度が変わるかということを把握しながら進みます。案内の道標がどうこうということは、おおげさに言えば関係ありません。地形と地形図が一致していれば不安は全くありません。そういったことを当たり前として登っていきます。


完全な冬にはなっていないので、多少泥んこっぽい登山道。冬だったら軽アイゼンぐらいは準備したほうが良い標高です。


浅間隠山山頂
浅間山の東に連なる山々は角落つのおち山塊と呼ばれる古い火山の残骸です。三角錐のような特徴的な山容をした角落山つのおちやまを中心に剣ヶ峰、鼻曲山、浅間隠山など古い火山の頂が連なっています。最高峰はこの浅間隠山1,757mです。


冬でなければ出会えない雪化粧した浅間山。ここだけ見ていれば日本の山じゃないみたいな山容です。展望の浅間隠山。


妙義山のギザギザがよく見えました。


こんな感じの登山道。笹枯れの樹林帯ですが、葉が落ちたあとなので明るいです。


熊棚がありました。ミズナラの木にしっかり熊の爪痕が付いていました。


登山ルート自体は半日コースって感じのボリュームです。展望のきいた素晴らしい山でした。


2016年12月15日木曜日

日程変更

大烏小烏地図読みの日程を変更します。奮ってご参加ください!

2016年12月23日(金)⇒12月24日(土)
内容に変更はありません。


山梨百名山の乾徳山の西にある大烏山です。南に小烏山もあります。登山道はないルートを地図読みをしながら歩きます。大烏山が1800mを越えるので念のため軽アイゼンをお持ちください。レンタルも若干あります。冬枯れのこの時期は等高線と実際の地形がとてもよくわかる山梨の山々です。コンパスと地形図がありさえすれば、どこでも地図読みの極意をお伝えすることができます。
山と向き合うことができる地図読み講習です。どうぞご参加ください!(写真は大烏山とは関係ありません。)

日時  :   2016年12月24日(土)
               
集合  :  JR中央線 塩山駅 12月24日(土)朝 8:00 

参加費 :  ¥8,000(ガイド料) 
                             
 行程  :  塩山駅-杣口林道-大烏山-小烏山-杣口林道-塩山駅 
     
 持物  :2万5千地形図 『川浦』 ベースプレートコンパス、昼食、行動食、水筒、軽アイゼン
       磁北線を入れて置くのがベターですが、当日お伝えします。 
          
・ 現在地の確認を中心に、地形を見ながら目的地までどう行くか?
  地図読みをしながらの登山の実践です。

    ・地形図(国土地理院25,000分の1)の話

   ・コンパスの基本的な使い方とルートの先読み

   ・地形図では表現しきれない地形

   ・晴れていれば山座同定

   ・地図読み以上に大切な地形読み などです。

2016年12月12日月曜日

大烏小烏地図読み


山梨百名山の乾徳山の西にある大烏山です。南に小烏山もあります。登山道はないルートを地図読みをしながら歩きます。大烏山が1800mを越えるので念のため軽アイゼンをお持ちください。レンタルも若干あります。冬枯れのこの時期は等高線と実際の地形がとてもよくわかる山梨の山々です。コンパスと地形図がありさえすれば、どこでも地図読みの極意をお伝えすることができます。
山と向き合うことができる地図読み講習です。どうぞご参加ください!(写真は大烏山とは関係ありません。)

日時  :   2016年12月23日(金)
               
集合  :  JR中央線 塩山駅 12月23日(金)朝 8:00 

参加費 :  ¥8,000(ガイド料) 
                             
 行程  :  塩山駅-杣口林道-大烏山-小烏山-杣口林道-塩山駅 
     
 持物  :2万5千地形図 『川浦』 ベースプレートコンパス、昼食、行動食、水筒、軽アイゼン
       磁北線を入れて置くのがベターですが、当日お伝えします。 
          
・ 現在地の確認を中心に、地形を見ながら目的地までどう行くか?
  地図読みをしながらの登山の実践です。

    ・地形図(国土地理院25,000分の1)の話

   ・コンパスの基本的な使い方とルートの先読み

   ・地形図では表現しきれない地形

   ・晴れていれば山座同定

   ・地図読み以上に大切な地形読み などです。

▪  申し込み

      ・お申込みフォーム:こちらからどうぞ!

