2015年10月31日土曜日

山梨の水晶

山梨大学のキャンパスです。僕の思い出。共通一次(今はセンター試験かな?)初めての年で、緊張しながらマークシートを埋めた思い出、っていうのは古い昔ですが、今回は全く別な目的でキャンパスを歩きました。山梨の水晶って?の確認のショートショートの旅みたいなもんでした。本当は奥深い山梨の水晶ということなのですが、さらっと行きます。さらっとしか行けません・・・


山梨大学の教育学部側に入ってすぐの「水晶館」といわれる建物です。1927年(昭和2年)に建てられたもの。百瀬康吉(1867年慶応3年-1937年昭和12年、水晶の蒐集家)が寄贈した水晶をはじめとする鉱物標本を展示していた水晶館。百瀬康吉は個人の秘蔵品とするのではなく、広く学術的に利用してもらうとともに、散逸を防ぐため、大正9年(1920年)に当時の山梨県師範学校(山梨大学)に寄贈したということでした。80数年前の建物、老朽化のため現在は使われてはいません。


山梨は水晶の産地として有名でした。その中心が金峰山周辺だったわけです。江戸時代の終わりから昭和の初めにかけて盛んに採掘されていた水晶。そんな金峰山の周りのエリアで登山を楽しんでいる僕ら。そのエリアに入るのに昔はどうだったのかと考えると、やっぱり水晶のことから外れるわけにはいきません。そこで知った山梨の水晶コレクション(百瀬コレクション)。たまたま手にしたこの立派な本がきっかけでした。山梨の水晶の歴史は、日本の水晶の歴史です。


だから何がどうしたかはあとですが、とりあえず写真撮影は出来ないので本のページを撮った写真でご勘弁!高さ97センチ、直径最大30センチの巨大水晶。これは目玉です!すっごい迫力!重量77.5kg、柱面は磨かれているらしいです。八幡尾根の八幡鉱山産。


これが一番すごいと思った、乙女鉱山産の水晶。すべてが小さな六角の結晶で覆われています。


古い資料には、黒平集落の東、向山という表記なのですが、1522.1mの三角点、御巣鷹山と呼ばれているピークのあたりの産出の水晶。


昭和9年に水晶峠で掘り出された水晶。


山梨大学水晶図録にはわかりやすい(正確ではありませんが)地図も載っています。


百瀬コレクション、山梨の、いや日本の水晶の歴史を見るのに外せない原石群、山梨大学ではお目にかかれません。今は、山梨県の最新の箱もの、防災新館の中でお目にかかれます。実際行ってみました。先ほどの写真の日本の財産ともいえる水晶群はここで見ることが出来ます。天然記念物とかどうかとかではなく、リアルに素晴らしいので、一見の価値あります!


地下の駐車場は立派でした。しかも1時間無料!知らぬ間にすごい公共事業の展開でした・・・


山梨と日本の水晶展、というポスター。ここに百瀬コレクションの展示がありました。


現代の宝石商の販売もあったのは偶然でした。


中にはこんなリアルな、黒平産なんて販売もありました!


平和通りの一画です。すごいボリュームでした。


山梨県庁の周辺はとっても変わりつつあります。


2015年10月29日木曜日

雑誌 Fielder vol.24

雑誌フィールダーが送られてきました。10月29日本日発売だそうです。


先日の金峰山みたけ道の山行の様子が6ページにわたって掲載されています。
昔からの金峰山への道。表現者が違うと伝わることも違ってきます。


ちょっと変わったこのフィールダーという雑誌に載るのも、今回で4回目です。紙面を写真で撮ったので、ざらついてみにくいところはお許しください。


地形図二枚が載っていて、一枚目が1日目の行程。数字は掲載写真の場所。


二枚目の地形図は2日目の行程。秋の日はつるべ落とし・・・最後はヘッドランプをつけてギリギリ。


道があるところもないところも、地形図と実際の地形を見比べながら、地図読み実践。


テーマが「野営万歳」なので、ツエルト。これはリクエストでした。はじめのお話は、登山ガイドの野営というテーマでしたが、だいたい登山の中で野営なんて言葉に違和感がありました。あえて漢字をあてるとしたら幕営でしょう。幕営の幕は天幕の幕。天幕はテントのこと。通常の言葉でしたら、テント泊とかツエルト泊というでしょう。そこで四の五の言っても仕方ないので、ツエルトを背負ってあとはどうにでもして頂戴!って感じでした。サバイヴァル雑誌という感じのフィールダーです。


