2015年9月28日月曜日

大日影山

登山をするには、まずはチャレンジする対象の山を決めます。
わかりやすいところでは日本百名山。山梨の人ですと山梨百名山。最近人気の田中陽希さんは今、日本二百名山にチャレンジ中です。余談ですが、グレートトラバース。山梨の甲斐駒ケ岳の西の鋸岳のチャレンジ、はじめは別ルートで計画されていたそうです。釜無川の源流から第一高点に達して角兵衛沢を下ったそうですが、直前での計画変更でおいらのブログがとても参考になったのでガイドさんによろしくお伝えください、という田中陽希さんのお言葉をいただきました。彼のプロジェクトはそんなに関心はないのですが、繋がりが出来ると応援したくなるのが人情です。ただ、BSは映らない我が家ですが・・・

で、今回僕が頼まれたプロジェクトの話です。国土地理院のサイト、商業ベースではないのでけして見やすいものとは言い難いのですが、なかなか面白い情報も載っているようです。その中に日本における標高2500m以上の高山のリストがあるそうで、その数151ピーク。そんなとらえ方で山を見ている方のリクエスト。大日影山というのは南アルプスのちょうど真ん中あたり、三伏峠と荒川岳を結ぶ主稜線の真ん中にあります。天候が芳しくなくて予定が大幅に変更になった山行でした。

まずは、鳥倉林道の駐車場から登山道を三伏峠めざして登ります。半分くらいからはこんな桟橋が登場します。注意して登って下さい。雨の時は滑ります。


設置していただいた方には敬意を表したいくらいの努力の跡。三伏峠からのルートは鳥倉林道経由のものしか今はない現実。一般道としてはです。塩見岳への道。


登山口から三伏峠までの半分を過ぎたあたりの水場。5Lの水を確保しました。


天気が心配の日。三伏峠に近づくと展望が開けます。権右衛門山、奥に仙丈ヶ岳 や甲斐駒が見えています。やはりおー!っとなります。展望です。


三伏峠まで、登山口からの標高差がだいたい800m。この看板が出てくると峠はもうすぐです。


三伏峠。ここも古の道が通っていた峠。明治の初めのころ、大鹿村から三伏峠-大井川西俣-二軒小屋-転付峠-新倉と山梨県が作った伊那街道が通っていた峠が三伏峠。


 鮮やかなナナカマドと、がれた斜面の右側の低いところが三伏峠。


烏帽子岳山頂


小河内岳への登山道。見えている崩壊地のヘリに登山道は付けられています。部分的にえぐられていて、いずれは通れなくなってしまう感じの危険な登山道です。


ハイマツの実。ホシガラスの仕業でしょう。見晴らしの良いところで、外敵を警戒しながらの食事のあとです。ライチョウも加わっていたかもしれません。


前小河内岳2784m。今の地形図には表記はありませんが、昔は三角点があったようです。御料局三角点の柱石が転がっていました。


残念ながら雨が降り出し、とりあえず小河内岳避難小屋を目指すことにしました。遠くからもよく見える小さなかわいい小屋。はじめて行きました。


まだ新しい感じで立派な小屋でした。静岡市の施設です。夏の間だけ管理人がいて、この時は解放されていました。


冬季解放という形になっていて、冬と同じように、階段を上って二階から入るようになっていました。


結局雨足もふるってきたので、ここにお世話になることに。清潔で快適な小屋でした。


翌朝は雨。5時には出発の準備を整えたものの、風と雨。雨雲レーダーの情報から時間をずらして出発することにしました。


雨の当たったレンズで撮影したウラシマツツジ。


ここでは書ききれないくらいいろいろ考えて行動していました。登山道の様子です。この周辺にテントを張って、目標の山にチャレンジする予定でした。雨で予定変更でした。それでも当初考えていたことが的を得ていたことも確認しました。


一座ゲットの大日影山。


大日影山山頂の西の肩から、小日影山に通ずる尾根を覗きました。


コンディションが悪いので、今回は大日影山をゲットしたということで納得していただきました。
雨の日はそれなりに違う表情を見せてくれるのが山です。悪くはありません。景色です。


ここいらのイワインチンは小ぶりながらもいまだに楽しませてくれました。


烏帽子岳から三伏峠の下りで登場してくれたライチョウ。動画はこちらです。


塩見岳と紅葉。三伏峠のお花畑からです。


雨の三伏峠小屋。水は全ての方が有料です。2ℓで600円。


ナナカマドの赤い葉っぱ。


奥は大沢岳や兎岳です。赤石岳と聖岳の間の山。手前のギザギザの稜線を歩く予定でした。プロジェクトは終わっていませんので、またお伝えできると思います。手前の尾根が大日影山と小日影山の稜線です。やぶ山三ちゃんの世界です。



2015年9月26日土曜日

雷鳥動画

画像はあまり良く無いかも知れません。しょせん素人です。
塩見岳の入り口、三伏峠から入って、小河内岳の先まで行きました。生憎の天候で、結果敗退半分の山行でしたが、得ることも多かったです。感謝です。

天候が悪い時にとりあえず発する言葉、高山帯の稜線上では、雷鳥でも出てくればいいのにな~、で、ご登場いただきました!


