2016年6月28日火曜日

谷川岳

谷川岳馬蹄形のつづき
土合橋の駐車場から白毛門に登り、笠ヶ岳、大烏帽子、朝日岳と越えて、清水峠の白崩避難小屋に泊まった昨日。雨の中を歩くよりは翌日の天候回復を待って行動する、この天候が読めたからの判断でした。素晴らしい青空からのスタートの朝。清水峠は関東と越後を結ぶ重要な道が通っていました。今でも地図上では国道291号線として表わされています。
登山者が利用することが出来ない施設、送電線監視所です。


避難小屋を発って七ツ小屋山を目指します。越えてきた小ピークの向こうからの日の出。


大源太山に朝日が当たりました。


なんて気持ちのいい稜線でしょう!ただ、昨日の雨が笹原にたっぷり残っていて、下半身はびっしょりなのが不快と言えば不快でした。


 七ツ小屋山の山頂。南を見ています。群馬県方面です。


ふり返った清水峠方面。北を見ています。しっかり降った昨日の雨の水分が、日の光を浴びてどんどん蒸発している様です。


南を向いています。雲がかかっているのが谷川岳です。その手前の武能岳が朝日に輝いています。武能岳の登りが始まるまでは緩やかな稜線歩き。とっても素敵な稜線です。


七ツ小屋山と小さな池塘と木道。


蓬峠の小屋が見えてきました。営業小屋です。食事も出してもらえますが予約が必要です。10月31日まで営業予定だとのことです。


蓬峠の池塘と七ツ小屋山。


蓬峠からはスイッチを入れ直してしっかり登ります。武能岳から見た笹の平の鞍部と茂倉岳と左の一ノ倉岳です。


東の朝日岳方面が顔を出してくれました。


茂倉岳に立つと見えてきた、オキの耳、トマの耳、オジカ沢の頭の稜線。


一ノ倉岳に向かう鞍部の湿地帯。小さな、本当に小さな池塘がありました。パッと見ピンク色が確認できました。


ハクサンコザクラの群落でした。


一ノ倉岳南の避難小屋。4~5人しか泊まれない小さなものですが、いざというときはありがたい存在でしょう。



 この鋭い稜線が三国山脈の群馬・新潟の県境です。左側が群馬県で一ノ倉沢を代表とする急傾斜の斜面が展開しています。右が新潟県、標高は2000mに満たない稜線ですが、日本海側と太平洋側の分水嶺で大量の雪を降らせます。


谷川岳というピークはありません。谷川連峰という表現です。谷川岳に登るということは、双耳峰のトマの耳、オキの耳に登ることというのが今のとらえ方です。○○山、○○岳と表現されないので少し違和感があるかもですが、 トマの耳の「トマ」は「てまえ」の意味。オキの耳の「オキ」は「奥にある」といった感じでしょうか。水上・湯檜曽から見てどちらもネコの耳に似ているのだそうです。


トマの耳から下って登場するケルン。特に冬はこのケルンの存在がとてもありがたいものです。


最後の下り、西黒尾根を見下ろします。


トマの耳とオキの耳が見えています。ここで西黒尾根は少し登りになりますが気は抜けません。優しくない道です。


樹林帯の中も概ねこんな感じです。


西黒尾根の最後は天神平に行くロープウェーの駅です。そこから車道を歩いて土合橋の駐車場に戻ります。途中に谷川岳遭難者の慰霊公園のような場所がありました。魔の山谷川岳ということがよくわかる場所でした。統計が取られるようになった昭和の初めから、この山で亡くなった遭難者の数は800人以上。ギネスブックに載っているくらいの数字だそうです。昭和の時代、鉄道でのアクセスが良かったことと、当時の登山ブーム、実力に見合った山行内容だったのか、とかいろんな要素が加わった残念な結果だったのでしょう。遭難者の名前が彫られた碑です。平成も続いています。


