2014年10月31日金曜日

黒姫山

黒姫山です。

県道36号信濃信州新線は山岳観光道路で、起点は長野県信濃町。
いくつかある黒姫山のルート、西登山道新道コースを登ることにしました。登山口は二つで、どちらも県道のすぐ脇です。古池という池を通りたかったので、東側の狭い方の登山口に車を停めました。標高は1150mを越えています。ちなみに高妻山、戸隠山、飯綱山なども、この県道36号線を使います。


古池に行く登山口

種池入口。種池には寄りませんでした。


鏡のような古池に映った黒姫山

古池ふるいけは、昭和初期に造られた人造池で発電用水のため池として利用されていたもの。


沢の名前もわかりませんが、岩が苔むして、清らかな流れ、そしておいしい水でした。


大橋林道と古池からの登山道が合流する「新道分岐」。ここから本格的な登りとなり、外輪山の稜線を目指します。


気になったブナの文字

見上げるとこんな立派な枝ぶり!戸隠分という表現は戸隠の領分という主張に思えました。詳しくはわかりませんが、何か争いがあったのかも知れません。なんだか気になるな―


外輪山の稜線に出たところがしらたま平。樹が少なくなって、笹に覆われ展望が開けてきます。手前の左側が戸隠山、右が高妻山と乙妻山。遠くに後立山の峰々がよく見えます。


ここまで来ると傾斜がぐっと落ちて、空の上を散歩しているような気分になったいい天気!
ここが火山である証明の岩が散見されました。


飯綱山の向こうに八ヶ岳、その左にうっすら富士山が見えました。


山頂の向こうに野尻湖

標高2000mのハイマツ

山頂  こういう眺めの良い山頂はつい長居をしてしまいます。


峰ノ大池発見!


これが登山道

山頂から北に外輪山の尾根を下り、黒姫乗越を目指しました。黒姫乗越から火口原に入るのが正しいと思えたからでした。途中、表登山道と小泉登山道の分岐が分れていました。それにしてもここは歩きにくかったです。木の根っこが露出していて上下左右行ったり来たりの忙しい登山道でした。


七ッ池の笹の原っぱの始まり


一応言葉を調べてみました。
成層火山:ほぼ同一の火口からの複数回の噴火により、溶岩や火山砕屑物などが積み重なり形成された円錐状の火山のこと。

中央火口丘:火口やカルデラの内側にできる小火山体。これに対し本体の火山体を外輪山という。

外輪山:中央火口丘を環状または馬蹄形に取巻く外側の山の連なり。

火口原:外輪山と中央火口丘との間に存在する谷または平坦地。

これらの火山学の用語を黒姫山に当てはめると~~~御巣鷹山(小黒姫)と呼ばれているピークが中央火口丘。山頂は外輪山の一番高いところ。山頂と御巣鷹山の間にあるのが火口原で、七ッ池の池塘群や峰ノ大池がある。~~~となります。

「最新の活動である4万年前ごろに現在の中央火口丘である小黒姫山(標高2,046 m)を形成した。」「2003(平成15)年1月に火山噴火予知連絡会は「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義し直しました。」むかし学校で習った、活火山、休火山、死火山という分類の仕方は今はしないそうです。



黒姫乗越の方角をふり返りました。


七ッ池と峰ノ大池の中間点から、山頂に行くルートの分岐


峰ノ大池


天狗岩

峰ノ大池からは西登山道と呼ばれている登山道を下りました。大岩がごろごろしていて歩きにくいです。特にこの天狗岩と呼ばれている所は、歩きやすいところをうまく見つけてゆっくり突破して下さい。


西登山口

大ダルミから外輪山を見上げる。


この登山道はむかし山仕事で使われていた感じの広さです。歩きやすい道でした。


大橋林道のゲート

帰り、県道36号を信濃町に下りました。

小林農園直売所

激安でした!この大根などは、煮物には向かないとかでこの値段!漬物には向くのかな?


かぶ、青梗菜、ブロッコリーを買ったら¥250!おまけにこんなお茶のサービスまでありました。
自坊販売機なんか周りになく、トイレもあって下手な道の駅よりも充実していました。


黒姫山、いい山でした。ぜひご一緒したいです!