オスと、メス2羽。登山道の上を道先案内人のように、ずっと僕らの先導をしてくれました。


お食事タイムのようでした。先導してくれながら、食べれるものがあったらついばんでました。これはハイマツの実かな。


試しに動画を撮ってみました。オス1羽が先に行ってしまい、メス2羽が後に残され、ムービーを回していたらどんどん近づいてきて、後ろに残されたメスに合流したくて、思わず僕の脇をすり抜けたという瞬間でした。

2015年9月23日水曜日

白岩岳

釜無山の記事の続きです。
あまり紹介されるエリアではないと思いますので、写真を多めにアップします。


釜無山山頂の三角点の柱石  点名「釜無山」


青空と笹原。写真で見る分にはキレイで気持ちよさそうですが 、ギリギリ顔近くまでの高さだとまいります。笹の背丈です。


はるか遠くまで見えました。一番遠くに見える三角の山が横岳。釜無山から南下する場合の、地形図上のポイントになるピークを挙げておきます。 
1) 釜無山2116.5m
2) 2129.9m三角点
3) 2079m標高点
4) 2193m標高点
5) 白岩岳2267.1m
6) 2189m標高点
7) 2114m標高点
8) 2062m標高点
9) 横岳2142m 
合計9個、実際のピークはもっとあるということになります。


笹原 


苔コケ


2129.9m三角点の柱石 点名「東谷頭」 東谷というのは、戸台川の本流、黒川の支流です。黒川の源流は入笠山です。黒川(戸台川、東谷が支流)-三峰川-天竜川-遠州灘と流れて行きます。


雲行きが怪しくなってきました。かろうじて残された展望、大きな三角が甲斐駒ケ岳、小さくとがった三角が鋸岳第一高点、その右が編笠山の三角


三角点を過ぎて、2079m標高点手前の鞍部。西に笹ヶ平沢があるので、この印象的な鞍部は笹ヶ平と呼ばれているのかもしれません。ハウチワカエデの古木、大木がたくさんありました。サルオガセガ垂れ下がり風格が漂っていました。紅葉はさぞ見事でしょう。


2079m標高点と2193m標高点の間。小さなピークがたくさん出てきて、石灰岩の露岩がまるでカルスト地形です。痩せた尾根ですがあまり危険ではありません。


振り返り、釜無山方面を見てみました。笹原からは解放されます。


 境界見出表のプレートはありましたが、今までは笹が邪魔したのか見られなかった標柱も現れ出しました。デザインされた「宮」の文字。


突然マーキングの嵐!のようになりちょっとびっくり。笹ヶ平沢の南の尾根に登山道があるようです。黒川からのダイレクト尾根。それにしてもって感じでした。マーキングもたくさんあると不気味です。ちなみに今回歩いたルートはほとんどマーキングがありません。やぶ山指向の方ご安心ください。


白岩岳山頂


山頂三角点柱石 点名「白岩」


山頂横の石碑 「通大天狗」と彫られています。天保5(1834年)、黒河内村というのも彫られていました。黒川沿いの集落名だと思います。


時間切れでツエルト泊。あっという間に日が落ちます。


日の出


この長い尾根の中で、一番特徴があって魅力的なのは白岩岳です。この石灰岩の岩塊が麓からもよく見えると思います。すごく単純なネーミング。


だいぶ来ましたが、まだまだあります。大きな山は仙丈ヶ岳です。


北岳が見えました。暁光の北岳です。


薄く踏み跡のようなものはありますが、人の跡なのかケモノ道なのかは判然としません。2062m標高点の手前は多重山稜でルート取りが厄介です。地形図の等高線も複雑です。ここの前後は倒木が凄まじかった・・・この写真のようにコケが剥がれている所はチェックです。人が通って剥がれているのでしょう。そんなところから倒木をまたぐと、多少は楽です。


なんとこのルートで人に会いました。ヤマレコのハンドルネームDIYさんでした。少しお話をさせていただきました。今回は鋸の編笠山の北の尾根から取り付いて、横岳峠に一泊、釜無山まで歩いて東の尾根を釜無川に下る計画だと話してくれました。降りたら離山に行くとも言っていました。すごい人がいるものです。


横岳の登りで歩いてきた尾根が見えました。これで全部ではありません。


横岳 横岳峠の横岳です。


釜無の源流に降りてきました。去年は橋げたのみだった別荘への道が、前後の道路工事も終わって通れるようになっていました。上の尾根をさっきまで歩いていたということになります。


DIYさんを見習わなくては・・・お昼には帰りたかったので林道をひたすら歩いて帰りました。


フジアザミがすごかった!


秋ですね。爽やかな風に吹かれて2時間弱でした。釜無ゲートに戻りました。