駐車場から見えた武能岳です。


2016年6月27日月曜日

朝日岳

谷川岳馬蹄形 起点になるのは土合橋手前の右に入った駐車場。(だと思います、だいたいその辺)、時計回りだと、土合-西黒尾根-トマの耳、オキの耳-一ノ倉岳-茂倉岳-武能岳-七ッ小屋山-朝日岳-白毛門-土合、という馬の蹄鉄に見立てた、ぐるっと回る縦走のことです。時計回りで説明しましたが、今回は反時計回り。まずは白毛門を目指しました。


歩き始めてすぐのところ、枝沢に架かる橋を渡る手前にあった馬蹄形の説明板。


意気揚々と登りはじめました。枝沢の橋。


尾根の末端から登山道が始まります。とりあえずの尾根上のピーク、白毛門まで標高差約1000mの登りです。美しいブナ林ですが、いきなりの急登で、1000m続きます。


クロベ(黒檜) の大木。有名な木です。急な登山道の途中でこの木に出会ってしまえば皆さん足をを止めてしまうでしょう。迫力満点!


本当なら谷川岳の展望台のこの尾根ですが(谷川岳の東の尾根)、残念ながら雲がとれません。


松ノ木沢の頭1484m。標高約700mの登山口から、約800m登ってくると高い樹木がなくなります。


ジジ岩とババ岩、冬にこの2つの岩が門のように構えているように見えるということからの白毛門というネーミングだそうです。ほんとかしら?


谷川岳は相変わらず顔を見せてくれません。大きな沢、左からマチガ沢、一ノ倉沢、幽ノ沢。いずれも残雪が見えるのでわかり易いです。


率直に言っちゃうことお許しください。まるで遭難慰霊碑も兼ねたような白毛門の山頂標識。


白毛門から延びる痩せ尾根を通って、笠ヶ岳を目指します。


雪国の山ですから、非常に泥んこ。


笠が岳正面。右に子烏帽子というピーク。さらに右に大烏帽子というピークがひかえています。


笠ヶ岳山頂1852.7m。登りはじめから1150mの標高差。


雲行きが怪しくなってきました。写真のドームは、笠ヶ岳避難小屋。5人くらいしか泊まれません。そんなスペースです。でも中はきれいでした。


大烏帽子から朝日岳までの尾根は、プチ鋸のようなアップダウンが続きます。視界もなくなってきた天候。


朝日岳山頂1945.2m。視界がどんどんなくなり雨も落ちてきました・・・


朝日ヶ原の木道。朝日岳の北の高層湿原です。楽しみにしていたのに全く展望はありませんでした。池塘が点在する中の高山植物を見たかったのでした・・・何度でも来たくなるという景色だったのに・・・


雰囲気だけでも写真に収めました。


小雨の中の清水峠手前の鉄塔。何だかアニメの世界みたいでした。


雨が強くなる前にこの日の行動をやめて、避難小屋に泊まることにしました。清水峠の白崩避難小屋。ちょっとつらいのが、外見以上におんぼろの小屋です。トイレが中にあって、メンテナンスがされていないので臭いが・・・


水場は5分くらいの所でした。さばを読んでました、水場前は10分かかりません。峠から土合方面に下る道の途中です。


何だかお化け屋敷のような小屋。ちょっぴりスリリングでした。


2016年6月25日土曜日

光岳

遠山郷から池口岳を通過して加加森山を経て光岳(てかりだけ)を目指します。池口岳まで
池口岳ジャンクションからしばらく下ったところから見た加加森山。どっしりした山に見えます。右奥の雲の中には光岳。光岳が見えていた時もあったのですが、シャッターを押すタイミングを逃してしまいました・・・まぁ、先は長いです。いつ雨が降ってもおかしくない感じで、雨との追いかけっこというシュチュエーションでもありました。


きほん樹林帯の中なのですが、ここも意外に花の山でした。ゴゼンタチバナ。


コイワカガミ。


ツマトリソウ。


プチお花畑がたくさん登場しました。


ふり返って見た池口岳北峰。


池口岳ジャンクションから加加森山に至るトレース。ジャンクションからの急な下りが終わると、狭い岩稜のようなルートになり、いっとき両側が切れた感じになりますが、そこを過ぎるとホッとするような優しい感じの尾根になります。


奥は加加森山。手前の草原が鹿ノ平。ここでテントを張って泊まったら、すごく快適じゃん!という感じの場所が次々に現れて、こんなことも深南部の魅力なんだろうと思いました。


どこをどう通っていいかわからないくらいの、最悪の倒木帯。


と、ポイントになるところを過ぎれば、こんな快適なトレース。加加森山の最後の急登をこなすだけでした。


加加森山分岐。ここで雨が降ってきました。のんびり地図を見て歩くというほのぼのした感覚はなくなり、サバイバル的に五感全開!


