2016年8月23日火曜日

富士登山

またまたのプリンスルートでした。同じようなところでごめんなさい。でも山って面白いです、その時の天候、メンバーによってそれぞれ味わいがあります。今回は去年に引き続き、佐賀県出身の1960年生まれの方々が中心の富士登山。僕も同い年なので、気心が知れたチームとなりました。

富士宮口五合目がスタートで、御殿場口五合目がゴール。御殿場口五合目に車を置いて路線バスに乗って富士宮口の駐車場、水ヶ塚に移動です。そこでバスを乗り換えて富士宮口五合目に移動です。


この日は残念ながら雨。水ヶ塚で五合目行きのバスに並ぶ登山者。立派な駐車場なので屋根ぐらいあってもいいだろう!って気持ちでした。


富士宮口五合目に着きました。並んでいるのは水ヶ塚駐車場に下るバスの順番待ち。午前11時に下るということは、山頂ご来光が済んで、つまり山頂に行って下ってきた人たち。この日は天候が良くなかったので、散々な感想でバスを待っている人たちということでしょう。


これから登る人たち。いっこうに止まない雨に一喜一憂しています。それは僕らも同じでした。富士宮口五合目に着いて、1時間くらい高度に慣れている間に止んでほしかった雨。残念ながらそれは叶わず・・・


カメラのレンズも濡れてしまうような立派な雨降りの中の出発。


みるみる川となった登山道。


宝永火口から這い上がるような登山道。


風が弱かったので宝永山にも寄りました。


馬の背と御殿場口下山道を通過して、御殿場口登山道にトラバース。雨はそのうち止むということがわかっていて、翌日は回復するということが前提での行動。


淡々と登って3000mの標高まで来ました。


まもなく「わらじ館」到着。初めて泊まりましたがなかなか快適。御殿場口には3つの営業小屋があります。その中で一番標高が低い山小屋です。それでも3000m以上に立地。普通はどの登山口のルートでも八合目あたりの山小屋に泊まります。3300m前後です。低い小屋だと翌日登る距離が多くはなりますが、高山病の症状が出にくいです。それは結構重要な要素かもしれません。


一時的に晴れました。濡れたものをなるべく干しました。


夕食は定番カレー。お代わり自由は魅力的です。お代わり1000円の世界じゃない安心感。


御来光は小屋の前から。


朝食のご飯もお代わりありです。


雲に邪魔された御来光でしたが、朝食を食べていたらしっかり雲の上に出ていた太陽。出発です。


宝永山上部の崖。赤茶けた壁が見えます。夏の間、ここはアマツバメが営巣して子育てをするところ。たくさんのアマツバメの鳴き声や飛ぶ姿に出会えていたのに、もうその姿はありませんでした。


富士宮口八合目へのトラバースルートがあるあたりの鳥居。


御殿場口山頂の鳥居。全体的に傾斜を殺した緩やかな登山道の御殿場口ですが、山頂手前は特に緩やかです。優しさを感じる登山道です。


富士宮の浅間神社の前を通って剣ヶ峰へ。いっつも苦しい馬の背の登り。


山頂記念写真や奥之院参詣、郵便局などを済ませて下山です。一気に下って来て最後のお楽しみの大砂走。


何となく痛々しい道しるべ。風が強い時に飛ばされた小石が当たった跡なんです。


もう夏も終わるよ!と言っているように、今が盛りと咲き始めたフジアザミ。


このロープが登山道を示すガイドラインですよ~、と言っていたらズバリ視界がなくなりました。


ガスガスの大石茶屋。


お疲れ様でした。2日目の晴天が、1日目の土砂降りの中の行動を帳消しにしてくれました。今年も素晴らしい富士登山でした。楽しかったです。ありがとうございました。

2016年8月15日月曜日

転付峠越

転付峠(でんつくとうげ)は山梨と静岡の県境にある峠です。早川町新倉から内河内川を辿り、最後のヨモギ沢とアザミ沢が分かれる二俣から尾根道となり、標高2000mにある峠です。上級者向けの登山道です。

5年ぶりくらいに歩くので、記録として書き留めておこうという記事です。
以前は早川の県道37号線南アルプス公園線から入ってすぐのところから歩き始めましたが、今は県道から内河内に1.5㎞くらい入ったところのヘリポート脇に車を停めるようになっています。


