2012年12月20日木曜日

2012年冬季シーズンイベント案内





地図読み講習会1月18日(金)韮崎ニコリにて机上講習・20日(日)韮崎の里山

Photo

実は面白い地図読み!地形が読めると山が違って見えてきます。自立した登山者はまず地図読みから!



*2月2~3日 夏沢鉱泉から行く冬の硫黄岳根石岳Photo  

冬山はとてもきれいです。もちろん自然環境は厳しいですが、しっかり準備をすれば問題ないです。 行動中は寒さは気にならないでしょう。特 に今回のアプローチはストレスがないくらい楽です! 一日目は、雪上歩行、アイゼンワーク、ピッケルワークなどをしながら根石岳まで行きます。 二日目は、初日の復習をしながら硫黄岳を目指します。天気次第ですが、素晴らしい景色です。


2月23・24日 中山峠 稲子湯から

  

八ヶ岳は夏沢峠で北と南に分かれ、南は険しくアルペン的な風貌ですが
北は針葉樹につつまれた、原始の世界が広がります。
北八ツ、山口耀久(あきひさ)氏の『北八ツ彷徨』という名著があります。
真冬の北八ツデビューしませんか!

Coming up...
2/17 読図実践 鈴嵐

3/17 読図実践 鳥屋観音から水ヶ森

4/6 編笠山・権現岳

4/14 読図 中津森

4/21 乾徳山

6/8・9 笊ヶ岳

6/16 谷川岳日帰り

6/22 残雪の苗場山

6/29・30 キタダケソウ 北岳

7/27・28・29 常念岳・蝶ヶ岳縦走
  

2012年12月19日水曜日

中山峠 稲子湯から

中山峠 稲子湯から





「北八ツ彷徨」は今から約60年前に書かれた、山の紀行文です。

著者、山口耀久さんはオールラウンドな山登りを行い、上越や八ヶ岳、甲斐駒、北アルプス後立山不帰に、
初登攀を含む足跡を残した優れたクライマーの一人でした。
歴史と伝統のある獨標登高会を設立して、初代会長を勤めています。

「北八ツ彷徨」は先鋭的なクライミングとは違い、いまだ開発されていない八ヶ岳の様子が情緒豊かに描かれています。

雪の八ヶ岳に「北八ツ彷徨」の世界をのぞいてみませんか?


■詳細

日時   :   2013年2月23、24日(土、日)     

参加費用 :  ¥38、000 (ガイド料、その他)         

難易度 :    体力レベル ★★ 
         技術レベル ★★

出発時間 :  2月23日(土) 朝5時韮崎市役所駐車場   定員5名



登山ルート :  1日目  韮崎市役所ー稲子湯ーしらびそ小屋ー中山峠ー黒百合ヒュッテ(泊)

        2日目  黒百合ヒュッテ-中山ー中山峠ー稲子湯-韮崎市役所

行動予定 : 1日目 5:00韮崎 7:00稲子湯 10:00しらびそ小屋 13:00中山峠 黒百合ヒュッテ 

       2日目 7:00黒百合ヒュッテ 8:30中山峠 中山ピストン 10:00しらびそ小屋 17:00韮崎                  
必要な装備 : 冬 靴、ストック、ピッケル、アイゼン(6本歯以上)、冬用のアウター、防寒着、
        グローブ、スパッツ、ゴーグル、目出帽、ヘッドランプ、テルモス、昼食、行動食、
        非常食、風呂道具

■食事
 寒さと強風のためコンロ使用のゆっくりし た昼食は望めません、行動食中心にお考えください。栄養価が高く、 吸収良く、寒さで凍らないもの―パワージェル、パワーバー、ナッツ、ド ライフルーツ、もち、など。

■ 申し込み

催行日の2週間前までに、お申し込みください。催行にあたり、同意書は必ず必要ですので、左のメニューよりダウンロードの上、ご記入後、当日お持ちください。

2012年12月17日月曜日

八頭山 坦々鍋


2012八頭山 お客様感謝山行

集合場所は武田八幡神社
~武田氏の氏神として尊崇をあつめた神社。三間社流造桧皮葺の本殿は武田信玄が再建したもので国の重要文化財です。
勝頼夫人が戦勝を祈念し奉納した願文、石鳥居や二ノ鳥居などの県指定文化財が数多くあります。~韮崎市観光協会より



