2014年11月29日土曜日

ブロッケン現象

ブロッケン現象(ブロッケンげんしょう、Brocken spectre)は太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱され、見る人の影の周りに、虹と似た光の輪となって現れる大気光学現象。「Brocken」の由来はドイツのブロッケン山。ハルツ山地の最高峰 (1,142m) である。  wiki出

FBで、ブロッケン現象を見たいという投稿見て、去年の穂高でいいやつ見たなと、思い出しました。

槍ヶ岳から南下して、2日目の宿泊は南岳小屋でした。初日、上高地を出る時は大雨。どうなる事かとしばし思案・・・日程を一日増やして前に進むことにしました。初日の宿泊は槍沢ロッジ。槍の穂先をこなして、ガスっていた空は回復して行く感じでした。


南岳小屋

小屋はそこそこ混んでいて、大勢の人が宿泊。夏なので陽が長いです。夕食を済ませて、夕日を楽しむために外に飛び出しました。

ギャラリー

皆さんの意識は、明日通過する大キレットを見たいというもの。中々雲が晴れません。あとは夕日がどんな色を演出してくれるのか!?という期待感。 ふと反対側を見ると、オー!ブロッケン!


尖った山は常念岳です。


こいつがベストブロッケンかな。次々に下からガスが上がって来てしばらく続いたブロッケン。


大キレットも見えました。

西を見ています。雲がなければ加賀白山が見えるでしょう。


沈みゆく夕日

間もなくブロッケンも終わりです。


夕日が一番輝いた時


沈む直前の太陽


条件が整うと割と見ることが出来るブロッケン現象。先日は標高1600mくらいのやぶ山の樹林帯の中で、かすかなものを見ました。朝か夕方ですが、夕方で太陽を背にして、森林限界より上にいるという条件が、出会う確率が高いと思います。



2014年11月25日火曜日

モーニングセミナー


今朝は、「韮崎市倫理法人会」様の経営者モーニングセミナーにて、山の魅力をお話しさせて頂きました。Facebookで繋がっている上野電子㈱上野政巳社長にお話をいただきました。


モーニングセミナーなので早い時間です。6時スタート。


なんかいろいろ考えすぎて、うまくいかなかったというのが実感です。


鳳凰山の写真を中心にご覧いただきました。





2014年11月24日月曜日

千頭星山周回ルートご報告

なんだか似た様な所ばっかりですがお許しください。同じところでも確実に季節は移ろいます。何度も登っていても、その度毎に気づきがありいます。今回は丸沢の登りにありました。

前回とは逆コースです。以前も書きましたが、急なところや岩場は、登りで使った方が断然登りやすいです。この山で言ったら、丸沢の詰めと千頭星山手前のフィックスロープがあるところです。

小武川のゲート

ゲートを越えるとすぐに大棚沢です。この沢は1時間くらい河原歩きをすると、約80mの‘大塚の滝’があります。大塚の滝の巻きが核心の沢です。その後も10~20mの滝が連続していて、花崗岩の綺麗な沢ですが、目立たない場所にあるからか?あまり登ったという話を聞きません。最後は、左俣を詰めると南御室小屋、右俣を詰めると薬師小屋に出ます。中級クラスの沢登りです。


丸沢に入ってしばらく行くと、林道の終わりの先に巨大堰堤。ここはトンネルを通れます。


写真を撮ってみましたが良くわかりませんね。今回登ってみて、昔の人が通ったであろうトレース痕 が見えた気がしました。ここを人が歩くことはあまりないと思いますが、踏みしめる石の落ち着き具合とか、枝が邪魔にならないよう折られていたりとか。じっくり観察しながら歩きました。基本は河原歩きですが、水に流され常に変化する川の中よりも、川岸の林の中を行った方が歩きやすい。そんな感じに古いトレースはありました。全て川岸で高みに行けるわけではありません、渡渉も何度もします。それでも川岸のトレースは合理的に思えました。


凍り始めた枝沢の滝


最後の古い堰堤

堰堤右に、これははっきりとしたトレースでした。写真でもわかります。堰堤を越えて左の枝沢に入ります。本流は右に曲がって、辻山の崩れに吸収されます。


おとといの雪が苔の上に綺麗でした。


最後の詰めは、けもの道、シカのトレースを拾いながらひと喘ぎです。


劇的に景色が変わる!

大馴鹿峠オオナジカ、この日も気持ちのいい笹原です。


ふり返った辻山方面。左のガレに丸沢は吸収されます。


前回のブログで、間違った同定をしました。左はオオナンジで右は千頭星山、写真を撮っている2004m標高点がコナンジのピークです。ごめんなさい!


あとひと登りで千頭星山の山頂です。山頂でお昼にしました。


三週間前に来た時よりも季節は進んで、カラマツの葉もすっかり落ちました。カラマツの葉は登山道に敷き詰められたようでした。太陽の光もだいぶ南に傾いたのでしょう、何とも言えない木々の影を伸ばしていました。


木の枝になにもないので、サルオガセが目立ちますね。


甘利山の駐車場と甲府盆地


ひと登りで御所山


御所山の下りになると、ぐっと細くなる登山道です。マーキングに注意して、見落とさないように!


