2013年12月30日月曜日

八頭山2013


八頭山は韮崎の裏山です。
標高は約900m  登山口の武田八幡宮が標高470mくらいなので標高差は400mちょっとしかありません。それに地形的にはちょっと複雑なので、いろいろな要素が出てきて面白いところです。


集合は武田八幡宮 冬至は昨日、それにしても寒いので日が当たるところに移動して、まずは国土地理院の25000図に書いてあることの確認。


本殿横から獣よけのフェンスを通過して山に入ります。顕著な尾根を目指します。


去年はなかったのですが、北側の竪沢(たつさわ)の斜面治山事業でのり面が自然のままではなくなっていました。すっごい工事です!


以前の同じ斜面の様子

その先で尾根が痩せます。せっかくなのでフィックスロープの通過を体験していただきました。
いつもだったらそのままどんどん登ってしまうところですが、あえての体験です。こういうのはバカに出来なくて、体験していないといざという時に使えません。ロープを張る時の注意点、セルフビレーのカラビナのかけ方、自分の前後の人へ声かけをする大切さなんかの説明。


それぞれの行為の意味がわかっていると全く違う世界が見えます。


トラバース系のフィックスロープの通過のあとは垂直方向のフィックスロープの通過です。


ここでの注意点はセルフビレーの扱いを自分でするということ。プルージックという結び方で上からのロープにセルフビレーを取って、危険地帯を通過しています。プルージックコードの上げ下げは自分でします。フリクションノットのひとつで、ロープにシュリンゲをからませて摩擦抵抗を作っていざという時落ちても止まるシステムです。


ここの危険地帯はロープで肩がらみ、またはごぼうで通過してもらいました。


危険地帯を通過するとわかりやすい地形が続いて八頭山山頂。


いつもの坦々鍋で舌鼓をうっていただいてのお昼。 


デコレーションケーキとかクッキーとかのデザートも出てきて満腹、満腹! 


またまた読図が続いての下山となりました。


下った谷間

かなりデープに地形図とにらめっこしながらこの史跡の尾根に上がります。


地形図上ではずしてはならない三角点。ここのは山頂から下がったところにあります。珍しい。


朽ちた標識

白山城跡からはずいぶん昔に整備された遊歩道跡を下りました。
地図読み、地形読みは常に実践あるのみです。なんどもなんども繰り返し意識付けした地図読みと地形読みを繰り返すことによって、経験値がぐっと上がります。経験値が上がるといちいちコンパスを出さなくても山の中を歩けるようになります。

そんな山行を提案していくつもりです。どうぞ初めての方もご参加歓迎します!



2013年12月29日日曜日

峰の松目沢

峰の松目というのは八ヶ岳の硫黄岳から西に延びる尾根上のピークです。八ヶ岳はピークがたくさんあるという意味だと思っていますが、それでもあえて八ヶ岳の8はどこ?という時に入ったりします。例えば、赤岳、権現岳、編笠山、西岳、横岳、阿弥陀岳、硫黄岳、そして峰の松目という具合。

美濃戸から赤岳鉱泉に行く真ん中くらいから、左に入るのが峰の松目沢です。アイスクライミング初級のルートのようです。というのは、アイスクライミングをしようと思って山に来たのは30年ぶりな三ちゃんでした!

ソロだったので他人の写真

朝焼け後の美濃戸


荒れる予報が出ていましたが、昨日で終わったみたいでした。とにかく綺麗!


ノ―トレースで初めてのところに行ったから、地形図をよく見て行ったにもかかわらず道間違い!
となりの沢で、深いところはももまでのラッセルでした・・・
それでもこんな素敵な非日常があるのが冬山です。あまりにきれいで感動!」


まあ何とかなるさと車にスノーシューを置いてきたことが悔やまれました・・・
スピードと体力の競争みたいになるつぼ足のラッセルも嫌いではないのですが! 


まぁ、間違えた沢に入っているとは思いましたが、目の前に現れた滝があったので30年ぶりのアイスクライミングはここからスタートと決めてチャレンジ!見栄えしね~!


なんだか今日はまわりがやたら綺麗!


赤岳と横岳がこの角度だとこんな感じ


間違えちゃったからもう帰ろうと思って下山を始めて、それでもほんとの峰の松目沢こっちかな?と無駄にラッセルしていたら目的の沢に合流しました。こいつはF1です。(FallのF、下から登って行って初めに出会うやつがF1)


これはF2。この滝の下部でセルフトレーニング、何度か登って下って、アックスの効き具合とアイゼンの前爪の感触を確かめました。今の道具はアックスに関してはとてもよく効くので安心です。勝負は、いつもの足の効き具合だと思いました。


ちょうど真ん中ぐらいのところで穴が空いていて水が流れてました!
なんだか怖くなって一度はクライムダウンしたくらいです。まぁ何とか超えました・・・


F2上の懸垂の支点。こいつを使う時は50mのロープが必要です。


先行パーティーが見えました。今日峰の松目沢に入っていたのは全部で4パーティー。


ベテランさんと初心者のパーティー。発リードという言葉が出ていたのが初々しい。


F6

だんだん空が曇ってきました。今日は風が優しくて助かった。


赤岳と中岳と阿弥陀岳。


 こいつはF8。バーチカル。混んでいたのでここでおしまい。
他のパーティーの登りを観察。だいたいわかりました。何が大事か。フットワークです。
フットワークがしっかりしていないとアイスダンスは踊れません!まさしくダンスって感じです!