      ・催行にあたり、同意書は必ず必要です。:こちらです。
     
      ・保険加入も必ず必要です。やまきふ共済会の共済をお勧めしています。:こちらです。

八頭山

毎度おなじみの韮崎八頭山です。正面の山です。奥は甘利山方面。釜無川にかかる武田橋から


スタート地点の武田八幡宮。八頭山はこの裏山です。


いつもは、武田八幡宮本殿横から反時計回りに尾根を登って沢を下るという流れですが、今回は時計回りに歩いてみました。特徴のある曲った等高線と実際の地形を見比べながら、駐車場から見えた昔の山城の白山城跡を目指しました。1、2本の等高線でも特徴があれば自分の現在位置がわかります。遊歩道を行かずに、西側の沢地形から白山城跡の三角点にドンピシャで登りました。三角点名「城山」561.1m。


地図読みの場合、沢の登りと尾根の下りが難易度が高いです。逆に沢の下りと尾根の登りは比較的優しくなります。この日は難易度の高いほうを選びました。登りが沢で下りが尾根。狭い範囲だけど地形が複雑な八頭山です。山が浅いので沢地形の方は狙い通りにはいかず簡単に尾根に上がってしまいました。


山梨の冬って感じの空です。


韮崎名物 うさぎやの大福。


標高約770mの峠。峠の上が稜線の上ということになります。峠の手前から峠に出ると反対側の景色が見えます。具体的には今まで見えていなかった反対側の沢が見えるようになるということです。この感覚が非常に大事です。言葉にすると、基本的なことですが、尾根のとなりに尾根はない、沢のとなりに沢はない、必ず尾根と沢のコンビネーション!それが地形です。


この峠では、尾根の上にあるピークの関係が確認できます。峠と八頭山山頂の間には等高線の張り出したところが一か所あります(小ピーク)が、コンパスの辺を使って峠と山頂の結ぶと、その間の小ピークがコンパスの辺の左右どちらにあるかということがわかります。そのことから尾根が右に曲がるとか左に曲がるとかがわかります。等高線の張り出しを見落とさないということが基本です。


八頭山。


風が出てきたのでツエルトを張ってお昼にしました。


冬枯れの木々がニョキニョキと青空に伸びていました。


山頂からはじめは北に進んで、途中から北東に流れる尾根を下ります。いつもだと登りでフィックスロープを張る場所です。下りなのでロープを使って降りていただきました。経験はいずれものを言いますから、ロープに触れることに慣れるという意味もあります。ついでにスリングを使った上半身だけの簡易ハーネス、ダイアパータイプのハーネスと、ウェストベルトとレッグループのクライミング用のハーネスを試してもらいました。当然クライミング用のものが一番楽ちんにぶら下がれます。


等高線がやせた岬状になったところ。この日いちばん伸びた等高線です。


崩れやすいのり面の工事はさらに広範囲に広がっていて、未だ終わらずって感じでした。


獣除けのフェンスがさらに強力なものに取り換えられていました。


重要文化財の武田八幡宮本殿の横にドンピシャで下りました。


夕暮れの鰐塚の桜と八ヶ岳とニセ八つの茅が岳。


通いなれたコースも逆から回ると全く別な山みたいに思えたりします。それは沢地形の登りと尾根地形の下りは難しいからです。いずれにしても、地形図と地形を見比べながらのやぶ山三ちゃんの地図読み講習でした。

2016年12月10日土曜日

深南部アプローチ

韮崎から静岡の金谷に行って、浜松の奥山に登って飯田、伊那谷経由で韮崎に戻った一泊二日の旅は、なんと南アルプスを車で一周したことになりました。
南アルプス深南部の黒法師岳の西側登山口の戸中川林道ゲートに行くのは、静岡経由でも、飯田経由でもあまり時間が変わりません。どちらから行っても5時間という勘定です。アプローチの記録です。


初日は島田市の金谷まで。韮崎を出て甲府盆地を富士川沿いに南下して、新東名の新清水ICから安倍川、大井川を通過して金谷です。金谷は大井川鉄道の発着の駅です。SLや機関車トーマスの列車で有名です。大井川を渡る国道1号線の旧道、県道381号線の大井川鉄橋。


