2017年8月7日月曜日

生木割

生木割(なまきわり)2539.7m
広い南アルプスのエリアは3つの山脈から成り立っていると言われます。仙丈ケ岳から光岳に繋がるもの、鋸岳、甲斐駒から鳳凰山、巨摩山地に繋がるもの、北岳から南下する白根南嶺と呼ばれる尾根筋、白根南嶺はやがて身延山地となり最後は日本平に繋がっています。笊ヶ岳の北に這松尾、生木割とあり北に行くと距離はありますが次は転付峠です。
写真は笊ヶ岳の北の椹島への登山道分岐の標識です。とくに迷うようなところもない主稜線なので問題はありません。


笊ヶ岳から北上して主稜線を進むとこのサイン。木に「水」と書かれています。左の上倉沢に下ると水が得られるという意味です。ただ30分以上、往復だと1時間近くはかかる水場なのでよっぽどのことがない限り利用することはないでしょう。普通に考えれば転付峠の水場の次がここ、その次は所ノ沢越の水場になるので貴重な水場なのかも知れません。


笊ヶ岳から北上したときの次の目標は「這松尾」。これが結構しんどい登りです。その途中の小規模な縞枯れ現象の向こうは赤石岳や聖岳。


よく目立つ丸あるいピークは生木割。這松尾と生木割の間の絶景のガレです。


ガレに下り立って振り返った這松尾。凄まじい自然の造形美ともいえる場所です。


ガレの北の端から見下ろした上倉沢。樹がない白く見えるいちばん遠くの奥にテントがあります。


アップにしてみました。いちばん奥がベースキャンプです。写真ではテントの存在がわかりませんが気持ちの良い幕営地です。


生木割山頂。CATVのアンテナがありますが今は使われていません。水力発電の建設をしていた頃の中部電力が設置したものだそうです。30~40年前の話です。その建設作業員の宿舎だった建物を利用して登山者に提供しているのが、今の椹島の建物ということです。


もう一度這松尾と生木割の間のガレに戻りました。このガレは上倉沢の流れの源頭です。注意深く観察したら、カモシカの獣道と言ってもいいような踏み跡が幾筋かありました。これを使って上倉沢の源頭部に下りました。なかなか高度な判断でしょう。落石が頻繁に起こるか、落ちた岩がすぐに落ち着いて止まるかのちょうど分岐点のような傾斜でした。


絶対に転落しないよう積極的にロープを出しました。


ちょっとずれるだけで険しい傾斜になる斜面、緩いところ下りやすいところをルート取りでこなしました。


最後の二俣に降り立った後。左俣を偵察しました。左俣の三本の沢が合流するところまで登りました。


上倉沢を少し下ったところから見た笊ヶ岳。一番高いところです。


椹島から笊ヶ岳の登山道、尾根に乗るのに怒涛の登りをこなした後、標高2000mくらいをいくつもの沢と尾根をトラバースして、上倉沢の上流部に出ます。そこは枯れた沢ですが、その登山道の上下で水の流れがあります、その上流部の水の流れの最後の写真です。登山道が上倉沢に交差するところから10分くらい上流です。


上倉沢の河原をベースキャンプ地の草地まで降りてきました。山の景色はちょっと移動するだけでどんどん変化します。奥は笊ヶ岳です。


上倉沢を椹島方面に戻って見えるカラマツの大木です。草地と天然カラマツが絶妙な場所です。奇麗なんです。


この日も上倉沢の左岸の高台のベースキャンプに泊まりました。焚火がなんとも言えず明日への活力をくれます。火を見ているだけで落ち着きます。無駄なようですが豊かな時間です。



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