2013年3月29日金曜日

明日からは春山かな!?


この日の最低気温―15℃
冬バリ(冬山のバリエーションの意)に行きたいとリクエストをもらってました。
今年はすごいですね、平地の気温ですが、3月から20℃越の日が何日もあります。
火曜の朝は冷えました。前夜うっすらと雪も降りました。

八ケ岳の阿弥陀岳です。朝日が当たって神々しいくらいです。
右の斜めになった城塞のような岩が北西稜、ピークの中央左のちょこっと岩が見えるのが北稜。
まずはここを目指します。

 北稜ジャンクションピーク

行者小屋を過ぎて文三郎の途中から右に行き北稜方面へ。ジャンクションピークは北稜つながりなので本当は末端から行くべきなのでしょうが、トレースの誘惑に負けました。


中岳を見ると光のいたずらのような景色。太陽はありがたい!


中岳と阿弥陀のコルです。
雪とダケカンバのコントラストは大好きです。


吸い込まれるような青空に向かって苦しい登りでした。登り切って北稜の稜線に入ります。

 こんな感じの岩登りが2ピッチ。初リードの達成感がちょっと入った笑顔がいいね!
 高度感という言葉

 面白い雪庇

2ピッチの岩が終わると雪稜になり、最後は急な雪面。この日の天気は最高でした!
飛行機雲と競争するようにアイゼンを利かせて登ります。
       なんだか信玄公祭りに参加しているようないざ出陣!みたい


阿弥陀の山頂から下りながら振り返ったら、後続のパーティーが阿弥陀の北稜の最終ピッチに取りついていました。
スカイラインの岩を登った後です。


阿弥陀の一般ルートを下ってますが、北稜の最後と変わらない傾斜です。結構やばいところです。

 下り着くとこんな感じ。
美肌の雪稜ですよね。

阿弥陀から見た赤岳です。
真ん中に文三郎道が見えていて、上の方でちょい左が南峰リッジ、その左に赤岳主峰、さらに左にショルダーリッジ
いわゆる赤岳西壁というのですが、写真は細かいのがありません。デジカメがいかれていて赤岳主稜を登っている写真は何故か接写モードになっていてみんなピンボケ!残念!


中岳から文三郎に合流して少し下るところです。
このあと文三郎道の途中から赤岳主稜に取り付いて2時間半登って赤岳山頂。
全部で何ピッチかは忘れましたが、午後になって中間部の岩が解けてグラグラだったのが怖かったです。


帰りの行者小屋の下からの赤岳西壁
この日は最後ヘッドランプのお世話にはなりませんでした。
冬バリデヴューで2本もこなして充実した山行になったと思います。
でも半分くらいは春が入ってたな~!

2013年3月28日木曜日

笊ヶ岳 山梨百名山最難!


 山梨百名山をトライすると最後に残る山、鋸岳、鶏冠山、笹山、笊ヶ岳の4峰ですが、笹山は少しやさしいです。道が険しかったり、岩が出てきてロープが必要だったりするのが難しい理由です。

その中でも体力勝負になるのが笊ヶ岳です。2000mの標高差の急登です。樹林帯の中の急登です。
でも稜線に出ると360度の大パノラマ!そんな笊ヶ岳を登りませんか?
山小屋がないのでテント泊となります。当日の装備も含めガイド三上がお手伝いします。

■詳細
日時   :   2013年6月 8、9日(土、日)

 参加費用 :  ¥30、000 (ガイド料、その他) 
       
難易度 :    体力レベル ★★★★             技術レベル ★★★ 

出発時間 :  6月8日(土) 朝7時 早川町 雨畑 老平駐車場

ガイド車に乗り合わせも可能です 6時 中央市田富市役所駐車場 
  

登山ルート :  1日目  中央市役所ー雨畑 老平ー広河原―山の神―檜横手標高2000m地点(テント泊)
       
          2日目  檜横手―布引山を経て笊ヶ岳ピストン―檜横手―山の神―広河原ー雨畑 老平―中央市役所

行動予定 :  1日目 老平7:00ー 9:00広河原ー 14:00檜横手テント予定―登りの速さにより布引山テント泊
          
          2日目 テント場5:00ー7:00布引山―8:30笊ヶ岳―10:00テント場ー14:00広河原―16:00老平 
             
必要な装備 : 登山靴、ストック、寝袋、マット、雨具、 防寒着、手袋、スパッツ,サングラス、ヘッドランプ、

                   テルモス、食器と箸、昼食2日分、行動食、非常食、テント、ストーブ、コッヘル、風呂道具

■食事      三上にご相談ください。しっかりしなくてはならないのが一日目の夜と、二日目の朝です。
          ご自分で準備をしてもいいですし、三上が準備してもいいです。アルコールは大歓迎! 

