2017年2月6日月曜日

美濃戸中山

雪山に登るための講習をというリクエスト。雪の状態やその日の天候によって全く違うコンディションになる雪山なので、とても難しいリクエストだと思いました。日帰りという条件で僕が考えたルートです。定番と言えばそう言えるわけですが・・・
美濃戸口からの入山。美濃戸までの林道はアイスバーンと言ってもいいくらいになってました。そんなコンディションではチェーンスパイクが有効です。


南沢に入ってしばらくして登場する歩きにくいところは、2週間前よりも雪がなくなり相変わらずフレンドリーではありませんでした。


南沢のアイスゲレンデの入り口です。相変わらずの人気エリアで、トレースはばっちり!


南沢小滝。複数のパーティーが取付いていて僕らはお邪魔な感じでした。それでも滝の下までアイゼンを効かせて、雪面ではなく誤魔化しの効かない氷、ウオーターアイスにアイゼンの爪を刺して登りました。氷では明確にアイゼンの爪を刺す意識がないと滑ってしまいそうで不安になります。僕がアドバイスするまでもなく、力強くアイゼンを蹴りこんでくれます。


南沢小滝は人が大勢いたので、大滝に移動しました。バーチカルなところには取りつかず、下の緩傾斜のところを上がり下がりしました。凍った大きな滝を目の前にするという事もかなり特別です。アイスクライミングが目的ではないのですから。


南沢を行者小屋方面につめると、いったん狭くなった沢が傾斜が緩くなって広がります。誰かが作った‘エンジェル’が見事でした。後ろ向きにバッタんキューとなって、手をバタバタしてそ~っと起き上がるとこんな感じになります。天使の様ですよね?


柳川の支流の南にあるのが南沢、行者小屋があります。北が北沢、赤岳鉱泉があります。その沢を分けているのが中山尾根です。いくつもピークがある横岳の日ノ岳から伸びる尾根は主稜線から下がって、中山峠、中山展望台、美濃戸中山とポイントを下って、美濃戸の美濃戸山荘の下で終わる尾根です。アイゼンワークが終わった後はラッセル。ほとんど登る人のいない美濃戸中山に簡単な読図をしながら行きました。ここはスノーシューがばっちりでした。


南沢と北沢を分ける鞍部、コルです。写真ではわかりにくのですが、南側から登って行って、コルに達すると向こうの北沢の空間が認識されます。地図読みに置いてとても大事な感覚です。沢でも尾根でも進むことによって状況が変わり、今まで見えなかった空間が見えるようになるという感覚です。


予想していた通りに、何の展望もない美濃戸中山の山頂。こんなもんかって感じでした。


美濃戸中山の山頂からコルに降りて、そのまま中山展望台まで尾根通しにラッセルでとも思っていましたが、美濃戸中山でごちそうさまとなり、登山道のトレースをたっどっての行者小屋となりました。スノーシューもつま先の下のクランポンと呼ばれる金属部分をうまく使えると急傾斜もこなせます。僕は道具としてのスノーシューは高く評価しています。トータルでワカンよりも使えると思っています。
写真は南沢の勝手につけたマーキングの赤テープ。美濃戸中山のコルに最短で行ける場所


行者小屋まで登ってきました。暗い感じが夕暮れが迫っているという事を知らせてくれます。早くいかないと中山展望台でクライマックスに会えないじゃん!と焦ってました。


中山展望台から見た美濃戸中山。登った山が見えるという事は良いことです。展望の効かない山頂だったのでなおさらそう思えます。


スタートが遅かったので、最後はヘッデン下山という事は了解していました。なのでじっくり夕日を浴びた八ヶ岳を見ることが出来ました。


赤岳です。ここらで一番高いピーク。


赤岳西面をアップにしてみました。右側の一番大きな雪面の右上から左下にトレースが見えます。文三郎尾根のトレースです。風が強いと厳しいところです。


こちらは地蔵尾根。八ヶ岳の主稜線に一番早く登れる尾根です。真ん中の雪面あたり。


赤く染まってきた稜線がとてもきれいでした。


赤岳鉱泉アイスキャンディー。


夕暮れの赤岳とアイスキャンディー。


暗くなってしまう前にヘッドランプの用意をしました。ピークには立ちませんでしたが、はっきりとした目標をもって雪山を一日堪能した日でした。


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