この道具も使えなくては駄目でしょう。この日あった人は、ダイナミックビレーをしてました。バーチカルでなければ大丈夫だそうです。アイスは道具の進化がすんっごいです! 


懸垂下降3回とクライムダウンで下りました。下の写真、一瞬びくりとしたのは木の枝に乗っかった雪が大蛇に見えたのでした。


登山道に合流

ここまで下りました。

なんとこんな人も・・・スパイク付きのマウンテンバイクです。


モーグル路面も今年は大丈夫


駐車場は満杯。全国いろんなところのナンバーでした。山小屋も営業しているし、いろんな楽しみ方が出来るので入山しやすいのでしょう。

アイスクライミングも面白いです。でも基本クライミングのシステムがわかってないととんでもないことになっちまうのは毎度同じです。







2013年12月13日金曜日

八頭山 読図講習



   ■ 詳細

    日時     :   2013年12月23日(月)


    参加費用   :  ¥6,500(ガイド料) 
  
      
    難易度    :   体力レベル  
  技術レベル  

                
    集合場所時間 :  韮崎駅  12月23日(月)朝 8:00 
                              


     行程 :  韮崎駅-武田八幡神社-八頭山-白山城-武田八幡-韮崎駅
                   
            標高差約400m 距離約4km  


  持物 :1/25,000地形図 『韮崎』 (磁北線を入れておいてください)
             コンパス、昼食、行動食、水筒
              

     ■ 現在地の確認を中心に、地形を見ながら目的地までどう行くか?
      地図読みをしながらの登山の実践です。
     ・地形図(国土地理院25,000分の1)の話
        ・コンパスの基本的な使い方とルートの先読み
        ・地形図では表現しきれない地形
        ・晴れていれば山座同定
        ・地図読み以上に大切な地形読み
    などです。



    どうぞご参加ください!
     


 申し込みフォームからどうぞ!            携帯電話:

   

2013年12月12日木曜日

読図講習 満員御礼

僕は静岡山岳自然ガイド協会に所属しています。
会では月に一度くらいの割合で研修があります。今回は僕が講師で韮崎の里山を歩いていただきました。ガイドだけではなく一般の方も参加したので総勢16人。ガイドのほうが多いのでかなりお得!?な山行だったと思います。


徳島堰(とくしませぎ)と茅ヶ岳


徳島堰
「釜無川の右岸地域は、甲府盆地の北西部、南アルプス連峰の麓に位置し、釜無川の段丘扇状地と御勅使川扇状地にまたがり、北部が水田地帯で、南部は春から秋にかけてたくさんのの果樹が実ります。この地域に欠かすことが出来ないのが延長約17キロメートルに達する県内最大の農業用水路「徳島堰」です。
この徳島堰は、江戸深川の人「徳島兵左衛門」により、上円井(韮崎市)から富士川舟運の起点、鰍沢(南巨摩郡鰍沢町)までの水路を開削し、荒地の新田開発と甲信駿河三国(現在の山梨県、長野県、静岡県)を舟運で結ぶという、壮大な構想から計画され、今から約340年前の1665年(寛文5年)2月に兵左衛門の私財により工事が始められました。
水路のほとんどが土水路で、石積みにより取水口を作り、河川など数カ所の難所を横断し、2年後の春には飯野南橋(旧白根町)まで通水させたのですが、この年に兵左衛門は、工事から突然手を引き、後の工事は甲府城代に引き継がれ、1670年(寛文10年)に工事が完成しました。
兵左衛門の舟運構想は実現されることはなく、何れに姿を消したのかは不明ですが、この工事の完成により、豊かな水が流れ、いたるところに美田の開発が進み、地域農民の生活は飛躍的な発展をとげました。この「徳島兵左衛門」の功績を称え「徳島堰」と命名されて以来、歴史の中で何度もの復旧や大改修が行われました。昭和に入り、上水道の整備や畑地かんがい施設の整備が実施され「月夜でも焼ける」と言われた干ばつ地帯を潤すことが可能となり、現在も釜無川右岸地域の農業や生活を支えています。」      農水省のホームページより

折居 入戸野集落

石の道標です。
集落の中ほどの徳島堰の脇にひっそりとありました。彫られた文字は、それぞれの面に進行方向の地名でした。僕らの進む方向には「青木鉱泉」とありました。鳳凰の登山口の青木鉱泉です。昔はこの前山を越えて行くルートが使われていたのでしょう。


地図と首っ引き

簡単なところはどんどん歩きますが、現在地の確認と地形を判断するところはじっくり地図を見ました。普通の倍は時間がかかる感じです。


山の神の石祠を包むように木が生長してしまった・・・


明治45年の馬頭観音


大平山1117m到着

食後のスイーツの定番!


やっていただきました!ダジャレみたいな`山ガ-ナ´


再び出発。下山の方が読図は難しいです。特徴のあるところは現在地の確認では外せません。


これは江戸時代の馬頭観音です。


立派な山の神の石祠


植林地の仕事道

無事下山。輝く富士


輝く茅ヶ岳

読図と地形読みのどちらも大切です。これで決まりということはなく、常に修正が必要です。そのためには、下ばかり見ていないで、常にまわりを観察することです!

地図読みと地形読みの、実際に山で使える技術講習は日程がつき次第募集します!
おたのしみに!