■ 申し込み   こちらからどうぞ!

  催行にあたり、同意書は必ず必要です。同意書はこちらです。

  保険加入も必ず必要です。日本山岳協会の共済をお勧めしています。こちらです。



三ちゃん
公式サイト



2013年3月26日火曜日

御岳道から金峰山



金峰山に登られた方は多いと思います。
大弛峠から、増富から、廻り目平からとルートはいくつかありますが、今回は最も古い黒平からです。
昇仙峡の奥、金桜神社から猫坂を通って黒平へ、いくつかの鳥居をくぐって御室小屋、そこから急登をあえいで登って山頂。
江戸時代から盛んだった金峰山講という講中登山の道です。古くは修験道の道でした。

 日本百名山の深田久弥も歩いています。

百名山の書き出し~「金峰山は実に立派な山だ。一人秩父山脈中に嶄然頭角を抜いて居る許りでなく、日本の山の中でも第二流を下る山ではない。世に男の中の男を称えて裸百貫という諺があるが、金峰山も何処へ放り出しても百貫の貫禄を具えた山の中の山である」~
これは木暮理太郎という登山家が金峰山を表現したもの、増冨ルートの金山平にレリーフがあり、毎年秋に木暮祭というイベントがあります。

昔の人ほど強くはないので、黒平の集落の先の広場まで車で入り登り始めました。
1日目は御室小屋までの予定。読図をしながら御岳道を忠実に歩きました。


登山口です。


 登り始めてすぐに林道。法面の崩れたところを登るのですが急です。左の灌木の根元に残置のテープシュリンゲが見えます。 

 遥かに金峰山が見えます。


この辺りはほとんど植林された森です。かなりがカラマツ林ですが、御岳道の途中に自然林が残ってました。標高1,600M付近、ブナやミズナラが出てきました。ブナの実です。


 
真ん中の笹が生えていないのが登山道、傾斜はないのですがきつく感じるところです。


水晶峠です。
御岳道は意外に整備されていて、水源林だから甲府市の水道局が見回りのために整備していると思ってました。
いい機会なので帰ってから確認したら、整備をしているのは林務課だそうです。水晶峠周辺はネット情報を頼りに水晶の盗掘が多く、困っていると言ってました。盗掘禁止の看板もたくさんあります。


 
だいぶ雪も出てきて凍ったところもあるので、アイゼンを着けました。

 御室小屋です


 今回は食当に手をあげた方がいました。鳥のつくね鍋です。今年は春が早いといってもまだ3月、日が落ちると寒いので焚火がありがたいです。


翌朝、いきなりこんな岩場からスタートです。鶏冠とか鶏冠岩と呼ばれているクサリ場です。
写真の右側に外傾しているのでちょっと怖いところです。鎖にセルフビレーを取りながら登りました。


クサリ場の上はこんな岩場。鶏冠と名前が着くところはたいがいこんな感じ。


目指す金峰五丈岩が見えます。手前にちょこんと乗っかった岩が見えます。
`片手回しの岩場´と呼ばれている所です。

 登山道からはこんな感じ


とても面白い場所で、花崗岩です。
廻り目平の周辺の岩峰群と同じです。


付け根はこんなにくびれています。
登山道から10mくらい高いところなのでロープをフィックスしました。
ちょっと遊びすぎたかな?

 

登山道に戻って五丈岩を目指します。樹林帯の中のラッセルにとても苦労しました。

 南面直下の五丈岩


 
やっとこさ五丈岩に着きました。ここは広場のようになっていて、昔は建物があったそうです。
金桜神社の本宮で石灯篭の横に祠があります。

 遥かに北アルプス

計画では手前のとがったピークを左に八幡尾根を下る予定でした。
御室小屋からの登りに時間がかかってしまい、体力的にも時間的にも読図をしながら八幡尾根を下るという当初の目的は、果たせませんでした。
もっと綿密に計画すべきで、ガイド三上おおいに反省です。
というわけで、増冨口の瑞牆山荘にエスケープです。