八頭山は裏山です。標高は約900m、登山道はありません。藪も大したことはないのですが、途中何か所かやせた部分があり要注意です。



この山、韮崎市役所脇の武田橋からの眺めが一番です。頂上から左右にでこぼこしながら傾斜を落とします。

真ん中下に昔の山城‘白山’があります。まるで八頭山の両手で守られているかのようです。
八頭山の八は八ヶ岳の八と同じでピークがいくつもあるという意味でしょう。



今日は、坦々鍋です。中身は豚ひき肉、ゴボウ、チンゲン菜、焼き豆腐…

枯葉をどけてシャベルで浅い穴を掘り、薪を拾って焚火の開始。

隊員9名なのであっという間でした。



ポイントはひき肉を贅沢に使うことでしょう。

ペロッとなくなりました。



ボジョレーヌーボー三本のつわものもいました。

場所柄、夏はおすすめしません。獣が濃いのとヒルですね。ここいらはベストシーズンが、4月いっぱいでしょうか。里山、山のスキルが上がります。






2012年12月9日日曜日

西天狗 敗退!

 晴れた日の西天狗

冬山登山の第一弾!足慣らしというと軽い感じがしますが、そんな気分で設定した山行です。

ところが、アプローチから真冬、厳寒となっていました!別荘地の三井の森から入ります。
綺麗に除雪されているので問題ない!と思いきや、つるつるでした!



仕方がないので、桜平との分岐、山の神のスペースに車を置いて林道歩きです。

登山道の始まる唐沢鉱泉まで約4キロ弱、先が思いやられます。



唐沢鉱泉、電気も来ていて通年営業です。気のいいおばちゃんもいます。



登山道の様子。寒いです。とにかく寒いです…



第一展望台(今日は展望なしですが)から先トレースがなくなりました。昨日、甲府のエルクで新調した
スノーシュ―の出番となりました。僕は古い人間なので、こいつは苦手でしたが、使えます。
ただ重いのが欠点。2キロ近くある…

だいたい膝上までのラッセル。時間がかかり、山頂まであと100mの標高差は切っていたのですが敗退です。



今日はとても気温が下がっていて、ふもとの茅野市の最高気温の予報が-3℃!稜線で手元の温度計が-15℃。風は体感で風速10m以上!

おまけにこのホワイトアウト。岩と這松のミックスで、夏道も見失い、時間も良い所で敗退となりました。山頂には行けても、帰りのことを考えるととてもチャレンジできませんでした。



下って来ても今日の気温はやさしくなく、あくまでも寒い!

敗退したのですが、お客様に非常にいい経験になったといっていただきました。
とても厳しい環境の中で、やってはいけない致命的なミスを意識することができたそうです。

休憩時に何気に素手で行動食を食べた、冷たくて、手の感覚がなくなる。

結果は僕のミトンで回復しました。僕は普段使わないのですが、-30℃対応のミトンはいつも持っています。アクシデントのあとはそのミトンを装着されました。

山はいつでも予期せぬことが起こります。想像できるあらゆるアクシデントに対応すべく準備が必要なんですね。僕も肝に銘じます!お疲れ様でした!

2012年12月5日水曜日

小槍 アルペン踊り

片づけをしていたら変なもの発見!


槍ヶ岳のちょっと下にある‘小槍’です。グレーのパンツとライトグリーンのウェアーです。小さいですけど、目を凝らしてみて下さい。フェースを上っています。後ろは、鷲羽岳、水晶岳、方面です。


フェースからチムニーに入りテラスでいったんピッチを切りました。ここを登るつもりではなかったので、ギアーがほとんどありません。30mと20mの補助ロープが2本、カラビナが5~6本、残置のハーケンなどでビレーを取りました。




