2013年1月22日火曜日

中山尾根日帰り


八ヶ岳の西面は襞になっています。つまり尾根筋と沢筋が交互に並んでいて、冬を中心にヴァリエーションとして登られています。
沢筋なら氷登り、アイスクライミング。尾根筋なら岩稜、雪稜の登攀となります。

八ヶ岳は冬でも山小屋が営業しているので、前日に赤岳鉱泉に泊まって、赤岳や阿弥陀岳、横岳の沢や尾根に登る人は全国から来ます。

尾根の中では、阿弥陀岳の北陵、北西稜、赤岳の主稜、横岳の石尊稜などが人気ルートです。

今回はそんな人気ルートの一つ、中山尾根に行ってきました。横岳のピークの一つ日ノ岳に突き上げる岩稜です。
登山ガイドの渡邉さんにザイルパートナーになっていただきました。
ニックネームはユッキーさんです。



ユッキーさんのジムニーで最善基地の赤岳山荘まで入りました。林道歩きの1時間が短縮されます。
駐車代、一日¥1,000です。



柳沢南沢の樹林帯です。前回、道迷いした理由がわかりました。道迷いの基本!?思い込みでした。



行者小屋の手前で中山尾根が見えました。一番高いのが日ノ岳、そこに真っ直ぐに突き上げるのが中山尾根です。
日ノ岳から西に延びる尾根は下の方で美濃戸中山というピークを持って、北沢の赤岳鉱泉と南沢の行者小屋を分けています。その中間にあるのが中山峠。



中山峠から一般道を離れて、樹林帯を下部岸壁を目指します。
週末が終わった月曜日、トレースがばっちりついています。



そのトレースのおかげで30分くらいで下部岸壁につきました。
一番尖ったピークを目指します。



1ピッチ目、整備された後のぺツルのアンカーが見えているのですが、細かいフェースで微妙なので、数メートル右に行って初登ルートの凹角からスタート。やはり最初の微妙なバランスクライミングが終われば後はガバだらけで終わり。
写真は1ピッチ目の終了点のアンカー。





これは八ヶ岳の岩の特徴を表した写真です。
初めのやつは、ボルトというアンカーを埋め込むために開けられた穴のあと。
丸いリングか、D型の金属製のハンガーがあったはずなのですが、岩が脆いため抜けて穴だけが残ってます。
次の写真は、人気ルートであるというのと、ここの岩が脆いということの証明で、みんなが同じところでアイゼンを蹴り込むので、アイゼンの前歯の跡が岩にくっきり残っているのです。
よく見てくださいまるで豚の鼻のように溝が二つえぐられてますよね!この溝にアイゼンの前歯を引っかけて体重を乗せて前進するんです。



上部岸壁までの間はこんな感じの草付きと岩のミックス。
ダブルアックスがよく効きます。



だいぶ高度感も出てきました。
ユッキーさん寒い中ビレーありがとう!



上部岸壁につきました。

 

ビレー点のユッキーさんです。



この日のコンディションはとても優しかったです。
翌日に南岸低気圧の通過を控えて、気温も高めで風も弱い、加えてだいぶ雪も降ってなく、稜線で地面が露出している所もありました。
縦走でも同じですが、冬は気象条件によって状況が全く異なります。同じ場所でも月とすっぽん!



上部岸壁の出だし。
フェース気味のバランスクライムが終わると3mほどのハングです。
出だしは少し難しかったです。



上部岸壁はバラバラになったデコボコの岩を繋げば、日ノ岳のピークにダイレクトに出られるのですが、風も出てきたし時間も遅いのでトラバースで登山道に出て、そそくさと地蔵尾根を降りました。



夕焼けに染まる八ヶ岳の西面がとても綺麗でした。
これは赤岳です。



夕焼け綺麗でしたよ!
でも、今日もヘッドランプのお世話になるのか…って気分でした。



今回はおまけつきでした!
美濃戸口と美濃戸の間は歩けば1時間なのですが・・・
車で美濃戸まで入ると理不尽な不可抗力に翻弄されたりします。
ハ-ドな道なので、時々つっぺる奴もいて(甲州弁)、この日は林道から落ちてレッカー車のお世話になってました。
おかげでレッカー車が移動するまでだいぶ待たされました!これがリアル写真です!

冬山いろんな楽しみ方があります。

2013年1月16日水曜日

あなどれない鳳凰!


変なタイトルになってしまいましたが、これもある意味冬山なんです。
世の中の空気をあおるような天気予報の‘爆弾低気圧’というフレーズ、置き換えれば予報は難しいので人間で言えば死因は心不全です!と言っているようなものに感じました。出発時からこの低気圧に振り回された山行でした。



歩荷を頼まれました。歩荷というのは荷物運びです。場所は鳳凰。3泊4日の予定。
僕はテレビを見ないので知らないんですが、BSフジの‘絶景百名山’というTVの取材。
ほかの予定があり、僕は1泊2日のみの参加です。

集合場所は南アルプス市の源のコンビニ。雪の予報でしたが、とりあえず南御室小屋まではいればいいという初日の集合。
みんな揃って前進してみたのですが、芦安の集落でいきなり足止め。僕の車は芦安デポの羽目になりました。これが翌日とんでもないことになるのでした。

なんだかんだで夜叉神峠の登山口出発は9時。




雪の降りしきる中、夜叉神峠到着。
最近、ここで晴れた景色を見た記憶がありません。見事な白根三山はどこに行ったのでしょうか?
最近やっと使い慣れたスノーシューで足元を固めて出発です。



ここは杖立峠
この日は3連休の最終日で、下山する人たちに会いましたが、ここから先は降雪と風でトレースも怪しくなってます。



足元は、スノーシュー、アイゼン、ツボ足と様々でしたが降雪と強風の中、やっとこさついた南御室小屋。
アクシデントがあって、通常なら冬でも30分ぐらい見ておけばいい苺平と南御室間、1時間半!僕がサポートした方もへとへとでした。



快適な夜をいただいた翌朝、いただっきま~す!
いざ出陣!



