2017年3月31日金曜日

饅頭峠

地形図と実際の地形との関係を確認しながら山を歩くというのが、やぶ山三ちゃんの地図読みです。韮崎の里山で冬の時期にやるのが一番わかりやすいです。生憎の天気になってしまい、ちょっとコースを変えて手短に等高線と友達になっていただこうと、茅ヶ岳の裾野にやって来ました。


南岸低気圧の通過でくずれた天候。標高1000mの登山口は雪模様。小枝に降り積もった雪がかわいい感じでした。


等高線と友達になる、等高線に親しみを感じる、そんなテーマの日。シャーペンの先っぽの等高線の曲がり具合が普通じゃないということを感じてほしいと思った所です。すごくシャープに鋭く曲がっている等高線です。沢地形です。


実際の地形の写真。とがった等高線の地形は険しいです。そのことが歩き始めて10分~15分でわかります。極端に尖がった等高線の地形は、やはりハードにえぐれています。


春の名残雪が里山を白く染めていくような日でした。写真は沢を渡るところです。(橋というか土塁ですね。)


シャープペンシルの先端の徒歩線、曲がっていて沢地形を渡っています。


ウリハダカエデの大木に見つけた、去年のツクツクボウシの抜け殻。


登山道ではなくても必要な地図読み。尾根の張り出したところの林道。


黒い実線は復員3m未満の道路を割いているシャープペンシルの先端。


傾斜があって、等高線がだいたい同じ間隔で書かれているところは分かり易いのですが、傾斜がなくなりでこぼこした等高線を読み切るというところは結構難しい地図読み。


このシャープペンシルの先端の右にあるちょっとだけ曲がった等高線。見落としてはだめな小さな曲がりです。


桜餡の饅頭と饅頭峠の三角点。完全にやらせですぜ!


等高線5~6本の中での変化の確認。しっかり現在地を地形図から読み取ることが出来れば怖いことはありません。登山道がなくてもです。


最後のところを作図してみました。三角点の右上の等高線の閉じた小ピークに登り返すことなく、南東に伸びた小さな尾根に乗っかるという目的でした。赤丸が目的の場所。


「百の頂に百の喜びあり」と刻まれた深田公園の記念碑にドンピシャで、読図で着くというテーマでした。
コンディションが悪く、何時間も山を歩かなくても、特徴的な地形さえあればむちゃくちゃ楽しい地図読みが出来ます。やぶ山三ちゃんの地図読みです!



2017年3月26日日曜日

富士山五合目

雪山の基本をというリクエスト。とは言ってもすごく幅が広いし、一日でそれを伝えるのはほぼ不可能だし、どこから手を付けていいのかというのが正直な気持ちの日でした。そんな時はシンプルにそもそも何がベースになるか?と考え、それはやはり体力ですとなるわけです。夏と比べても装備は増えるし環境も強風や低温で厳しくなるし、風が強ければゆっくり休むことも出来ない。休めないのでぶっ通しで2~3時間行動することもある。となればやはり体力がないといろんな雪山には行けません。
河口湖駅からの美しい富士山。


雪があり、傾斜もある五合目を目指しました。吉田口の五合目です。中ノ茶屋の警察の検問!? 冬山対応が出来ていない、勘違いした観光客が冬山のエリアに入らないようにチェックしているということでしょうか。アイゼン、ピッケルは持っているか?登山届は題しているか?というやり取りの後は、あくまで自己責任です!と言われました。微妙な話です。とりあえずご苦労様!