真ちゃんがフォローしています。チムニー上のテラスでビレーしています。


ビレーヤーの真ちゃんが僕のいたテラスで僕をビレーしてくれてます。ここはクラックやフレークが沢山あってどこでも行ける感じでした。


「アルプス一万尺、小槍の上でアルペン踊りをさあ踊りましょ!」の小槍です。



韮崎のニコリで開催中の平賀文男展こちら 平賀文男は小槍の第2登もしています。




三ちゃん
公式サイト

2012年12月3日月曜日

大平山 韮崎の里山


 
大平山(おおびらさん)1117m 韮崎の折居という集落の西にある山です。

■ ‘甲斐国志’にも登場

国道20号を走ります。韮崎の町の町を過ぎると釜無川の向こうに、似たような山が続きます。山好きの方ならその上の地蔵ヶ岳のオベリスクばかり見ているのではないでしょうか?穴山橋を渡って、小武川を過ぎると今度は甲斐駒を中心とした大パノラマです。

しかし今回は鳳凰山の前山の話。目ぼしいピークには名前があります。西向、荒倉山、大平山、博打平、大日向、花ぶさ山、老別当、鈴嵐山、八頭山…

‘甲斐国志(かいこくし)’は、江戸時代の地誌。今から200年前に書かれたものです。国道から見える何の変哲もない前山は、ここでは御座石山というエリアで呼ばれています。その`甲斐国志´にも登場する大平山です。



折居の集落にあった道祖神からスタート



この日の目的は、読図のトレーニング。未体験のルートから大平山にアプローチ。

桐沢という沢、二俣を北沢に入る。北沢唯一の滝。南沢に登れる滝が連続しているのですが、砂防堰堤にずたずたにされてしまって遡行価値がなくなってしまったのがとても残念です。

両方の沢とも標高1000m位のところにある‘鷹ノ田(タカンタ)’という自然の池が源流です。春にはカタクリが咲いたり、ワサビがあったりします。



滝の右から大平山に向かうべく涸れ沢に入ったのですが、小さな滝がいくつかありました。こういうやつ、侮れません!



これは炭焼きの跡。里山は燃料の供給地帯でもありました。



この炭焼き窯のための作業道と思われる道に、馬頭観音。



冬枯れでとても明るい林です。地図読みにはもってこいです。



お昼は甲府ワンドラーの皆さんと一緒。

甲府ワンドラー・・・昭和9年創立のハイキングクラブ。今年で78周年、毎月1回のペースで山行を重ねてこられた会。この日は総勢20名で大平山登山。リーダーの方は2回下見をしたそうです。



うつ伏せになって枯葉に埋もれた石仏を発見。`安政´と読めるので、今から160年近く前のもの!
さっきの馬頭観音といい、この辺りは石仏が多い。豊かな山の恵みがあったのだと思います。



こっちは`文化´200年以上前!これも倒れていたので直しました。
下山は、ワンドラーの皆さんとご一緒させていただきました。



豊かな山は`山の神´の祠も立派です。




冬でも降雪直後以外はラッセルということもないので、広葉樹の葉が落ちた春まではオリジナルの山登りが楽しめるエリアです。夏は、意外と熊が多いのと、ヒルがいるのでお勧めしません。

このエリアでやる地図読み講習会はこちら  どうぞみなさんふるってご参加ください!

2012年11月30日金曜日

県境の山 コシアブラの天ぷらで乾杯!


今回のお客様のリクエストは、山梨と静岡の県境の山々です。

■ 2年越しの県境の山への思い

間ノ岳から南下して続く`白根南嶺´山も大きく懐も深いのですが、林道が2年連続通行止めのため入りにくいのが布引山より南のエリアです。林道井川雨畑線は30Km近くある長い林道です。大笹峠から向こうが静岡、あちら側も林道が通行止めです。