テント場の実際の写真。今ちょっと困っています。パソコンが突然動かなくなり、新しいのを注文しているところ・・・まだ10日ぐらいはかかるようで・・・写真データがほとんど動かなくなったパソコンの中に置き去りなんです・・・


この日は白米を炊いて、山形の芋煮風。


ビールを片手にたき火を囲んでつまむんです。いっつも大好評!重い思いをして僕が担ぎます。


主稜線を増富方面に向かい、始めのピークで左に行くと八幡尾根です。丁度わかりやすいところだったので、地形図を広げて説明しているところ。


五丈岩

八幡尾根を下り始めて見える五丈岩。登山道はないので、あまり見かけないシーンだと思います。


2015年10月27日火曜日

滝子山南稜募集


日時 : 平成26年11月23日(月)

時間 : 午前8時   JR中央線笹子駅  韮崎、甲府からガイド車に乗車可能です。

経路 : 笹子駅=大鹿川桜公園-滝子山南稜(寂しょう尾根)-滝子山-スミ沢-桜公園

       標高差約1000m  距離約8㎞  行動時間約7時間

参加費: ¥10,000

◇ 中央線沿線の山の中でもとても目立つ滝子山。大菩薩連峰の一番南の山です。
   急峻な岩尾根を登り、紅葉の渓谷の路を下ります。


◇ エントリー

   お申込みフォーム:こちらからどうぞ!

   催行にあたり、同意書は必ず必要です同意書は。:こちらからどうぞ。
     
   保険加入も必ず必要です。日本山岳協会の共済をお勧めしています。:こちらです。

2015年10月26日月曜日

登山靴ソール張替

今年5月岡山県におじゃましました。ふたつのブログ記事。外国山地図読み 烏ヶ山 もう一つ足と靴のフットライトという記事も書きました。

岡山市東区瀬戸町で靴のオーダーメイド、修理をなさっている靴職人 梶田勉さんのことを書いたものです。岡山の片田舎でお一人で頑張っていらっしゃる、職人魂の塊みたいな方だったことを覚えています。その時に一足ソールの張り替えをお願いしてきました。遅ればせながらのご報告。


張替前の写真です。角もパターンもすり減っていて滑りやすい靴底でした。使用2年目くらいの靴です。


リソールされた登山靴は、一か月くらいで送られてきました。ソールのゴムだけではなく、アッパーとソールの間も硬めにしてほしいとお願いしてありました。


つま先


かかと


FBつながりの甲府のTさんも張替えをお願いしたとアップされていました。


フットフラット の基本的な加工賃をホームページから転載しておきます。この料金に消費税と送料がかかります。

オールソール
(両足の価格)
ソールのみ交換7.000円
ミッドソール交換有り8.000~9.000円
ポリウレタン再構築有り13.000円
ふち巻き交換
(両足の価格)
 3.500円
ミッドソール縫いミシン縫い処理 2.000円
ほつれ縫い 500円~
破れパッチ当て 1.000円~
すべり革補修 2.500円~
金具交換1箇所につき200円~
クリーニング内側・外側共に丸洗い2.000円~
その他修理 別途見積もり
当店オリジナル靴紐 1.000円

2015年10月23日金曜日

道具の撥水

宝永山周辺を歩いた帰り、時間があったのでお客様にもご一緒していただいて、アウトドアギアレンタルそらのしたという会社におじゃましました。富士吉田にあるので通り道。社長の室野孝義さんは所属している静岡山岳自然ガイド協会の仲間でもあります。少し気になっていたことがありました。道具の撥水加工をそらのしたが始めたということです。droproofどろっぷるーふというネーミングまでされています。どんなもんだろうと訪ねました。突然の訪問にも快く対応していただきました。

山道具で撥水という言葉が出てくれば、レインウェアーという発想が普通です。撥水性能が問われるもの、レインウエアー、オーバージャケット、パンツ、グローブ、ザック、テント、etc…
レインウェアーで考えてみます。ちょっと高めなゴアテックスなどの透湿性能のレインウェアーを持っている人がほとんどです。透湿性というのは、表と裏の生地の間にあるフィルム(これがゴアテックス)が、雨は通さないけど汗は通す。だから蒸れにくいといううたい文句です。ラミネートされた生地をミシンで縫い合わせてウェアになります。ミシン目は大きな穴なのでそこからぬれないよう、シームテープという防水テープを裏から貼っています。生地自体の防水性とは別に、生地の表面が濡れないように水をはじく目的で撥水加工もされています。表面に撥水加工がされているというのが出荷時の状態です。防水と撥水とふたつの発想です。

