2016年3月31日木曜日

みたけ道岩下ルート募集


◇みたけ道は金峰山(きんぷさん)に至る信仰の道です。江戸時代に書かれた地誌「甲斐国志(かいこくし)」には入口が9つあると書かれています。その一つ、今はすたれてしまった旧須玉町江草岩下(いわのした)集落からみたけ道を訪ねます。

◇林道から山道に入ると石仏がいくつも現れます。江草の岩下の造り酒屋、萬屋(よろずや)が先祖のとむらいと、みたけ講(宗教的な意味合いできんぷ山に登る人々)の信者さんのみちしるべとして、一町ごとに石仏を建立したというのが、この石仏群のいわれです。

◇この時期ですから山菜採りも楽しめます!
もちろん地図読みもします。初級読図です。


日時:2016年5月2日(月)午前8時30分JR韮崎駅 の場合は須玉IC前ローソン 午前9時


参加費用: お一人8000円 (ガイド料です。ここまでの交通費等は含みません)


コース : 韮崎駅=江草岩下-大峠-マナリ岩周回-江草岩下=甲府駅

     標高差約400m  距離約7km  行動時間約6時間


装備  : ザック、登山靴、雨具、ヘッドランプ、帽子、手袋、防寒着、水、昼飯、行動食、
         
      非常食、25,000地形図、「茅ヶ岳」、ベースプレートコンパス

お申込みフォーム:こちらからどうぞ!


催行にあたり、同意書は必ず必要です。同意書は:こちらです。


保険加入も必ず必要です。やまきふ共済会をお勧めしています。:こちらです。


2016年3月29日火曜日

餓鬼の嗌フィールダー

雑誌フィールダーの取材の昨日。
今回は北杜市へ。テーマは300年前に書かれた書物の中に登場する「餓鬼の嗌 がきののど」。
柳沢一族を救った自然の要塞の「餓鬼の嗌」を探検しようという企画。


山梨県北杜市 旧武川町柳沢地区は柳沢氏発祥の地。柳沢保存会という方々が活動しているらしいです。素晴らしい!


柳沢保存会の方々が作った立派な石碑からスタート。


これは馬頭観音。


こちらの案内板は行政のもの。


六地蔵


沢に入って目的の枝沢を目指しました。餓鬼の沢という名前のようです。これは餓鬼の沢出合。


餓鬼の沢に入ってすぐに2つの砂防堰堤が登場しますが、巻きは簡単です。巻きは高巻き、上に行くことですね。


そして登場する2段30mの滝。登れる滝ですが、登るためにはしっかりした登攀具が必要となります。登ってやろうという気持ちを実践する機会は少ないので高巻きになることが多いんです。


高巻きの途中から見下ろしてみました。落ちたらひとたまりもありません・・・


マジやばいところはフィックスロープを張りました。


落ちたらどうなるかばっかり想像しながらのルートは優しくないです。


こんなところは登山靴が問題になります。しっかりエッジングを利かせるためには、ある程度靴底が固くないと使い物になりません。


到着した餓鬼の嗌。この石積みが何の目的だったかはわかりません。 


岩小屋。


段々になった斜面。


たくさん咲いていた、可憐なハナネコノメというネコノメソウ。


 山名や地名を調べるのに、山梨で基礎になるのが『甲斐国志』。今から約200年くらい前に書かれた地誌です。江戸時代の甲斐の国を総合的に解説しています。たくさんある書物の中で信頼性が最も高いとされています。
『甲斐国志』よりさらに100年前に書かれた本に『峡中紀行』という本があります。今から300年前ということになります。書いたのは柳澤吉保のおかかえ学者`荻生徂徠´(おぎゅう そらい)。主君柳澤吉保の命令で2週間かけて山梨を旅します。目的は柳澤一族のルーツの地を訪ねること。山にまつわる地名もたくさん出てきます。『峡中紀行』のハイライトで出てくるのが`「餓鬼の嗌がきののど」戦がらみの場所なのですが、とんでもなく険しいところと書かれています。


上流に見える滝


帰りは下りになるので、往きよりももっと慎重を期します。笑っている場合ではないんですけど!


しっかりとした登山技術がないと、行ってはいけない場所だと確信を持ちました。


帰りはロープが活躍しました。


初めての懸垂下降。経験値が上がりました。


沢地形のポイントを赤丸で書いてみました。だいたいの目星はついていました。隣の沢にはこのような等高線の広がりはありません。何かあるとしたらここしかないと読んでいました。ドンピシャで存在したので、やったー!って感じでした。雑誌フィールダー、4月27日発売、どんな記事になるか楽しみです。





2016年3月28日月曜日

中津森から御巣鷹山へ

やぶ山三ちゃんの地図読みでは定番コースの、中津森から御巣鷹山の昨日でした。このコースがいいのは、より実践に近いからです。地形図を読めるだけでは山登りを完結できません。地形図に書いてあることを把握して、地形図に書かれていないことも消化しながら、行って帰ってくる。時間との闘いという側面もオリジナルの山登りには必要となります。そのことをセーフティーに実践できる場所なんです。
集合場所の甲府市荒川ダム能泉湖。


さ~て、いつものように中津森の山頂から南西に伸びる尾根に取り付くために、荒川本流の野猿谷に車を進めようとしたらこんな看板・・・


マジっすか!進めないジャン!野猿谷は通行止め!
登り口と下山口が違うので、参加者の方にご協力いただいて、下山口に車をデポする準備から入るのがこのルートのちょっと煩わしいところ。なのですがそれが叶わない日でした。車の配置にこだわると時間が無くなってしまいます。登山はスピードが命ってところがありますから!


