2016年10月17日月曜日

黒部下の廊下パートⅡ

下の廊下2日目。(1日目)阿曾原温泉小屋をまだ暗いうちに出発。黒部川の谷底から水平歩道への登り返し約150mの標高差があります。気合を入れて登ります。薄明るくなった黒部峡谷に浮かぶ阿曽原温泉小屋の明かり。
黒部ダム(黒四ダム)から阿曾原温泉小屋までを旧日電歩道、阿曾原温泉小屋から欅平までを水平歩道というとらえ方です。成り立ちが違っても、どちらも水力発電の電源開発の調査目的で出来た道。黒部ダムからトロッコ電車で有名な黒部峡谷鉄道の終点、欅平まで約30㎞。長いです。


 折尾谷の堰堤。堰堤の中がトンネルになっています。オレンジの人がトンネルに入るところで、小さいですが緑の人がトンネルから出てくるところ。


振り返って見ました。周りの傾斜がまだ緩いのでちょっと気が楽です。


などと言っていてもすぐに垂直の壁に削られたコの字の道になってしまいます。足元の黒部川を見下ろしてみました・・・


北上する欅平方面なので逆コの字でしょうか。見事に最小限の幅です。コの字は天井があって少しはマシでしょう。上下左右の右だけがオープンなのですから。


こちらは左と下だけです。右と上がオープン。足元は300mはあるであろう垂直に切れた壁!写真奥に対岸の奥鐘山西壁が見えています。


いよいよクライマックスの大太鼓と呼ばれる場所。


逆コの字の奥に設置されたワイヤーは心強い存在です。自然にワイヤーを握る手にも力が入ります。


最狭部です。折れ曲がった鉄のアンカーが見えます。このアンカーの意味は逆コの字よりも恐ろしいものです。逆コの字が掘削される前は、壁に打ち付けたアンカーの上に丸太をのせてその上を歩いていたとか!それを想像しただけで、逆コの字が安全に思えてしまう世界です。


通過した大太鼓と登山者と奥鐘山西壁。


まだまだ続く水平歩道。


志合谷のトンネル。ヘッドランプが必要です。真っ暗です。


 トンネルの外側、沢に向かって水平な筋があります。トンネルが掘られる前はここがルートだったのだと思います。


志合谷トンネルの出口。


上の写真の出口を対岸から撮った写真。青い人がトンネルから出たところです。


志合谷トンネルを通過してから振り返った水平歩道。


資材を置けるように広めに空けられたトンネル。


そのトンネルの外側を見ると、やはり恐ろしい光景!写真の真ん中あたりに鉄のアンカーがたくさん打たれています。トンネルが掘られる前は、ここに丸太を掛けて道としていたというびっくりする光景です。


トンネルが特別な存在に思えてきました。


富山県側から見た白馬岳方面。晴れ予想の天気予報は、半日はずれてやっと出てきた青空です。


奥は祖母谷ばばだに。欅平も近いと感じさせてくれる谷です。それにしても最後の最後まで緊張させてくれる水平歩道です。


水平歩道から怒涛の下り。


この場所に立ってやっと安全地帯に来たと安心できます。観光客がたくさんいて、こちらの方が違和感ありの場所。多数決だとそんな意見になるでしょう。



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