よく晴れた朝なんです。
強風は夜で終わってました。この日の最大風速の予報は25m/s、気合を入れましたが、それほどでもなかった結果でした。



いきなりの急登は毎度ながらということなのですが、ラッセルとなると腿ぐらいまでの雪を克服しなければならなくなります。
正直ハードワークです!



メインのカメラ収録はこんな感じ。
やはり、山がある!人がいる!となるとここ鳳凰は薬師小屋の小林珠里君!ということで、カメラが回ります。
写っているカメラマンは世界的なアルピニスト!平出和也さん!



砂払岳を超えるとすぐに薬師小屋です。
砂払岳ではもう一人のカメラマン柳沢さんと松本から来たガイド、牛越 太一君が1時間も、寒い中平気な顔でカメラを回してました。



薬師小屋に到着した先発隊に課せられたノルマ、ドアーを開けろ!



で、格闘した結果、扉は開くのでした!



晴れてさえすれば、南アルプスの展望台の鳳凰は、こんなに素晴らしいご褒美をくれます。
僕の最後の仕事は、薬師岳までトレースをつける事でした。
北岳、見事でした!



テレビクルーはあと2日、山上でのお仕事ですが、僕は下界での用がありこの日のお昼で下山しました。
ガンガン飛ばして夜叉神峠を目指したのですが・・・



風の当たらないところにはトレースばっちりだったのですが、8割はラッセルだった下山。
時間だけが空しく過ぎていき、こちらは必死にもがくように進むだけ。



やっとこさ着いた夜叉神峠。
ここから後も地獄のような林道歩き・・・
除雪が済んだ後の林道はツルツルの鏡のようになってました!それを2時間半!
この経験がなにかにいきるといいな~!
今日は1日腰が曲がってました。

2013年1月6日日曜日

広河原いわな三昧


ちと季節外れではありますが…



このお方、釣りの世界では有名人で、専門誌に十数年記事を書いていたようです。
野呂川の源流を荒らしまくっているようです。

ひょんなことから意気投合し、数年前の6月の末、広河原にキャンプして、彼は僕にいわな三昧、
僕は彼に、山菜、行者ニンニクをふるまうという約束の広河原滞在。



彼はテンカラ、僕は魚籠持ち、30㎝以上のやつがどんどん釣れました!



塩焼きの焚火の前を次から次へと釣り師が登って行くのですが、釣果は・・・
すごく贅沢なひと時でした!



塩焼きにして、骨酒を飲み、刺身も食べて、もうイワナなんて見たくもない!そんな夜でした!



僕もトライしてみたのですが、全く釣れませんでした!

ちなみにこの日、芦安からバスで広河原に入ったのは登山者より釣り師の方が多かったようです!

いい思い出です!

日向山 初心者向けの山もこんな楽しみ方!



山登りを始めて最初に登る山の代表格、それが日向山かも知れません。
山の友人に誘われて日向山のヴァリエーションに行ってきました。
(この場合は難易度ではなく、一般登山道ではないという意味。)



山の地形として、登山道には関係なく尾根があり、沢があります。

地形図を見るといい感じに見える尾根が北東尾根です。日向山の矢立石方面に行く林道を途中で右にそれ派生した林道のどん詰まりまで車で入れました。そこの標高が約900m。側面からその尾根に上がりました。



尾根上には熊の罠が仕掛けてありました。ちょっとびっくり!
面白いですよね、熊がそこにいるわけではないのに少し緊張します。



しばらく行くと主稜線。恩賜林の境界でした。



尾根上に四等三角点があり、とてもいい目標物です。
脇に山の神の石祠もありました。



とても気持ちの良い尾根で、こんな歩きやすいところもありました。
みんな昔の仕事道の名残です。これだけ広いと馬も通っていたかもしれません。



こんな看板も落ちていて、昔は登山道として利用されていたのでしょう。
立派なブナの木もちらほら出てきました。



緩やかに山頂に至るアプローチ。
この辺は地形が複雑で二重山稜になってます。



山頂の雁ヶ原です。高曇りではあるものの、風もなく見晴らしはすこぶる良くて気持ちよかったです。
足元はアイゼンがあったほうが安心できるグラウンドでした。



お昼は焚火でキムチ鍋。食べきれないほどの食材でした。
甲府ワンドラーの皆さん、ご馳走様でした!



基本、藪山なのでちょっと厳しいところもあります。
地面も凍っているので半分の方はアイゼン装着。

地図を見て自分で判断してルートを決め歩く、面白いですよ!