とにかく光岳に着くまで必死にアップダウン。こんな標識も証拠写真のつもりでシャッター押してます。下伊那地区山岳遭難防止対策協会・・・


光岳への最後の怒涛の登り。地形図を見て、方向と地形とマーキングを見比べながら、多少外れていても大きなくくりで外れていなければ問題ない、ということでとにかく前に進みます。雨でとても不快だし、周りの地形が判別しずらかったからでした。


尾根の登りは比較的易しいです。高みに行けばいいという大原則ですから。山頂についてホッとしました。そんなもんです。


自己完結で泊まる準備もしていきましたが、なんたってこの雨・・・誘惑に負けて、冬季解放小屋に入ってしまいました。光小屋です。


ちょっとびっくりしたこと。光小屋です。南アルプスの小屋は、夏の営業期間が過ぎると小屋締めをして、冬季解放小屋という一部分だけ無料のスペースを提供するという認識でした。全面開放ではなく、一部分だけです。四畳半一間だけというイメージでした。光小屋は入口こそ2階でしたが、一歩入ったらそのまんま全部が利用できるようでした。


翌日の朝もイマイチの天候。ゆっくりのスタート。昨日の道を戻ります。寸又峡方面の分岐を確認。


光小屋から光岳山頂までしっかり歩きます。15~20分かかります。山頂横に展望台がありますが、残念!展望は全くありませんでした。


山頂から10~15分の光石。主稜線からしっかり下ります。意外と遠いです。


海底から隆起したという石灰岩の、遠くから見れば白い岩。光てかり、という名前の云われの岩。山頂下によく目立つ岩です。静岡側から見ることが出来ます。


霧雨のしずくが付いたミヤマムラサキの花。光石の周辺に咲いていました。


南限に近い這松。


主稜線に戻っての標識。導いてくれるのはここだけです。一歩踏み込めば、自分で判断するしかない世界です。


2286m標高点周辺はわかりにくい地形です。それは尾根が広がった傾斜のない地形だからです。ちょうどやぶも濃い感じの所なので尚更ややこしくなります。自信を持って進んでほしいヒントは、窪地のようなところが3つ出てきます。ど真ん中を自信を持って進んでください。右や左にテープのサインがあったとしても、ど真ん中です。距離は短いのですぐにトレースが尾根上に出てきて問題なく通過できます。下の写真のようなところが3つ出てくるということです。


なかなか展望が開けない天候の日。


加加森山山頂の三角点。


池口岳から登山口の遠山郷の池口集落まではしっかり整備されています。調べてみると、池口集落の遠山要さんという方が尽力されてきたのだそうです。池口集落の登山道入り口からしばらくはその遠山要さんの持ち山だとか。もう10年以上前に亡くなられています。
遠山要さんが整備したのが池口岳までなのか?光岳までなのか?僕にはわからなかったのですが、だいぶ前に人の手が入った痕跡は感じることが出来ました。下の写真のように、またぐ倒木のコケが剥げている。


灌木が鋸で切られている。テープや赤布を追うだけではなく、こんな痕跡を見つけることも、こういったルートでスピーディーに行動するための情報です。実際こういった痕跡が続いているところが踏み跡が濃いのですから。もちろん地図での確認は大前提です。


その薄い踏み跡も、こんな倒木帯で見失ってしまいます。


大無間山が見えました。左が大無間山、右が前無間山、薄く見えている右奥が小無間山。


鹿ノ平


ジャンクション。


長い長い池口岳西尾根。


黒薙


池口岳北峰、南峰、右に鶏冠山、下の谷は池口川。


気持ちのいいカラマツ林。


池口の登山口。長い道のりでした。