西日の残照が、ダケカンバの少し赤味を帯びた枝先を照らしていました。


尾根からトラバース道へ

こんな感じの登山道です。靴のエッジをうまく使って下ってください。一か所ロープがフィックスされています。スタンスをうまく拾って慎重に下ります。


不釣り合いな‘みやま橋’

角度が変わると八ヶ岳も、見慣れない山に思えました。


みやま橋で小武川を渡って、山行終了です。来週には林道のゲートが閉まってしまうでしょう。

前回のブログ記事を実践された方もいたようです。ブログを読んで頂いてありがとうございます。




2014年11月23日日曜日

這松尾から大黒尾根


峰山尾根の記事からの続きです。

上之切の三角点は、白根南嶺の稜線上に在ります。白根南嶺です。転付峠からの登山道は、主稜線の西側に付けられた、東海フォレストの林道を使って南下します。林道はその内心細くなって普通の登山道となります。僕らは主稜線を辿っているので、そこいらの事情は関係ないです。トレースがついています。これだけ大きい尾根だと、何らかの痕跡はあるもんです。全く問題ありません。 登山道と合流したところ。


天上小屋山手前の展望地

白根南嶺の主稜線、ツガやシラビソの森に絨毯のような苔むした地面、‘原生林’という言葉が思わず出てしまいそうですが、それは全く間違っています。白根南嶺の主稜線でも、大正時代から昭和30年代くらいに伐採がおこなわれていたそうです。ではなんて表現したらいいか・・・‘天然林’です。天然林とは、伐採などで人の手が入っても、自然の力で更新している森林のこと。伐採後も、周囲の樹木の種子が発芽・成長することで自然に森が回復されるようです。伐採をした後に種子が発芽して成長し、再び形成されたもので、これを‘天然更新’というそうです。

天上小屋山という名前、どことなく森林伐採と白根南嶺の主稜線がミックスしたような感じがします。


生木割と這松尾のピークが見えました。2383mの標高点あたりでびっくり!なんと僕の前3mくらいを歩いていたポぺニ先生の5m前に熊!

♪あるぅ日~森の中~くまさんに~出会ぁった♪

直後、熊は大井川方面に逃げ去り、ことなきを得ました。もう冬もやってこようというこの時期に2400m近い標高で何をしていたんでしょう?熊に対する注意は、もっと標高の低ところでやっていました。まさかこんな主稜線にいるとは驚きでした。


宮標石も出てきました。宮標石とは、標石の側面に丸くデザイン化された「宮」の文字が刻まれていて、明治時代に御料林(皇室所有地)とされた時の標石です。



クリスタルのような霜柱

生木割山頂。三角点で、現在地と標高の確認をします。


生木割なんてすごい名前ですね。凍裂という自然現象から付いた名前だそうです。僕はいまだ寒さで樹木が割れた、という音を聞いたことがありません。極寒の中すごい音がするのでしょう。
北海道にいたら体験できるのでしょうか?


生木割から這松尾のコルは上倉沢側がガレていて、大展望です。この日は風も弱く、気温もそんなに低くはなかったので、大展望を十分堪能出来ました。

南に双耳峰の笊ヶ岳


這松尾の直下


富士山 


左から、聖岳、赤石岳、荒川三山


這松尾の山頂部はリアル這松漕ぎになります。


ここはテント適地

大黒尾根に入ってすぐのガレから見た笊ヶ岳とランカン尾根


すっごい傾斜!


大黒山まで届かず幕営

3日目の朝は、強風で始まりました。前日2000m近くまで、頑張って下っておいてよかった!上の方は雪が積もったと思います。風花でしょうか、雪も舞っていた中でのスタート。ランカン尾根の大金山が見えました。


大黒山の手前のガレにあったハイマツ。1950mくらいのところです。この標高では珍しい!


ガレの様子。


このガレはとても展望がよかった。晴れていれば、笊ヶ岳の大武刀尾根やランカン尾根がばっちりみえるでしょう。


大黒山東の三角点標石

傾斜はあるものの、だいぶ歩きやすくなってきた林。里に近づいている感じです。


1380mピークの少し手前、すごい根っこ。1380mピークで、南の白石集落に下りるか、北の野鳥公園に下りるかの分岐点です。 


山の中で絶対的な基準となるのが、三角点です。分岐点の1380mのピークからは外れていますが 、地形もなだらかで面白そうだったから、南東の方角の三角点の探検に行ってみました。標高1316.33m三角点名「戸屋平」。アセビのジャングルの中に三角点発見。


山の中で驚くほど平らなこの場所を、戸屋平と呼んでいたのかもしれません。
巨大なヌタ場がありました。


1380mピークの西にあった、ただものではない感じのブナの巨木。


またしても熊棚エリア


大きな炭焼釜の跡

野鳥公園到着


吊橋を渡って駐車場の車に戻りました。


なかなか手ごたえのある山でした。この写真の右の尾根から登って、左の尾根から下ってきました。橋は野鳥公園と県道37号線を結ぶ橋で、早川本流に架かっています。正面の沢が黒桂河内沢。

クライミングの要素はありませんが、こんな山行をするためには山での総合力が必要です。