始めはいいとして、何回も何年も使っていると撥水性能は落ちてしまいます。摩耗や紫外線が原因です。表面のナイロン生地の起毛や、細かな目詰まりなんかも性能低下の要因です。なので、防水、撥水とは別に洗濯というのも大事です。撥水性が落ちたレインウェアーがびっしょり濡れて、目詰まりしたフィルムで内側からの蒸れも加わる…なんて最悪ですよね。市販の防水剤や撥水剤もたくさん出回っています。僕も何度か自分でトライしてみました。だいたい2000円前後はする防水剤、撥水剤です。でも今まで納得した結果は得られていません。


厚めのナイロン生地だと思います。droproof 撥水加工がしてあるものです。スポイトでたらした水が生地に全く吸い込まれません。コロコロした水滴となっています。


当然ほかのものとの比較もします。


これはザックの比較。右がdroproof 撥水加工してあるもの。


こんなことまでしちゃってます。ケチャップ垂らしたらそのまま床に落ちました。ベビー服にも使えるかな?


これは速乾性のTシャツです。droproof 撥水加工してあります。


チラシ


これでも読み取れます。


ただ実験みたいなものを見せていただいただけなので、まだ何とも言えませんが、レインウェアーの上下を一つお願いしてきました。あまり雨の日は行動したくはありませんが、撥水加工が仕上がりましたらまたご報告します。


2015年10月22日木曜日

双子山と御殿庭


富士山の反対側に行ってきました。御殿場口五合目。少し雪のついた富士山と宝永山です。タイトルの御殿庭ごてんにわというのは、宝永山の第三火口です。宝永山のすぐ下に第一火口、その下に第二火口。さらに下に第三火口です。標高は約2150m。御殿場口五合目の標高が約1450mなので、標高差は約700mとなります。


駐車場手前で会ったシカさん。

御殿場口登山道の木柱。目印の柱です。ナンバーがついていて、これは№1


大石茶屋、シーズンオフです。


富士山頂と宝永山と双子山。
宝永山と双子山は側火山(そっかざん)です。側火山とは、山頂火口以外の山腹や山麓で噴火が起きた場合につくられる小火山のことです。富士山は側火山の数が際だって多く、その数は70以上といわれています。一番大きな側火山は宝永山。約300年前の噴火で一番新しいのも宝永山。


フジアザミの綿毛


双子山は二ッ塚とも呼ばれていて、北側の高い方を上双子山(二ッ塚上塚)標高1,929m、南側の低いほうを下双子山(二ッ塚下塚)標高1,804m。国土地理院の地形図では二つの山を総称して二ッ塚と書かれています。上塚から見た富士山と宝永山。なかなか体験できない雄大な眺めです!


なんとバイクで走り回ったタイヤ痕。


下塚を見下ろします。凹んだところから噴火したのかな?


下塚から見た上塚。山頂部の凹み、こっちもあそこから噴火したのかな?どちらも遠くからではないと確認できない凹み。それにしても雄大な景色です。


双子山の山頂には、両方に「御料局」の三角点の柱石がありました。


よく整備された登山道です。標識も立派なやつがあります。ここは一年を通して強い西風にさらされています。写真の標識の水ヶ塚、幕岩と書かれている板は西向きに付いています。細かな傷がわかりますか?細かい火山礫が風で飛ばされて傷だらけなんです。風の方向がこれでわかります。対照的に、御殿場口新五合目、二ツ塚と書かれている板は南向きです。火山礫の攻撃対象ではない方角だからほとんど傷がついていません。


天然のカラマツの林が続きます。


沢筋脇の樹林帯の急登をこなすと緩やかな広大な窪地に出ます。御殿庭です。宝永山の第三火口。あいにくガスがわき起こってきました。


登山道は、カラマツの葉が落ちてまるでカーペットのようです。


沢筋横の登山道と並行して、西の尾根にも登山道はつけられています。二本のトラバース道で繋がってはいますが、倒木が酷いです。


幕岩は砂沢という沢の、溶岩の滝です。水は流れていません。


滝の様子。


滝の下の方の溶岩の様子。幕岩溶岩流と呼ばれる溶岩です。


緑のカエデが目を引くくらい、紅葉が進んでいました。幕岩からは1時間くらいの緩やかな登山道で、御殿場口五合目の駐車場です。


富士山の静岡県側、宝永山周辺の景色はとてもダイナミックです。あの場所に行かなければ味わうことのできない景色です。そして富士山の紅葉の主役はカラマツ。黄色ですね。