車を置いてから2㎞少し歩くと田代第二発電所。田代という地名は転付峠の西の大井川上流の地名です。この水力発電所のタービンを動かしている水は大井川から取水しています。南アルプスの登山基地の一つ二軒小屋の上にある田代ダムからやってくる水です。昭和3(1928)年から稼働しています。発電の役目を終えた大井川からの水は、早川から富士川に流れて駿河湾へ。
最大使用水量:毎秒5.34㎥(立方メートル)、全くイメージできない数字ではあります。


以前は内河内沿いに登山道は付けられていました。渓谷沿いの道は以前もだいぶ荒れた感じではありましたが、設置された橋や手すりになるワイヤーなどは辛うじて使えました。2011年の台風被害によってそれらも使えなくなり、旧ルートは沢登りの装備がないと通過できなくなりました。

2013年(正確ではない、その前後の年)に別ルートで転付峠へのアプローチが整備されたらしいというのは知っていました。それが八丁峠経由のこのルートです。


田代第二発電所横から、内河内右岸の枝沢に入ります。正面が八丁峠。元々山仕事で使われていたルートでしょうか。日本列島を縦断する大断層、糸魚川静岡構造線が通っているところです。かなりやばいルートです。


ものすごい急登で、設置されたワイヤー等に助けられながら登ります。


山仕事の小屋の跡。ホースが転がっていたので水も引かれていたようです。いずれにしても50年以上前の話です。


八丁峠からトラバース気味に内河内本流に戻ります。谷あいが狭まったところを大きく高巻いたという感じです。すぐに右岸から左岸にこの橋で渡りますが、いつ流されてしまうかわかりません。


旧道に合流して、内河内沿いの登山道。最近整備された橋ですが、結構怖いです。こんなのが度々登場します。


保利沢小屋。東京電力の管理小屋です。一般開放はされていません。


ここから登山道はさらに心もとなくなります。マーキングはされていて、この青のスプレーや青のヒモなんかがルートを的確に示しているので、頼りにするなら青です。沢地形は変化が激しいのでこういったマーキングは積極的に利用させていただきます。


内河内川最後の沢の分岐のヨモギ沢を見上げています。ここから尾根に取りついて転付峠の最後の登りです。ヨモギ沢とアザミ沢が枝分かれしますが、ヨモギ沢に少し入って左の尾根に取りつきます。入口は草が生えていてうっかりすると見逃してしまうので注意です。


山と高原地図にも登場する「ブナの大木」


人の手が加わっていても沢沿いは荒れています。尾根道に入ると気持ちいです。昔から使われてきた道なので、傾斜を殺してつづれ折りにつけられた道。カラマツ林の笹がとてもきれいでした。


転付峠手前の水場。冷たくておいしい水です。


転付峠でんつくとうげ


ふと笹の中に山の神の祠。


奉納した方のお名前を見ると早川の人達です。だんだん廃れつつある峠道。


この転付峠越の道、1887年(明治19年)に開通した「伊那街道」と呼ばれていました。富士川と伊那谷を結ぶ全長80mの道。転付峠から大井川西俣に入り三伏峠標高2500mを越えて大鹿村。工期に10年、使われたのも10年くらいだそうです。交通網の発達で短い命でした。伊那街道の一部は今でも登山道として生きているというわけです。転付峠越の道も元は伊那街道の一部でした。


二軒小屋に下る道も傾斜を殺した緩やかな道。途中のカーブにあった石積み、明治のころに積まれたものかもしれません。


二軒小屋。東海フォレストの経営です。


転付峠越、結構覚悟して入らないとならないでしょう。奥深い南アルプスの峠越えです。

2016年8月12日金曜日

富士山の山小屋

富士山三昧の最後は、山小屋のことを書いてみます。

富士登山、もちろん日帰りすることも出来ますが通常は一泊二日です。単に山頂に行くだけではなく、山頂で御来光、日の出を見たいという方が圧倒的に多いです。その場合、夕方までに八合目前後の小屋に泊まります。富士宮ルートは、もっとも標高が高いスタート地点2400mです。元祖七合目の山口山荘3010m(山頂までの標高差約760m)、八合目池田館3,250m(山頂までの標高差約530m)、九合目萬年雪荘3460m(山頂までの標高差約310m)、1日目に高い小屋まで行けば翌日少しは楽になりますが、高ければ高いほど高山病のリスクが増します。