振り返ってみる五丈岩
風が少し冷たくて肌寒いのですが気温はプラス。雪もどんどん解けています。
尾根の北から南に蝶々が一匹とんでいきました。蝶はよくわかりませんが、おそらくコヒオドシというやつだったと思います。成虫で越冬するそうです。

 八ヶ岳と瑞牆山

 

樹林帯に入ってずっとこんな感じで凍っています。大日小屋の先のトラバースが終わるまでアイゼンを外せません。

八幡尾根には届かなかったけど金峰山を堪能できた山行でした。
お疲れ様でした!
良かったら以前の山行もご覧ください。











2013年3月14日木曜日

日本橋 富士の国やまなし館


今日は東京でした。
富士の国やまなし館は山梨県のアンテナショップです。東京駅の八重洲口、日本橋桜通りの日本橋プラザビルです。以前、お世話になった方々が働いています。
久しぶりにお互いの近況なんかを話したりしました。
「な~んだ、そのまんま山のガイドさんなら山梨を代表するガイドさんになって!」と励まされました。


やまなし館館長の森原さんです。
よ~く見てください、森原さんの左手には三上の名刺!

      

ガイド山行の案内を山梨のアンテナショップでも出来そうです。
人の繋がりって面白いし、ありがたいです。

2013年3月13日水曜日

信越トレイル 袴岳

 
信越トレイルは、長野と新潟の県境であす。斑尾山を含起点に、関田(せきだ)山脈のほぼ尾根沿いを縦走する総延長約80kmのロングトレイル(長距離自然道)です。日本海から約30kmに位置する関田山脈は、標高1,000m程度にもかかわらず積雪が5メートルを超える豪雪地帯で、ブナの森をはじめとする豊かな自然や、文化・歴史が色濃く残る里山です。

 上信越自動車道 妙高山

夜明け前に家を出ました。集合場所の信越高原まで小諸を通って3時間ぐらい。
夜が明けるとともに大パノラマが広がりました。佐久からは浅間山、上田あたりからは北アルプス、穂高も槍も鹿島槍、白馬、みんな見えます。
更埴ジャンクションを過ぎると戸隠、高妻、飯綱、黒姫、妙高、志賀高原の山々、素晴らしい展望です。



登山口の峠を目指します。
この時期普通に5mは積ると言われています。ここのところはあまり降ってなく、雨が降ったそうです。



所属するガイド協会の「ネイチャースキーで行く信越高原」という研修です。
テレマークスキーはカカトを固定しない金具と専用のブーツを特徴としたスキー用具。スキーを履いたまま滑りも歩きも軽快に楽しめるというもの。
ステップカットスキーという板だそうです。エッジがついていてソールにステップ加工(鱗みたいな刻み)がしてあるので多少の登りなら滑らず登れます。



弱層テストです。
雪崩を誘発する雪の結合が弱い面が弱層で、雪の層がわかるように掘り出して観察して、上から叩いてみたりします。

3m以上は積もっているわけです。地面が出るまで掘れば雪の降り始めからの状態が地層のように観察できます。もちろんこれだけで判断するわけではなく、雪崩地形であるかどうか、一週間前くらいまでの天気はどんなだったかとかの総合判断になるのですが、一番は経験による判断。特にどうこうではなかったものの、傾斜のあるところはやめとこうとなりました。



本当にいい天気でだいぶ汗をかきました。
本当はもっと高い木々なんです。地面から数メートル上の雪上を歩いているわけです。

 ハルギリの冬芽の観察です。芽吹いたときに新芽を天ぷらにと思っても簡単に手が届くかな?

 ジグザグに登ります。

 熊棚です。面白い話を聞きました。
木の登った熊の食事中の様子を見た方がいて、かなりリアルに説明してくれました。
樹に実がなると、枝を折って幹の枝分かれしたところに敷いて、ベッドのようにして食べるというイメージですが、実際はテーブルだそうです。
実は先端の方に生るので、それを口で折って逆さにして、太い枝で踏ん張って、立ったまま食べるそうです。

 袴岳の頂上に着きました。
遠くの山は飯綱山と黒姫山。手前に野尻湖が見えます。



妙高山
信越高原で一番高い山。2454m もちろん日本百名山です。

 ブナや樺の森を下ります。

 雪があるのでよくわかりませんが林道なんです。
ステップカットの板だとこのくらいの登りは平気です。

ゆっくり雪国の里山を堪能してきました。