馬返うまがえし
昔は馬、現在は車、乗り物はここまでで登山道の始まりです。


馬返の鳥居


鳥居の両側の普通だったら狛犬が鎮座する、定番の場所には狛犬ではなくお猿様。これは富士山は、60年に1度やってくる庚申(こうしん・かのえさる)の年に誕生したという伝説があることが由来です。


江戸から明治にかけての富士登山のメインルートの吉田口登山道。一合目、二合目、三合目…と富士講が盛んだったころの遺跡がどんどん出てくる吉田口登山道です。これは一合目。


二合目の小室浅間神社の倒壊してしまった建物。ここは富士吉田市ではなく富士河口湖町の飛地です。


三合目の見晴らしのいいところ。奥秩父や八ヶ岳の山々が良く見えていました。


富士講の遺跡のような建物が存在するわけですが、営業再開とはならない。仕方ないです、ここを歩く人が圧倒的に少ないからです。j魅力あるルートなんですが...


吉田口登山道の五合目の佐藤小屋。吉田口登山道、この小屋の手前で林道とすれ違います。その手前まで夏道のトレースがあり、有り難く使わせていただいたのですが、小屋手前で林道に流れたトレースを無視してラッセルをしたら、傾斜がきつかったということもありますが、胸までのハードラッセルだったのには閉口しました。


雪山での歩き、アイゼンワーク、ピッケルワーク、多少のロープワークとこなして、滑落停止と進んだのすですが、どうも雪質がベストマッチとはならなかったもはや春という転回だったのは残念でした。


閉まっていた佐藤小屋。営業はニーズがあってということでしょう。


すべて閉じられた佐藤小屋。


林相も、垂直分布の教科書的通りに変化する吉田口登山道。ここだけではなく富士山の裾野は魅力的な自然にあふれています。


今だけの話でではなく、古の富士講から繋がっている富士山の環境です。
冬山は体力ですよ!


2017年3月17日金曜日

シラビソ小屋と高見石小屋

先週は北八つで雪の中を歩いていました。写真を撮ることが難しかったけど、きれいなやつ、印象に残ったやつをアップします。まずはカラマツの人工林。山梨も多いカラマツ林です。


シラビソ小屋の煙突から昇るけむり。寒気が下りて来ていてとても寒い日だったので、嬉しくなっちゃう煙突のけむり。小屋に入れば暖かいということがわかるけむり。


「頂上は無限を憧れながら有限を超越しえない地の悲哀を象徴している。 山口耀久あきひさ」  北八つと言えば「北八ツ彷徨」という有名な本の登場です。実物のサインでしょう。今度行ったら聞いておきましょう。とても気になりました。


小屋の中からの天狗岳。いちどは泊まるべき小屋シラビソ小屋です。


-11℃くらいの気温。


シラビソ小屋の夕食。本当にいい小屋です。冬の厳しい環境の中、泊めていただく僕らのために暖房はガンガンですし、何より食事が明日のためのエネルギーになるという配慮を感じます。やっぱ炭水化物とり放題でみそ汁のお代わりありますよ!ってのが良いです。


トイレの前の洗面台の水。寒さで氷ってすごいことになっているにもかかわらず日常の光景って感じ。どこからどうやって引いているのかわからないのですが、冬山で生の水がゲットできるという事は貴重です。生の水ですよ!全てが氷る世界です。


これは中山峠です。東側から見ています。


きれいな樹氷。


雪が風で飛ばされたところ。


気象条件が厳しいほうが奇麗だったりします。


空の青さが半端ない!



ロープが張られているのは、夏のコマクサの保護のため。


東天狗。


稲子岳。この辺りの地形のことは以前詳しく記事にしました。こちらです。


北にニュウを目指した樹林帯。大きな岩と発達した木の根の上に雪が積もっていて、雪の下が空洞のところがたくさん登場しました。踏み抜きなんてもんじゃぁありません。体ごと落とし穴に落っこちた!なんて感じでとても危険な樹林帯でした。


ニュウの稜線。


高見石小屋


高見石小屋のストーブ。


夕食。ごはんはお代わりできます。朝食はバターロールです。


高見石の日の出。


三日目にしてもまだ寒気に覆われていた八ヶ岳。


白駒池


白駒池


丸山



しっかり張ってみたツエルト


下山した頃にやっと寒気が何日かぶりに抜けて行った感じの青い空。


駐車場はツルツル。