通常は大笹峠(山伏峠)まで車で入って、小河内山、青笹山、イタドリ山、青薙山、稲又山、所ノ沢越、布引山と北上します。

2年間連続通行止めという林道も完全に崩落していはいないようなので、通れるよういろいろトライしましたが、許可は下りませんでした。

2年も待たされたので、林道を歩くか?さもなくば他に手段は?ということでじっくり地形図とにらめっこ。

林道井川雨畑線の中間地点に`長畑´という最終集落までは車で入れます。

そのすぐ南の尾根を使えば標高差1200mで主稜線に上がれるということで、じゃあやってみるか!となりました。

大笹峠から行った場合の初日の幕営地は青笹山周辺と決めていたので、藪漕ぎの程度がどの程度か分からない、という
不確定要素はあるものの、今回も青笹山ぐらいまでは行けるだろうとの計画でした。
 コースタイム
 2012年5月26日 長畑5:30‐15:00稜線‐15:30幕営地
         27日 幕営地7:30‐7:50青笹山‐11:30イタドリ山‐12:40小笹平‐16:50青薙山
         28日 青薙山5:30‐9:40池ノ平‐12:00東俣林道‐13:10沼平


長畑集落の先にあるゲート。遠沢の南です。実は手前のほうにもゲートはあるのですが鍵は締まっておりません。
地元の方の情報でした。


林道が尾根上で大きく膨らんでいる所から目星をつけて取りつきました。ほどなく山仕事の道が出てきたので楽に歩けました。


あたらしめの熊の糞


途中、標高1600m前後のところはコシアブラの畑!



               この辺りまで来ると仕事道もなくなり笹の藪漕ぎです。



主稜線に出て、青笹山の静岡側の崩れを確認し、ちょうどテント一張分のスペースがあったので今夜の寝床確保。

日陰に残雪がちらほら、テントを張った場所も一週間前は雪があったかもしれない。

当然晩飯はコシアブラの天ぷら!

今回のお客様お二人にとって、道のないところで藪漕ぎをしてという一日が相当こたえたようで、初日にして計画の修正となりました。三日目に所ノ沢越から布引山を越えて雨畑の老平に下るというものだったのを、青薙山から畑薙ダムの沼平を目指すことに。電波状態が悪い中、運転手の確保に電話しまくりです。 


二日目は青笹崩れのふちを通って、程なく青笹山に到着。


基本こんな感じの尾根の上、獣道であって、登山道ではありません。


遠くの山が青薙山


イタドリ山(板取山)。このピークの手前の鞍部の左側、東河内側に水を取りに行く。標高差で150m位下って8Lの水確保。往復で一時間かかりました。水の確保はこのエリアでの山行の肝です。


                  奥が青薙山、手前が2137mのピーク。


                    稲又谷を挟んで布引山が見えます。


            小笹平に到着。とても気持ちのいいところです!トレースのように見えるのは鹿の道


時間があれば昼寝でもしたくなります。



2137mのピーク手前は両側が崩れて非常に危険。おまけに風も強くなりロープを出しました。


            危険地帯が終わっても傾斜の強い笹薮。一番奥は八紘嶺の稜線。


青薙山の山頂は主稜線から外れていてちょっと南。

残雪もしっかりありました。雪の下ですが、舟窪地形で気持ちのいいところです。


ここでは焚火が出来ました。展望もなく、日が沈んでありがたい炎です。


三日目の朝は早出。風も強く寒かったのですが見晴しの良い所で赤石岳や聖岳を写真に収めました。
奥に三本の尾根が見えます。奥から、千枚、悪沢に行くもの、次が赤石岳の大倉尾根、一番手前が聖東尾根です。


赤崩です。下の川は大井川、畑薙ダムと椹島を結ぶ林道。赤い畑薙橋も見えます。

椹島行のバスに乗ると大きな崩れが二つあります、そのうちの一つ。


               湧き出る水場のある、池ノ平。とてもいいテントサイト。



一時間半の林道歩きが終わり、沼平到着。手配した車も待っていてくれました。

帰りのドライブもハードで、甲府まで4時間くらいかかります。

■ 県境の山について
 
県境の山の一番奥深いエリアは、登山道はありませんでした。しかし、藪も難儀するものではなく、比較的歩きやすいものでした。テープ等もありますが、あまり親切ではありません。つまりテープ、赤布をつないでいけば歩けるというありがちな藪山ではないのです。しかし、その分自分の地図読み能力で歩ける数少ないエリアだと思います。

この手の山行を僕はとても得意な分野にしています。 自然度の高いワイルドで深い山域を自分の力だけで歩いてみたいという本物志向な方の山行リクエストを待っています!!!