車2台で金桜神社経由で黒平集落に行き、旧黒平小学校の跡地に1台車をデポして、中津森の北西の尾根の末端のアプローチ。僕も登ったことがないルートでした。じっくり地形図を読んでルート設定しました。中津森の山頂の西側の地形は、無茶苦茶やばい感じの傾斜です。まったく登れる感じのしない恐ろしいくらいの傾斜です。でもその傾向のターニングポイントが北北西に山頂から伸びる尾根にありました。地形図を見てそれがわかります。始まりは沢です。その沢の入り口が下の写真。


地形図の等高線の間隔からさほどやばい滝はないだろうと踏んで入った沢。写真の滝が唯一の滝でした。滝を越えたら傾斜が緩んで右サイドの尾根に取り付き易いと踏んだルート取り。これってとっても参加者の方には参考になる内容だったと思います。状況が変わって、それでも当初予定していたピークに立ちたい。ルートは下調べがない状態でどんなふうに取り組む?地形図を読み込むやぶ山三ちゃん?というのをリアルタイムで共有できるわけですから!


小さな滝の様子。


読みはドンピシャで当たって、小滝を越えた後で右の尾根に取り付き、どんどん高度を稼ぎました。


こんな朽ちた古木が感動をくれるやぶ山です。


中津森山頂


中津森からの地図読みセクションをこなして、残念ながら出来てしまった林道をまたいで読図は続くのでした。


どのくらい前だったのか?山火事があったのだと思います。


甲斐国志にも登場する水晶採取の現場。


江戸時代にここで水晶採掘が行われていたそうです。


御巣鷹山三角点。


マンサクの花


この石積みは炭焼き釜の跡。下りに使った沢筋は炭焼き釜の跡が次から次に登場します。


これも炭焼き釜の跡。


荒川の本流手前の橋はかなりヤバい状態でした。赤い服の男性は、橋に穴が開いていますが、一度進もうと思って板を踏み抜いています。


圧倒的に水量のない荒川本流。こんな水量でこの夏を乗り切れるのでしょうか?渡渉が簡単で僕らにとっては良かったのですが、この夏の水不足が心配になった荒川本流でした。


昭和の時代に存在した黒平小学校跡地に登って終了なのですが、直前に珍しいものを見ました。

猛禽類のお食事中のところに出くわしました。詳しくはないので自信はありませんが、鷲サイズでなかったのは確かです、鷹です、オオタカだと思います。山鳥のメスをゲットしてのお食事中、僕らが現れてびっくりして飛び立ってしまいました。残された獲物。弱肉強食の世界。


右の中津森から左の御巣鷹山まで、地図読みをしながら限られた時間で山行を成立させた日。充実という言葉が似あう内容。自己満足ですかね。


2016年3月27日日曜日

和気アルプス

岡山3日目、旭川から見た岡山市民に親しまれている操山。


吉井川を集合場所の和気駅に向かいました。正面に去年地図読みで登った外国山そとくにやま。


和気駅西から見た和気アルプス(一部です。)和気は岡山から北東の内陸に入ったところで、山陽道が通っています。和気アルプスは和気富士172.4mから神ノ上山369.9m(こうのうえやま)山系のことです。たくさんのルートがあるご当地アルプスです。


左の岩壁は白岩様。鷲ノ巣クライミング場というクライミングゲレンデがあります。右に見える岩が今日のルート、チンネ・スラブです。


シカやイノシシ除けのネット。今やどこにでもありますね。


ロープワークのテーマは2つ、フィックスロープ(鎖場の鎖のシュミレーション)と簡易懸垂下降。
これは簡易ハーネス(120㎝のシュリンゲで胸部にシートベントで作るベルト)を作って、フィックスロープ(鎖場の鎖のシュミレーション)を安全にセルフびれーを取りながら通過する練習。


シュリンゲで作る簡易ハーネスフルボディバージョン。


チンネ・スラブを登ります。沢山の登山ルートのある「和気アルプス」の最も険しい「スラブ・チンネルート」という表現をするサイトもあります。


チンネ周辺に設置された鎖のアンカーはこんな感じ。


チンネって、剣岳山頂の北にある尖った岩峰のことです。和気アルプスは主に北アルプスの地名が、スモールバージョンで付けられています。ジャンダルムやバットレスやザイテングラードもあります。これはこれで面白いかな。


鷲ノ巣クライミング場を登るクライマー諸氏。

徹底的に懸垂下降。それほど傾斜が強くないチンネ・スラブをセッティングから回収まで順番にやってもらって安全地帯まで下りました。なんたって和気アルプス最難の場所です。いざという時のためにロープを持っていても使えなくては意味がありません。


ロープを自在に操れればとっても気持ちいい懸垂下降!


こんな景色に見とれていました。


交代で何度も何度も繰り返しの懸垂下降です。


だんだん慣れてきて、ロープダウン!という掛け声も様になってきました。


下降器という道具も、カラビナもない状態でも懸垂下降が出来るようにのシュミレーション。これは肩がらみをしていただいています。


チンネ下のスラブ。スラブって一枚岩のことです。このプレートのキャラクターはイノシシなんです。


最後は股がらみ。昔はこの体に巻き付けて摩擦抵抗を増やして、垂直の岩でも下ってました。


もうミツバツツジが咲いていました。


スミレの同定は難しいです。コスミレかな?