 青く塗られた歴史を感じさせるきれいな橋です。


金谷での仕事が終わって(旧東海道を歩く)その日の夕方、戸中川林道ゲートの登山口を目指しました。ナビは金谷から水窪(みさくぼ)ダムの奥の戸中川林道ゲートまで3時間かかると表示しました。写真は水窪(みさくぼ)ダムです。


黒法師岳に登って下って、戸中川林道ゲートから水窪(みさくぼ)ダムを通過して国道152号線に出る手前、こんな山奥に鉄道が通っていることに驚きです。JR東海の飯田線です。(愛知県豊橋駅と長野県辰野駅を結ぶローカル線)


国道152号線は南北に直線的な道ということが特徴的です。日本最大の断層系である中央構造線に沿って出来た谷を通る国道です。地図を見ると、長野県茅野市の杖立峠からほぼ真南にまっすぐな国道152号線が確認できますが、中央構造線という大断層と同じラインだということです。


難所が2つ。青崩峠と地蔵峠です。「三遠南信道(さんえんなんしんどう)」というサインが盛んに登場するようになりました。長野県飯田市の中央自動車道・飯田山本ICから愛知県を経由して静岡県浜松市北区の新東名高速道路・浜松いなさジャンクション (JCT) に至る、総延長約100kmの自動車専用道路です。三遠南信自動車道のサインはたくさん登場しますが、全線開通しているわけではありません。地盤が弱いという主な理由です。最大の難所が青崩峠。


三遠南信自動車道として利用されるはずだった草木トンネル。この山の中の立派なトンネルは、この先がとても地盤が脆いということで計画変更されたトンネル。西側の青崩峠の方にトンネルを掘るとなった兵越峠下の話です。こんな立派な道路、トンネルを作ってからのルート変更ってどうよということですが、珍しいことだと思います。


草木川沿いの狭い道。


兵越峠(ひょうごえとうげ)、ヒョー越峠という表記もあります。戦国時代、武田信玄が上洛を目指し進軍したときの峠越えの道でもあります。

「遠州軍」(浜松市水窪町)と「信州軍」(飯田市南信濃村)の代表同士が綱引きを行い、勝ったチームが「国境」を1メートル相手側の領土に動かすことができるという有名な峠。


水窪町(みさくぼ)の標識は外されたまま。詳しいことはわかりませんが、今年の勝負はどうだったのか?


凄まじい峠道を長野側に下りました。


青崩峠のトンネル工事は行われているのでしょうか?


秋葉街道の和田宿。遠山郷の中心。ここを流れる遠山川は、南アルプス南部の聖岳や光岳の登山口ということになります。この遠山郷という地名の響きは特別な思い出があります。10代のころから読んで、すごくあこがれていた登山家、松濤明(大正11年1922 - 昭和24年1949、26歳で槍ヶ岳の北鎌尾根で遭難)の「風雪のビバーグ」という遺稿集の中に登場する「春の遠山入り」という山行記。飯田から11日間かけて聖岳、赤石岳、悪沢岳を越えてこの地から山梨の早川に抜けるというもの。すごく憧れました。どうしても遠山郷のあたりがイメージできなくて、昔っから謎めいていたのですが、ここを車ですが通ることによってよく理解できました。


和田宿の北も三遠南信道(さんえんなんしんどう)として整備されています。


写真ブレブレですんません。秋葉街道の152号線から飯田方面に行く道は国土474号線、矢筈トンネルです。このトンネルの上には飯田から遠山郷の小川路峠越が通っています。4km以上ある長いトンネルです。


トンネルを抜けるとそこだけ首都高の高架橋じゃん!みたいな道路になります。
喬木インターチェンジ(たかぎインターチェンジ)です。道路建設の要望と実際と途中経過って感じになるとこうなるのでしょうか?


山の中にびっくりするような建造物なんです。


そして伊那谷から中央道で韮崎に帰りました。どこにポイントを絞っていいかわからないくらいのドライブとなりましたが、きっかけの南アルプス深南部の山はお任せください。アプローチは尋常ではありませんが、静かなオリジナルの山域が広がっています。