2014年10月30日木曜日

第11回全国自然環境会議

長野県阿智村です。恵那山のあるところです。

「長野県阿智村須全ふれあい集会2014」、2日間にわたっておこなわれ、内容は三つの会議でした。
・ガイド協会全国代表者会議
・全国遭難対策研修会
・第11回全国自然環境会議
日本山岳ガイド協会は四谷に事務所があって、会員団体が42(下部組織と言ってもいいでしょう。ガイドの資格試験に合格したら、会員団体のどこかに所属しないとガイド行為が出来ないルールで、僕の所属はNPO法人静岡山岳自然ガイド協会)

全国代表者会議は会員団体全て(代表者)が集まって、現状とこれからを話し合う会議。遭難対策研修会は、1年間の事故の検証などが行われた会議。会員団体代表者や自然公園指導員を一同に集めて行われたのが全国自然環境会議でそのお手伝いに行って来たのでした。


会場は阿智の里ひるがみという温泉施設


基調講演、環境省自然環境局長表彰、パネルディスカッション、質疑応答という流れ


基調講演は、環境省自然環境局自然ふれあい推進室室長の中尾文子様。テーマは「日本におけるエコツーリズムの推進状況」。キーワードはエコツーリズムなんですね!


中尾文子様

パネルディスカッションのテーマは「エコツーリズムと自然ガイドの関係」3人のパネラーの実践しているエコツアーの紹介や苦労話そしてこれからのことなどが熱く語られました。
白沢裕次様
阿智村観光協会副会長、どうやって人を呼ぶか熱いお話でした。


三浦早苗様
NPO法人静岡山岳自然ガイド協会の仲間です。ダイビングショップもやっていて、海山両刀使い!


職業エコガイドウォーキング指導者協会の長内覚様 尾瀬の我らが長内さん!


阿智村のひるがみ温泉に、全国からガイドが集まった2日間でした。

日本山岳ガイド協会の認定ガイドが1,341人、会員団体が42、組織はまだまだ大きくなりそうです。


2014年10月28日火曜日

戸隠山

戸隠山です。

「蟻の塔渡り」で有名な鎖場だらけの山です。戸隠神社奥社-八方睨はっぽうにらみ-九頭龍山- 一不動-戸隠牧場という周回コースなので、戸隠キャンプ場の駐車場からスタート。まずは逆さ川歩道を戸隠神社奥社を目指します。

 

奥社入り口の鳥居


随神門

樹齢400年と言われる杉並木が続きます。奥社の参拝者も大勢います。


奥社脇の登山道入り口に詳しい説明がありました。


登山道入り口

まだ普通の登山道

五十間長屋

百間長屋、雨よけにもなりそうな大きな岩小屋でした。


登山道わきにありました。修験者が使用した洞窟や岩屋、「三十三窟」あるということなのでその一つでしょう。鎖が垂れ下がっていました。


鎖場の始まりです。ここはまだ序の口。


鎖はずっと続きます。ここは真っ直ぐ登ってトラバースして、右の鎖に行きます。


むかし海だったのが隆起してできた山だそうです。貝類、魚類、鯨、などの化石も見つかっているそうです。全体的にもろい感じで、ホールド、スタンスをしっかり確認して登りたいですね。
壁の中に石ころが埋まっている感じです。「たどんの岩」と言ったりします。たどん炭団と書くのですが、木炭の粉を固めた燃料のことで、丸かったんでしょう。その形がこの石ころに似ているところからの表現です。


ここは左の岩が押し出していて、右足のスタンスに困るのでアンカーが一本打ちつけてあります。上に行くためには、右足でこの鉄の棒に立つ必要があります。


斜上している鎖場


こいつは長いです。ホールドは沢山ありますが、傾斜もあるのでビビります。


ふり返ると飯綱山が綺麗でした。


ここもかなり強引に鎖を使う傾斜です。付け根にある四角いプレートが気になります。


ここで眠りたくはないです!

ここからが有名な蟻の塔渡りです。右上のとんがりが八方睨。尖がりにつくまで気を緩めてはいけません!目の前にある難関をひとつひとつこなしていくだけです。一挙手一頭足神経を集中させて、頑張りましょう。アッ失敗した!は許されません!


折れたアンカー

リングボルトのくせに、綺麗な姿なので信頼してしまう代物。みんなが握るんだろうな~、光ってました。


ここの通過は、いわばトラバースなのでザイルがあればいいというもんでもありません。だから難しいのでしょうか。


このルンゼ状の鎖場をこなせばおしまい。


八方睨の方位盤


その後の悪場

稜線に出ると、戸隠連山の最高峰、高妻山の稜線がよく見えます。綺麗です。あそこまで行くとなるとため息が出ますが・・・


八方睨を過ぎても、東側はすっぱりと切れているので侮れません。正直怖い稜線歩きとなります。



九頭龍山山頂

2053mの標高点の登りはやたら急です。九頭龍山が終わったからといって戸隠が終わったわけではありません。


こんな登りも待ち構えています。


一不動避難小屋まで来るとやれやれですが、大洞川の下りが待っています。


中途半端な気持ちでは取りつかないほうがいいと思った、戸隠山でした。