前後の写真は、富士宮ルートの東、御殿場ルートの赤岩八合館3300m(山頂までの標高差約460m)です。富士山といえばほとんどの小屋の食事はカレーです。使い捨ての容器とスプーン。水がないので合理的にこうなります。つまり、食器を洗う水を下から上げるくらいなら、使い捨てのほうがいいということです。似たようなカレーの写真が登場しますが、赤岩八合館のボリュームに注目してください。ここはお替り自由です。主食のカレーです。お茶もお替りできます。


赤岩八合館は小屋から御来光が見えます。朝食もご飯とみそ汁はお替りできます。


富士宮ルートの山口山荘です。


やはりのカレー。ボリュームはそこそこですがお替りは有料です。水も一杯だけ。すごく清潔で、対応もいいのですが、寝るスペースが狭いです。布団ですが、1人分あてがわれるのが約30㎝の枕の幅です。並べられた枕を見ると、おのずと自分の寝るスペースが目視出来て、少し悲しくなります。そのくらい寝るスペースがタイトです。


富士宮ルート八合目池田館。一泊二日で富士山に登るなら、一番バランスがいいかもしれない標高です。


本当に似たようなカレーの写真です。いちばんボリュームがありません。夕食のカレーの話です。頑張って登って来てお腹が満たされないと、充実感が半分になっちまいます。18人でやかんのお茶やかん2個のみ、飲み物のお替りはありません。


ワンブロックに6人。混んでいなかったのでした。それぞれ寝袋です。寝るスペースは十分です。


九合目萬年雪荘。ここまで登って泊まると次の日が楽ですが、食事も寝床もリラックスできません。深夜12時くらいから営業もするので、富士宮ルートの中で一番吉田ルートに近い小屋です。その意味は、とにかくゆっくり泊まることが難しいということです。


なんだかんだを割り切れば、嫌いな小屋ではありません。ここから次の日山頂御鉢巡りをするといい感じの時間に下れます。小屋から5分も東に行けば御来光を見ることが出来ます。


萬年雪荘の上の雪渓。名前の由来です。


山頂まで一息のところにある胸突山荘3590m ここに泊まったことはありません。ちょっと小さな小屋です。


富士山の欠かせない物流の主役のブルドーザー。


左奥の尾根からの落石から登山者を守ってくれるフェンス。落石が危険な場所です。このフェンスを過ぎると山頂は近いという感覚です。


富士宮ルート山頂の山小屋富士館


富士山頂でペットボトル一本500円は良心的ともいえます。七,八合目と同じ値段だからです。


カップ麺にお湯を入れてもらって800円。超合理的感覚で運営されている小屋です。


本当に富士山という特殊な山の象徴みたいに思えました。千単位で消費されるカップラーメン。


水の問題があるので、提供できるものをカップラーメンだけに限定しているということです。吉田口の山頂の小屋は丼で出てくるので、少し事情が違うのでしょう。それにしても今回初めて山頂の小屋に泊まって、そこいらの事情が見えた感じでした。富士宮ルートの山頂の富士館の営業時間:午後3時までカップラーメンの提供、午後4時から宿泊者の受付と対応、午後7時には消灯と施錠。自由に外には行けません。午前4時にかぎが開けられ外に出ることができます。宿泊者のチェックアウトは午前5時。とにかく、宿泊者と休憩する人の線引きをはっきりしないととても混乱してしまうのです。まじサバイバルという言葉の世界でした。標高も高いし、時間にも追われるので、ここに泊まるのは大変です。


夕食のカレー。ボリュームはいい感じでした。意外にね!


ギリギリまで粘って見えた夕日の影富士


翌朝の日の出。


午前5時を過ぎたので、寒いけど外で食べることになった朝食。


下るのは御殿場ルートから下りました。向こうは宝永山。


太平洋高気圧に包まれている感じがしました。


夕日に照らされた宝永山。


朝霧高原からの夕日の富士山。